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「マンション」についての基礎知識:不動産購入のイロハ⑤

友人の家探しを通して、「不動産購入のイロハ」をレポートしています。
今日は物件を見ていく中で知ってほしい、
マンションの建築的な基礎知識についてです。

前回の記事はこちら

友人は女性、50歳、独身で、医療関係の仕事をしています。
今は、実家で80歳近いお母さんと二人暮らし。
家を買いたい理由は、実家の老朽化と、
お母さんの今後の生活に備えてです。


いよいよ内見です!


いよいよ物件の内見を始めました。
先日内見したのは、2つの駅の徒歩10分圏内の4物件でした。

・A駅
①1995年築(築28年)、駅徒歩7分、約56㎡、2LDK、3F、フルリフォーム予定、ペット不可、2680万
②2007年築(築15年)、駅徒歩4分、約60㎡、2LDK、1F、フルリフォーム済、ペット可、3080万
③②と同マンション(築15年)、約56㎡、2LDK、3F、現況(リフォーム無し)、ペット可、2880万

・B駅
④2019年築(築3年)、駅徒歩9分、約60㎡、2LDK、2F、一部リフォーム済、ペット可、3180万


マンションの「つくり」のおさらい


マンションは、
住戸を取り囲むコンクリートの床・壁・天井(=スケルトン)と、
その中に作られる内装(=インフィル)で構成されます。

スケルトン・インフィル
スケルトン:骨組み、構造躯体のこと。
インフィル:中身、内装や設備のこと。

https://house-base.co.jp/press/column/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%AE%B6%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3%EF%BC%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB/

マンションの規約で、
スケルトン「共用部」=各所有者が勝手にいじってはいけない、
インフィル「専有部」=各所有者が手を加えられる部分
と定められています。
今回の①と②は、フルリフォーム(=スケルトン状態からすべてリフォーム)の物件でした。


築古と築浅は何が違う?


今回、築28年の物件①と、築3年の物件④を見ることができました。
築古いものと新しいもの、どんなところが違うかわかりますか?
築28年の物件も今回はフルリフォーム物件なので、内装は新しいです。
それ以外のポイントを解説しましょう。

・バリアフリーか否か
①はマンションのエントランスを入ってすぐに階段がありました。
スロープはありません。
マンションの玄関前に数段の階段があるなども、
「バリアフリー」が義務化される前の物件には、よくあります。

こんな感じ

「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法) が、平成18年 (2006年)12月20日に施行されました。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000091_20210401_502AC0000000028

また①は、マンションのエントランスドアは自動ドアでなく、開き扉。
セキュリティロック「手動」でした。

入るときには通常のインターホンで開錠し、ドアを開けますが、
出る時には手でロックを回し、ドアを開けます
これは元々あったドアに「後付け」でロックが設置されたためです。
昔はマンションにオートロックは無かったんですね。

荷物を持っていたり、杖を突いていたり、
ましてや車いすの人には、とても不便です。

・水周りの段差
①は、リフォーム工事前の解体作業中でした。
廊下から洗面所に入るところに、12~13㎝の段差がありました。
築古い物件では、このように洗面所とお風呂の床が、
廊下より上っていることはよくあります。

スケルトンのコンクリート床の上に、
洗面所やお風呂からの排水管が配され、
パイプスペースまでつながっているためです。

ちなみに築浅物件の場合は水周りのみコンクリート床を下げたり、
全体に配管スペースを設けて余裕のある設計にしたりして、
住戸内の床はフラットです。

・サッシ・玄関ドア
住戸内の内装は「専有部」で、リフォームをすれば新しくなります。
しかしサッシ・玄関ドアは「共用部」で、
マンション全体でやり替えるべき箇所です。
リフォーム済み物件でも、そこだけは古いままです。

サッシはペアガラス(ガラスが2枚)が普及したのは2000年代に入ってからです。
それ以前は一枚ガラスで、断熱性はかなり劣ります
内側にもう一枚サッシ(インナーサッシ)を付けると、断熱性は格段に上がります。
しかし金額も張るため、リフォーム済み物件でも
設置しているケースは、まずありません。

・バルコニーの考え方

①は二面バルコニー(L字型にバルコニーあり)の物件でした。
しかし、バルコニーの奥行きが約1メートルと狭かったです。
ゆったり使える感じではなく、洗濯物を干すのも大変。
長さはかなりあるけれど狭いため、「掃除が大変」という感じでした。

昔はバルコニーの奥行きと言えば、1メートルが一般的でした。
今は1.5~2メートルくらいです。

また、③は奥行きは1.5メートルくらいあるものの、
幅は一部屋分の3メートルくらいでした。
二部屋分のエアコンの室外機を両サイドに置くしかなく、室内から丸見え。
真ん中のスペースは、2メートルくらいしかありませんでした。

今のマンションは二部屋分の幅いっぱい、奥行きも広く取ります。
こんな感じ

このようになったのも、最近の話なんですね。

マンションの「設計」も、時代とともに進化しているんですね。

なかなかニッチな話でしたー(笑)
マンションを買いたい方、
住んでいる方は知っておいてくださいね。

お付き合いいただき、ありがとうございます!

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