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私たちはこれから、どこで何を「思い出」にしていくのだろう

先日、こんなニュースが流れていました。
「(東京渋谷)東急百貨店本店閉店」
たくさんの人が詰め掛け、別れを惜しんでいました。

昔からあるお菓子の販売終了。
「えー、無くなっちゃうの?残念!」
でも、最後に買ったのはいつ?
東急本店も、そんなに閉店を惜しむのなら、
「もっと買ってくれればよかったのに」と言いたいのでは(笑)?

インタビューでの、80代の母と一緒に来ていた50代の娘。
「昔よく母と来ていたので。ありがとうという気持ちです。」
と。

みんな「思い出をありがとう」と言っているのですね。

80代と50代、ちょうど私と母の年代です。
私も、思い出したことがありました。


デパートの思い出


私の実家は、青森の中でもさらに辺境の地にあります。
週末によく、父の運転する車で片道一時間以上かけ、
街に買物に行っていました。

私が小学校低学年くらいまででしょうか。
デパートで買い物をしたあと、
「上の階」にあるファミリーレストランで、
「チョコレートパフェ」を食べるのが、とにかく楽しみでした。

注文するものは結局いつも同じなのに、
ショーケースにずらりと並んだサンプルを、毎回隅々まで見ていました。

昼食にパフェだけではダメだよと、小さな頃はお子さまランチ。
少し大きくなってからは、パンケーキなんかを食べていた気がします。
ここで初めて「ピザトースト」を食べたことも憶えています。

そう言えば、またまた思い出しました。
私は小さな頃は小食で、あまりご飯が食べられず、
母がよく、そのことをこぼしていました。
今では信じられませんが(笑)。

私は、自分の娘に随分と
「どうしてこれくらい食べられないの」と言い続けたけれど、
私も、そうだったな(-_-;)。

「一応注文する」メインは半分も食べずに、
父が毎回残りを食べていました。
父は「俺は残飯係か?」と笑っていました。
私にとってのメインはチョコレートパフェだったので、
そちらは一生懸命に食べたのを憶えています。


母と買物に出かけた想い出


私がもう少し大きくなってからは、
母と時々汽車(電車ではない)で買物に出かけました。
おそらく私が中学生くらいまでのことではないでしょうか。
母は車の運転が出来なくて、
父と行くと、心置きなくあれこれ見ることが出来ないためでした。

汽車は2時間に1本くらいしかないので、
あらかじめどこを回るか、所要時間を想定して回りました。
最後には食料品を買い込むので、二人とも両手に大量の荷物でした。
きっと母は楽しかったと思います。

これも今思い出したのですが、こんなことがありました。
母が帰りの汽車の中に、箱に入ったケーキを忘れたことがありました。
(ここからは推測)
駅を降りてから母が駅員さんに言い
→駅員さんが汽車の車掌さんに連絡
→車掌さんが途中駅にケーキの箱を降ろし
→その駅から私の家の駅まで乗るお客さんに持たせてくれた。

なんと!同じ町に住むどこかのおばさんが、
ケーキの箱を家に届けてくれたのでした(笑)
みんな親切でしたね。

他にも、田舎あるある、あったなあ、、
話が長くなるのでまたの機会に(笑)

その街のデパートは、随分前に閉店してしまいました。
あちこち立ち寄った商店街も、シャッター街になってしまいました。

父が趣味でよく立ち寄っていたカメラ屋さん
中学の入学祝いにと、腕時計を買ってもらった時計屋さん
初めて自分のおこづかいでシングルレコードを買ったレコード屋さん
(ちなみに、沢田研二の「勝手にしやがれ」笑)

どれもこれも、もうありません。

商店街がさびれたのは、郊外に大型ショッピングセンターが出来たせい。
当時は随分とたたかれていたけれど、
今や、その大型ショッピングセンターですら、存続の危機にあります。


消費行動の変化


デパート黄金期は「レジャーと買物」はセットでしたよね。
デパートでデートをしたカップルも、多かったのではないでしょうか?

それが、買い物は「ついでにするもの」になりました。
仕事帰りに、お店を覗いて帰る。
ターミナル駅の駅ビルがファッションビル化しました。

そして今度は、「通勤」自体が減りました。
ネットでの買物が主流になり、もはや店が不要になるかも、、
そんな時代です。

「ファミリー」が減り、ファミリーレストランも閉店が目立ちます。
「ひとりご飯」のお店がどんどん増えていますよね。


これからはどこでどんな思い出をつくるのだろう


チョコレートパフェを子供が美味しそうに食べたり、
あーでもないこーでもないと一緒に服を選んだり、
初めてピザトーストを食べたり、、
母の良き思い出は、「家族」と紐づいているのではないでしょうか。

母の世代は、「家族」が人生の目的ではなかったでしょうか。
一生懸命働いて子供を育て、
定年の頃には責任を果たしてやれやれ、、と。

しかし、「家族で過ごした時間」よりも
「それから」の方がとっくに、長くなってしまいました。

これからの家族は、どこでどんな思い出をつくるのでしょう。
カップルはどこでデートをするのでしょう。
そして、家族のいない人。
家族を「卒業」してから。

どこでどんな思い出を、紡いでいくのでしょうね。

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