執着とは本来愛おしいものである

最近流行ってますよね
「執着を手放そう」
(え、流行ってない?私の周りだけかな)

確かにめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ大事ですよ
私も手放せてから一気に幸せになったくちです

けどね
さぁ!手放すぞー!なんて手放すものでも
ましてや手放せるものでもないんですよ

そして「じゃあ、どうするの?」って考える前にまず
なんで執着してるのか思い出してください

そんなに深く執着するものがあるあなたです
こんな所でこんな胡散臭い記事すらも
読まずにはいられなかったあなたです
きっとこれまで色んなものを
諦めて諦めて諦めて手放して見送って背を向けて
そうやってなんとか歩いてきたはずなんです

そんなあなたがそれでもどうしても
唯一それだけは手放せなかった
何度も何度も手放そうとした
それを持っていても誰も喜ばない
むしろ迷惑で
自分にとってもそうだってことくらい
誰に言われなくとも自分が一番分かってて

なのに、それなのに、
「手放したい」はずなのに
手放した先の「幸せな人生」全部棒に振ってでも
本当は手放したくない

こうやって痛くて痛くて痛くて痛くて苦しくて堪らない
その生々しい傷さえ愛おしい

それほどまでに、心から傷つける位に、
「それ」を、「その人」を
心底まだ愛せていることだけが最後のよすがで

ねぇ、そんなになるくらい
それほどまでにだいすきだったんだよね
好きで好きで好きで好きで
もうそれさえあればってくらい
それだけあれば幸せなのにってくらい
そのためならなんだって捧げるのにってくらいに
本当に本当に本当に本当にたいせつで
自分のなかのいちばん柔らかい
いちばん大事な宝物なのに

周りからしたらそれは
ガラクタを超えた有害物質に成り果てていて

もうほんとは綺麗なのかどうかさえ
はじめから歪んで汚かったような気さえしてきて
けどほんとうは違うことを知ってるから
何度叩き割ろうとしたって
何度殺そうとしたって
どうしたって出来なくて

頭の中でぐしゃぐしゃにして放り投げることすら出来なくて
慌てて何度も何度も何度も皺を伸ばして伸ばして
その手が止まった頃、
抑えたはずの愛おしさが滲んでそっと撫でてしまったりして

その自分の手つきがどうしようもなく柔らかいことに
また打ちのめされたりなんかして

「執着」ってそういうものですよね

だからまずは
「そんなになるくらい好きなんだ」ってことを
認めてあげて、許してあげてください
あなたのその気持ちは絶対に愛おしいものだから
手放せなくていいんです
人生全部ふいにしたっていい

あなたがそれほど
「執着」なんてしてしまうほど
何度泣き疲れて眠っても
それでも涙が枯れないほどに
大好きで大好きで大好きで大好きで仕方なかった

そのたったひとつに
自分の存在ごと否定されたような
そんな気持ちになるくらい
ううん、いまのあなたにとって
それは紛れもなく「事実」で
そんなにも全てを賭けて愛していた

そのことをどうか責めないであげて
あなたのその柔らかくて可愛くて愛おしい
世界でいちばん綺麗な宝物を
どうかそっと抱きしめてあげて

そうやって愛することを許してあげてください

そして、何度自分自身に
痛めつけられ怒鳴り散らされ泣き喚かれ
ボロっっっボロになってでも
その宝物を手放さないでいてくれた
あなたの中のその子に
そしてそんなあなた自身に

今までほんとうにごめんねって
私の宝物を守ってくれてありがとうって
どうか優しくしてあげてください

もし誰かにとって本当に心から迷惑だとしても
それでも手放せないほどあなたにとって大切な気持ちなんです
それを誰からもどんな脅威からも
あなた自身からさえ守ってくれてた子ですよ
「あなたさえ居なければ!!!!」って
なんど切りつけられ蹴り飛ばされてでも
絶対にその気持ちを抱えて離さなかった
誰に嘲笑されようが踏みにじられようが
それでも耐えて耐えて耐えて守り抜いた

そう、その子こそが、
あなたの1番大切な心を守ってくれていたその子こそが
「執着」の正体です

今までありがとうねごめんねって
心から抱きしめて
これからは一緒にこの「好き」を
大切に慈しんでいこうねって
一緒に愛していこうねって
離さなくたっていいんだよって
何度でも抱きしめて撫でてあげてください

そしたらきっとそのうち
手放すことを諦められるようになります
ここまでしてでも手放せないんだって諦められるようになります

そしたらその時こそ
「執着を手放す」ことに成功する瞬間です
手放せてないじゃん!と思われますよね
けどね、手放さなくていいと思えたら
愛していいんだと分かったら
本当に「執着」はしなくなるものなんです
かといってそれを「好きじゃなくなる」わけじゃない
むしろ今までより大好きになったり
大切に扱えるようになったりします

あなたがその執着を手放しても
「好きじゃなくなったり」
「程度が薄れたり」
「どうでもよくなってしまったり」
なんて、そんな怖いことは起こらないんですよ

だから「手放しても」大丈夫
それに「死ぬまで持ち続けても」大丈夫
わたしも手放したけどまだ持ってもいるんですよ
何言ってんだ?と思うでしょうけど
「手放せた」人には多分伝わります
その時に「あ、ほんとだ」って思って貰えたらいいです

そして上手く出来なくても大丈夫ですよ
やっぱりそれほど大好きなんだってだけです
ああ私こんなになるくらいちゃんとほんとに好きなんだなって
どうか「事実」を認めてあげてください
あなたが思う「この程度」や「そんなもの」は幻想です
綺麗な綺麗な大切な宝物なんですよ
本当はあなたも知ってるはず
だから手放せないんですもんね

そしてほんとにすぐには出来ないと思います
私はそこに辿り着くまで8年かかりました
16歳からの8年間
いわゆる学生としての「青春」を
ガッツリ全部その恋に捧げて

でも大丈夫だったんですよ
むしろその「失恋」こそが
私の人生全てを支えてて
「新しい最高の恋」もできている

けど、それがイコール
「はじめての本気の恋」への想いが消えることには繋がりません
あなたが心の底から執着したその花の美しさが
「その想い」の真価が損なわれることは絶対にないんですよ

むしろ手放す前よりもっと深く愛せるようになったし
いい意味で「好きな人」じゃなくなったけど
今でも本当に本当に本当に大切な人です

イメージでいうと
天皇が上皇になったとか、
社長が引退して会長になったとか、
なんかそういう感じですね
むしろランクアップなんですよええ

信じられないだろうし
「ハイハイ、その程度だったんでしょ
その程度なら私だってそうしてるし
こんなに苦しんでない!!!!」
そう思いますよね
私もそう思ってました
それにいまあなたにとってそれは紛れもない事実のはず

それでいいんです
世界中の誰よりも重く
心底愛してやまないんだってことを
何度でも「思い知って」「打ちのめされて」くださいね
その先にあなたの望む全てがあなたを待っています

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