見出し画像

クラブハウスの新エリアを選手が使い始めて1ヶ月が経ちました!

こんにちは、総務業務チームの長石です。

クラブハウスの新エリアを選手たちが使い始めてから約1ヶ月が経ちました。このプロジェクトの責任者として、念願のクラブハウス増築が完了し、選手たちが気持ちよく使ってくれているのを見ると非常に嬉しく感じます。

今回のnoteでは、増築を進めるにあたり、こだわったポイントなどをご紹介します。

2020年にスタートしたプロジェクト

鹿島アントラーズのクラブハウスは30年前にできた建物です。ところどころ老朽化が進んできています。特に選手が使うエリアはリノベーションまたは増築が必要だと考え、2020年12月に増築を社内提案したところから、プロジェクトがスタートしました。着工は新型コロナウイルス感染症拡大やオリンピック開催の延期などの影響を受けてずれこみ、2021年11月24日にようやく工事が始まりました。

駐車場の裏の空いた敷地に、延べ床面積421.2平方メートル、鉄骨1階建の建築物を建てるプロジェクトです。

着工前の様子
工事開始当初の様子

グラウンドにロープを張って各部屋のサイズや間取りを再現して確認したり、プロチーム、施工業者と密にコミュニケーションをとりながら工事は進んでいき...

青いシートはマッサージベッドのサイズとなっています

2022年4月7日、無事に完成を迎えました。クラブハウスの新エリアの全貌はこちらの動画をご覧ください!

クラブハウス新エリアのこだわりポイント

①ジーコの教えを反映する

・『献身、誠実、尊重』
・『プロ選手は24時間サッカーのことを意識して生活することが大切』
・『サッカーは勝たなければ、評価されない。プロならば勝たなくちゃいけない』
・『個人として活躍すればそれでいいという気持ちは、絶対にダメだということ。常にチームとして何ができるかを考え、チームはファミリー、サッカーは団体競技でチームスポーツ。わずかひとりでも好き勝手にプレーしたら、勝てない』

こだわったのは、ジーコの教えを反映する設計です。

以前使っていたクラブハウスの更衣室は2つに分かれ、A契約の選手たちが使うロッカーとA契約前の若手用ロッカーというように使い分けがされていました。クラブハウスができた時代、プロ契約した選手がすぐにレギュラーとして活躍することは少なく、主力定着には3~4年の時間が必要でした。ロッカールームに格差を作ることで、若手のモチベーションアップにつなげる意図がありました。

A契約選手が使うことを想定したロッカールーム
A契約前の若手選手が使うことを想定したロッカールーム

しかし、近年は1年目からA契約になる選手もいて、環境が変わってきました。1~2年目であっても立派なプロ選手であり、今回はベテランから若手までがその空間にいることにより一体感や秩序を保ち、お互いに尊重し労われるような環境づくりが出来ればと思い、更衣室は1つにしてその大きさや間取りに気を掛けました。

選手30数名+練習生を想定した広さと快適なロッカーのサイズ幅を算出し、最大38名分のロッカーを確保しました。幅は膝が重なり合うのを避けるなど、細かい工夫も施しました。選手全員が見まわせる広さ、向かい合う選手との間合いを考えて中央のスペースを確保し、広すぎず、狭すぎず、選手同士が程よい距離感で顔を合わせられるように計算しました。

②リラックス〜集中までできる設計

勝つ準備には集中することだけでなく、リラックスすることも必要です。今回のプロジェクトでは、勝つために必要な施設のファンクションを3つ定義し、それに合わせた空間作りをしました。

勝利のための準備の空間(3本柱)
・ロッカールーム:モチベーションを高める場所
・多目的ルーム:コミュニケーションを図る場所
・メディカルルーム:心身のコンディションを高めリラックスできる場所

多目的ルームは全体のミーティングなどで利用します

多目的ルームの後ろにはソファがあり、くつろげるようになっています。完全にフラットで寝転がれるスペースの設置やカフェのような机と椅子の配置も検討しましたが、アイシングをしながら軽く寝そべったりとダラっと話ができるくらいのソファを設置することにしました。

メディカルルームもかなり広くなりました

③お風呂とお手洗い

プロチームからもっとも強いリクエストがあったのは、お風呂とトイレの確保でした。そして、お披露目会で選手たちが一番テンションが上っていたのがお風呂とトイレだったかもしれません。実はこれまでのクラブハウスには1人用サイズくらいのバスタブが3つとトイレが1つしかなく、それをスタッフ20名と選手30名が使っている状況でした。

新しいお風呂場には4~5人が入れるサイズのバスタブを3つ設置しました。3つのうち1つは、常に10度以下に保たれている水風呂になっています。蛇口から冷水を出し続けることはできないので、何回も濾過しながら内循環させることで冷たさがキープされる仕組みです。更に冷やしたい場合は、脱衣所にある製氷機から氷を入れればキンキンに冷えた水風呂を作れるようにしました。

④デザイン

最も気を使ったのがデザインです。土居選手が「派手でもなく、落ち着いていて、鹿島らしい」とプロモーション動画内で話していましたが、狙い通りだったので嬉しいコメントでした。世界の様々なクラブの事例などを見て参考にし、、アカデミーハウスやつくばアカデミーセンターなどとも調和するもの、そして派手でも地味でもなくアントラーズらしいドシンとした強さの表現を目指しました。

更衣室は気持ちを高めてモチベーションを上げるために、クラブカラーを採り入れた空間に仕上げています。また、ロッカーにはエンブレム・ネームプレートなどを設置することで、選手が鹿島アントラーズの一員である事を意識しやすいデザインにしました。早速、選手たちはナンバープレートを移動させて使っています。

これからもクラブとして良い環境を提供し、選手はこれに応える義務を果たすサイクルにより、この先もともに成長し続け、アントラーズの伝統を継承していきたいと思っています。

それではまた次回のnoteで。