読書まとめ 『遅いインターネット』→速度の主導権を取り戻し、新たな視点を得る

『遅いインターネット』宇野 常寛 


一言でいうと

速度の主導権を取り戻し、新たな視点を得る


どんな人にオススメしたいか

・ニュースに対して自分の意見を言いたい人
・即レスが至高だと考えている人
・気がつくとSNSのタイムラインをぺろぺろしてる人

著者は評論家、編集者。謝辞に出てくる方々を見ると、旧いメディアからは叩かれてそう。オリンピック、政治、拡張現実、共同幻想論とちょっと硬めのテーマが論じられて、最後のまとめのような形で4章「遅いインターネット」が提言される。この4章の内容を中心に、ヒントになりそうなものをピックアップしてみる。

① 速さを求めるのではなく、速さを調整する

・インターネットの強みは、速いことではなく、速さを選べること。
・今のSNSは、速さの主導権がユーザーにはない。タイムラインのアルゴリズムに支配されている。
・発信・受信を遅くすることも選択肢のうち。主導権を取り戻すべき。

② 書くことから始まる時代でも、読む・考える

・発信が容易になり、読むことよりも書くことが先に来る時代。
・容易になった分、考えが深くない。それが許容されている風潮。
・書くことは思考を洗練させるはずだが、考えずに書かれたものが多い。
・よいものを書くには、読む・考えるスキルが必要不可欠。

③ 賛否・二項対立でなく、新たな視点を考えよ

・報道=他人の物語 に対して、賛成or反対の二項対立では思考が浅い。
・報道を自分の物語に捉えなおすことが必要。
・そうして新しい視点・問いを生み出すことができれば、世界は豊かに広がっていく。

この記事が参加している募集

推薦図書

いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。