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イタリアのデザインとテリトーリオの関係を探る旅―生き方とビジネスへの立ち向かい方に迫る経験とは?

イタリアのデザインとテリトーリオの関係を探りながら、生き方とビジネスへの立ち向かい方を探る、実験的な研修プログラムを用意しました。

研修プログラムの狙い

この旅は、何もかもが「ビジネス化」したことに疑問をもち、新しいビジネスのあり方と自分の生き方を探る人たちへの贈り物です。タイトルにピン!ときた方は、どうぞ参加を積極的にご検討ください。

イタリアのデザインというと華やかな色使いや魅惑的な形状を連想する方が多いです。それは一面で間違っていません。しかし、それらを「クリエティブな表層的な工夫の結果」と捉えると誤解です。なぜなら、それらの要素はイタリアのライフスタイルの中身、あるいは息遣いそのものなのですから。

ワイナリーにある農業の現場で使う雑貨をつかったオブジェ

それでは、ミラノのおしゃれなショッピングストリートにそのライフスタイルを旅行者が見いだせるのか?との質問が次に出そうです。これには「イエス、と言えますが、それだけではなかなか実感を伴えないでしょう」と答えせざるをえないです。

ここで、ひとつのキーワードをあげます。「テリトーリオ」です。イタリア語です。英語のテリトリーが行政の範囲を主に示し、フランス語のテロワールがワインをつくる自然の土壌を重視するのに対し、テリトーリオは都市と農村の関係、自然、文化、社会のアイデンティを包括する空間です。つまり、イタリアには人の生き方とビジネスを結びつけるための空間的リファレンスが強く存在する、と表現してよいです。

そこで、今回の旅は上述の内容を実感する理想的なテリトーリオの一つとして、ピエモンテ州のランゲ地方を選びました。バローロなどのワインの名産地、農業に関する文化景観からユネスコの世界遺産(冒頭の写真はランゲの風景です)。あるいはトリフ、スローフードの発祥地。こうした点から食文化の中心地として紹介されることが多いです。

「紳士淑女」をイメージさせるワインボトル

ただ、ここにはそれ以上の資産が沢山あります。建築資材やファッションのイノベーティブな企業の数々、あるいはこの地で成功してきた事業家がつくりあげたアートや教育に絡む文化施設などです。かつて、必ずしも豊かではなかった地域が、農業も、製造業も、文化――こういった多様な側面で今、輝いているのです。世界各地の「気の利いた人たち」から訪問したいとのリクエストが殺到しています。

ワイン樽は秋の風景のなかに・・・

ランゲ地方に3日滞在、そしてミラノ滞在の2日間でデザイン三昧というプランをたてました。ミラノ工科大学でイタリアデザインのレクチャーも行います。加えて、この旅は5日間で終わらない仕掛けをつくっています。参加の皆さんにタスクを提示します。

旅の後のタスクとは?

タスクは、参加者は旅の後、英語の報告書を書き、そのなかにはそれぞれの訪問先にとってビジネス的に役に立つだろう日本のコンタクト候補名とプロフィールを書いていただきます。それをイタリアの訪問先に送り、その人たちが関心を示したら、実際に両者を繋いでいただきます。受け入れてくれた人たちへの貢献を視野に入れることで、このプロセスが「楽しかったし、学びも多かった」との旅直後にもった感想に、具体的な輪郭を加えていきます。

また、この経験から考えたことをさらに多くの人に伝えた方が良いと判断されたものについては、Forbes JAPANのオンラインに記事を書いていただくとのチャンスもあります。この旅以降、主催者側による定期的フォローアッププログラムも検討中です。今の時代を真剣に見据えたビジネスパーソンに魅力的なプログラムであると願っています。

庭園とインテリアにあるアート作品のカラーを通じて両者の関係に気づく

プログラム内容

実施期間: 2024年9月23日〜28日(現地)
ランゲ訪問先候補: ワイナリー、食科学大学、メンフィス社、Abet Laminati社、Mondo社、アルバ市、フェレッロ財団 など
ミラノ訪問先:トリエンナーレデザインミュージアム、ADIミュージアム、ミラノ工科大学デザイン学部 など
費用:現地宿泊、交通費含むプログラム費 およそ50万円(予定)但しイタリア往復費用とフォローアップ料金は除く
参加者数:実施最低人数は5人、マックス8人
主催:knots associates inc. , De-Tales Ltd,
メディアパートナー:Forbes JAPAN

参加希望の方のお問い合わせは、メッセンジャーでHiroyuki Anzai宛にお願いします。その後に交信チャネルを設定します。あるいは日本側窓口であるknots associates incに直接コンタクトされても構いません。

主催者の個人プロフィール


渡辺 今日子 knots associates inc. 取締役/COO
慶應義塾大学経済学部卒
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
大学院や企業にてシステムデザイン人材育成のための教育に携わる他、企業における新規事業およびイノベーション創出を支援。日英翻訳・英文ライティングおよびウェブサイトなどのコンテンツデザインを実施する有限会社ブリッジワーク取締役。
 
「伝わる」に徹底的にこだわるPlain Englishでの英訳に携わり、「情報の構造や配置によるアウトプットの最適化」つまり情報アーキテクチャの視点を培った。世の中の変化、身の回りの変化の中で、大学院での学びへのアンテナを伸ばし続け、その機会を手にしたのが母校である慶應義塾に新設されたSDM研究科。学ぶことの面白さに興奮し、それまでの経験が一つの線となった大学院生活、その後の特任教員としての経験を経て今では企業や自治体など様々な方々とご一緒し、教育、実践、研究の全てに関わらせていただいている。curiosityとpassionに導かれ今に至る。北海道鹿追高等学校のプロボノメンターにも招かれますます面白い時間を過ごしている。
 
・ネットイヤーグループ株式会社 社外取締役
・慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任助教
・東亜大学 客員教授
・文部科学省イノベーション教育関連プロジェクト、経済産業省システムデザイン関連プロジェクト複数参画

Alessandro Biamonti(アレッサンドロ・ビアモンティ) 建築家、ミラノ工科大学デザイン学部准教授
ミラノ工科大学デザイン学部にて幅広いデザイン分野の研究・教育活動を行う。特に、新しい学問の地平を開拓すべく、 インテリアデザインを中心としながら、 学際的かつ国際的な資産を活用した新しい共同的な実践の活性化に注力している。中でもデザインの人類学的側面、ソーシャル イノベーションの観点から見たその影響、これらの探求に重点をおいている。デザインという学問は、その技術的・表現的なルーツを軽視することなく、現代社会のより広い問題に繋いでいくものと考えている。そのため、研究活動のかなりの部分はデザインを社会文化的次元に位置づけている。国内外の財団・企業・団体と協力した社会的弱者のウェルビーイングのための取り組みは、その例である。一つにアルツハイマー症候群の非薬物療法を支援することを目的とした治療用ハビタット(空間環境、物理要素、技術、サービスからなるシステム)がある。これは研究・教育・共同デザイン体験を含む社会包摂戦略の一環である。

安西洋之 De-Tales Ltd.ディレクター
東京とミラノを拠点としたビジネス+文化のデザイナー。欧州とアジアの企業間提携の提案、商品企画や販売戦略等に多数参画してきた。同時にデザイン分野との関わりも深い。2000年代からカーナビなどの電子機器インターフェースの欧州市場向けユーザビリティやローカリゼーションに関わり、デザインを通じた異文化理解の仕方「ローカリゼーションマップ」の啓蒙活動をはじめた。2017年、ベルガンティ『突破するデザイン』の監修に関与して以降、意味のイノベーションのエヴァンジェリストとして活動するなかで、現在はラグジュアリーの新しい意味を探索中。また、ソーシャル・イノベーションを促すデザイン文化についてもリサーチ中である。
 
著書に、『メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか』(晶文社)、『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』、『イタリアで、福島は。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)、『ヨーロッパの目、日本の目』(日本評論社)。共著に、『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』『デザインの次に来るもの』(クロスメディア・パブリッシング)、『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』(日経BP 社)。訳書に、マンズィーニ『日々の政治』(BNN)『ここちよい近さがまちを変える/ケアとデジタルによる近接のデザイン』(Xデザイン出版)。監修に、ベルガンティ『突破するデザイン』(日経BP 社)。


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