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もういい歳なのに、「親との関係」に悩むジレンマ

よくnoteで、「親との関係」に悩む記事を見かけます。
その中でも、関係がそれほど悪い訳ではない。
親が相当な高齢になり「優しくしてあげたい」と思うものの、
「上手くいかない」というジレンマを抱えている人は多いのかなと思います。
私も、その一人です。

今日は、これについて書いてみたいと思います。


母の60歳からの25年


私の両親は、50代の10年間を、東京近郊で暮らしていました。
こちらで書きました。

母は近所のパートなどに出て、
私の目から見て、その10年間がもっとも楽しそうでした。

父は根っからの田舎者で、自分の生まれ育ったところが大好きでした。
また、日がな一日「のんびり」することが大好きでした。

60歳で年金がもらえるやいなや、父の希望で青森へ帰りました。

60代のときには、母は少しだけパートをしていたこともありました。
しかし、「どこかで働く」「習い事をする」なども叶わないほどの田舎でした。

その頃、母はこう漏らしていたことがありました。

「何にも必要とされない、という気持ちになる。」
皮肉めいて「あとは死ぬだけ」とも。

働きものの母にとって、
子どもたちは手を離れ、少しの仕事も出来ない暮らしは、
「生きる意味を失う」ことだったのだと思います。


いつまでも「必要とされたい」気持ち


私の母は、とても家族を大切にしてくれました。
兄と私を育てることが、人生の目的だったと思います。

私たちが十分すぎるほど大人になってからも、変わりませんでした。

ここ「最近」まで、母の心配はいつも「兄」のことでした。

体は健康だろうか
経済的に大丈夫だろうか
お酒を飲み過ぎていないだろうか
夫婦仲はうまくいっているんだろうか

言う相手がいないので、私に言うのです。

はた目から見ると、兄は立派な会社員で、何も問題はない。
と思われます。
実際は、知らない。
みんな、人の「実際」なんて知らないですよね?
疑い出したらキリがないし、問題があったとして、どうするの?

「80の人が60の人を心配して、何ができるっていうの?」
と私がキレて、それ以来言わなくなりました(笑)

私が定期的に掛けている電話に少しでも間が空くと、
「何か悪いことでも起きたのかと思った。」
と、とても暗い声で言います。

「元気だった?」
と普通に言ってくれればいいのに。
電話をするモチベーションが、下がるんですよね。

ただ心配したいだけ。
「自分の出番」がないかと。

こちらも立派な大人、と言うか
十分すぎるほどの「いい歳」なのです。

心配してもらっても、嬉しくない。
自分ならまだしも、人が心配をして「回避」出来ることなんて、ありますか?


「知らない」からこその心配


元々の性格はありますよね。
「愛情」という面も、確かにあります。

しかし、無駄な心配には「知らないから」が多分にあります。

たとえば、「大きな会社が安心」
裏返しで、「大きな会社」に入らなかった兄の経済面が心配。

「持ち家に住むべき」
一生「賃貸」の兄が心配。

「家族は必要」
子供のいない兄が心配。

背景には、「一生情報がアップデートされない」ことがあります。

25年も年金だけで田舎に暮らし、
「25年前」から認識はアップデートされていません
圧倒的に、今の時代を「知らない」のです。


仕事や対人「スキル」の問題


以前こんな話を書きました。

「親自身が仲が悪いのに、結婚しなさいと言われる。
結婚の何が良いのかわからない。」
つい先日も、40代の独身の知人が言っていました。

「価値観の違い」と言えます。

昔は「家族」のため、今は「自分」のため。
「生きる目的」が違います。

そしてもう一つ、人としての「スキル」もあるのかなと思います。

(以下、怒る人もいそうですが、、笑)
家族のために生きてきたひと昔前の「主婦」は、
生活の範囲はかなり狭いです。

情報源も、引退生活に入る前から、
「お昼のワイドショー」と「井戸端会議」だった人も少なくない。
すると、知識は限られます

またスキル経験「どれだけ外で揉まれているか」で磨かれますが、
その機会も少ない。

一方(良いか悪いかは別として)、
40代の知人は、少なくとも「自分で稼ぎ暮らし」ています。
外に出て環境に揉まれています

「ひと的スキル」ギャップもあると思うのです。


30年をどう生きる?


親と「擦り合う」のは、なかなか難しいですよね。

人はなかなか変わりません
そして、「私たちが出来ること」も限られています。

知り合いで親に「犬を買ってあげた」という人がいます。
これは良いかもしれませんね(笑)

今のうちに出来る限りのことはしてあげたい。
でも、うまく付き合えない。。
「人を幸せにする」
って難しいですよね。
「幸せにしてあげたい」と思ってやってあげたことを、
「幸せ」と思うかは、本人が決めることなんですよね。

私たちは「ちょっと喜んでくれるかな」程度のことを
するしかないのではと思います。
期待はせずに。

そして、私たち。

家族がいる間は、家族のために一生懸命になる。
それは今も変わりません。

でも、そのあとは?
30年以上ありますよ。

「自分だけが昔のまま」は、もう時代が許してくれません
30年を、自分がどうアップデートしながら生き続けられるか。

本気で考えないといけませんね。

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