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【前編】インド・中東進出のきっかけとなったPOKKT社M&Aと経営体制刷新のウラ側|CEO十河 Interview|

AnyMind Groupはアジアを越え、さらなるグローバル展開を推進中。
次なるターゲットは中東、そしてインド。
今回はその構想実現に伴う5名のインド人メンバーの経営陣参画に関するCEO十河のインタビューをお届けします。

以前から視野にはあった、インド・中東構想実現の足がかりとなったのが、3月に発表したスマートフォン向け動画広告プラットフォーム「POKKT Mobile Ads」(以下、POKKT)のM&Aによる完全子会社化。

そして、POKKT CEOのRohitをAnyMind GroupのCOOに、そしてVaibhavを中東・インドのマネージングディレクターに任命しました。


そして、今回8月13日にVaibhavを取締役に、加えてPOKKT出身の3名のインド人メンバーの役員就任を伴う新経営体制に関するプレスリリースを発表。

コロナの影響を受けつつも、右肩上がりの成長を続けるAnyMind Groupがなぜ今のタイミングで抜本的な経営体制の変革を行うに至ったのか、そして今後の展望についてCEO十河に直接聞いてみました。

AnyMindに興味のある方、海外ビジネスってどう進むの?と気になっている方、何よりもAnyMindのメンバーたちも詳細気になっていたところだと思うので、是非皆さん最後までお楽しみください!

本インタビューは前後編に渡ってお届けしていきます。

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なぜ、次なるステージをインド・中東へ?

- まずはそもそもの狙いなどについてお伺いします。アジア展開を進めていたAnyMind Groupですが、なぜ今、中東・インド市場に打って出たのでしょうか?

十河宏輔(以下、十河):
一言で言うと「人口」です。
人口の伸びとマーケットポテンシャルは比例すると思っていて、僕たちが最初にアジアに打って出たのと同じ考え方ですね。

それから、今回の話にも繋がると思うんだけど、信頼できる経営陣に出会えたというのも大きい。彼らとの協業で成功のイメージを描けました。


POKKTとの出会いはJAFCO渋澤氏からの推薦。しかし印象は...。

- ありがとうございます。
では、その成功イメージを描くにつながったPOKKTとの出会いやM&Aまでの経緯について教えてください。

十河:
きっかけは僕たちの株主でもあり、POKKTの株主(JAFCO Asiaとして)でもあるJAFCO渋澤さんからの紹介です。

実は出会っていたのは結構前で、2016年末にとあるアワードの受賞イベントでインドに出張することがあって、その際にJAFCO渋澤さんから「インドにAnyMindと近い領域で優秀な会社があるから会っておいた方が良いのでは?」と紹介をもらい、その時に音彦(共同創業者兼CCO 小堤)と一緒にムンバイでPOKKTのオフィスに行ったのが最初の出会いですね。

その時にはCEOのRohit(現AnyMind Group COO)はいなくて、COO(現AnyMind Group 取締役)のVaibhab(以下、VB)が対応してくれました。

- AnyMind創業の年に出会っていたんですね!
その時のVBの印象はどんな感じだったんですか?

十河:
その時の印象で言うと、ムンバイの街並み的にもまだまだ雑多で、POKKTのオフィスも雑居ビルみたいな感じだったので、良くも悪くもまだまだこれからの企業という印象でしたね。

正直、良い人だというのは伝わってきましたが、それ以外に強い印象は持たなかったのが正直なところ。(笑)

で、その後、Rohitがオフィス訪問のお礼ということで数ヶ月後にシンガポールに来てくれました。

でも、その頃の僕らはちょうどデジタルマーケティングからインフルエンサーマーケティングの領域の事業も始めていて、自分たちのことで精一杯だったので、そこからしばらくはやりとりもなかったんですよね。

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3年の空白期間を経て意気投合し、TOP2人に惚れ込むことに

- なるほど。そんな両者ですが、次はどういったきっかけでまた距離を縮めることになったんでしょうか?

十河:
改めてのきっかけになったのは2019年。
2019年7月にタイで開催していたALL-Hands(AnyMindのグローバル全社総会)の際に、招待していたJAFCOの渋澤さんと飲んでいる時に強い後押しがあったんですよね。

僕たちとしても、グローバルの経営体制はさらに強化したかったのと、「アジアを超えて、インドへ」という未来には強い思いがあった。

「そこまで言ってくれるなら、会ってみたい。」と、また交流が始まりました。

そこから、CFOの敬三さん(CFO大川)や音彦も含めて、タイ、インド、シンガポール、日本などいろんなところで会って話していく中で、彼らのマネジメントスキルの高さとビジネス能力に驚かされ、すぐに意気投合し、9月くらいからは「一緒になろう。」というなんとなくの画は描きはじめていたように思いますね。

そうやってやりとりを続けていく中で、2020年の年明けには具体的なM&Aの調整に入っていったという流れです。 

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(左手前から奥にCCO小堤、CEO十河、CFO大川。右手前から奥にCOO Rohit、JAFCO Asia Supriya氏、取締役 VB)

信頼できる株主からの進言があったとはいえ、実際にM&Aの意思決定に至ったのは、何が決め手だったんでしょうか?

十河:
決め手はRohitとVBが非常に優秀だったということ。
ビジネスの考え方・多国籍のメンバーを巻き込むマネジメントの考え方は素晴らしかった。

あとは非常にメリハリのある経営を実現していると思った点も大きい。
”良いものは良い、ダメなものはダメ”それがまっすぐに言える。シビアな意思決定などのバランスもよくて学ぶ事が多いと思いました。

僕たちが現地の他社の方へのヒアリングなど含めインドで調査を進める中で、よく日本の会社はインドでの莫大なマネジメントコストに悩まされている印象で様々な難しさを聞いていた中、彼らのマネジメントは卓越していると感じました。

そんなハードなインドという地でレベルのマネジメント出来ていて、東南アジアにも事業進出して結果を出している。

我々とマージすれば、大きく貢献してくれるだろうと思いました。

RohitとVBがAnyMindの経営陣に参画。その後追加で3名が役員に。

- ありがとうございます。彼らへのリスペクトがすごく伝わってきました。
M&A後、Rohit、VBはすぐに経営陣に参画することになりました。
その経緯を改めて教えてください。

十河:
今回のディールにおいて、RohitのCOO就任は一つの自然な流れでした。
それから、VBも優秀だと感じていたので、ボードメンバーには遅かれ早かれ、入ってくると思っていましたね。
それは実際にPOKKTとのPMIをやっていく中でのマネジメントミーティングの中でも群を抜いてたので、ナチュラルな流れでしたね。

そもそもPOKKT自体がAnyMindと同じ複数国に事業展開するグローバルカンパニーだったこともあり、すでに数字も含め、実績があったので、マネジメントスキルは証明されていたので、2人ならすぐワークすると感じていました。

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(左:Rohit 右:VB)

- では、次に8/13に発表した3名のPOKKT出身メンバーをなぜこのタイミングで役員に就任する運びとなったのか、狙いを教えてください。

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(左からAditya Aima、Siddharth Kelkar、Dinesh Kailash Kumar)

十河:
Adityaに関しては東南アジアも含めたエージェンシー(広告代理店)向けのセールスをまとめてもらっているんですが、非常にスマートでかつパワープレイもできるという強みがあって、ビジネス面でも、マネジメント面でも非常に器用にこなしてくれていて、すでに実力を発揮しているという点で評価をしています。

Sidに関しては広告領域のパフォーマンスビジネスを見てもらっているんですが、同じくすぐに結果を出し始めていて、能力の部分でも、人間性の面でも非常に優秀な人間です。

そして、POKKTのプロダクト開発を牽引しているDineshに関しては、POKKTとAnyMindの共通項でもあるプロダクトドリブンな事業展開の中で、その開発をさらに加速させられる人材だと思っています。インモビなどに在籍していた経験もあり実力も十二分です。 

- 彼らの人選に関しては、RohitやVBからの強い推薦があったりもしたんですか?

十河:
いや、今回の人事に関しては、あくまでフェアに評価して僕が入れたいと推薦しました。
今後の体制に関してはかなり自信を持っています。

(後編へ続く)


文・編/ カザマモトヒロ(Communications)

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