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【図解】短期的全体最適って、アリですか?

結論:ナシ。構造を改善していないから。


職場にて、前工程の品質の悪さに悩まされています。具体的には、依頼に使われるExcelファイルに不備が多く、高確率で差し戻しが発生しています。そもそも依頼ファイルが送られてこないことすらあります。

この状況に対して「Excelファイルをチェック・修正・作成して、前工程を助けてあげよう」といったお達しが出ていますが、この対策はナシだなと考えています。なぜなら、短期的な目線では全体最適に見えますが、長期的に見ると構造が何も改善されていないからです。

改善案を、短期/長期、個別最適/全体最適を2軸にしたマトリクスで図解してみました。

各象限に対して、今回の事例での具体的な改善案を考えてみます。

  • 短期的個別最適:不良品を都度差し戻す

  • 長期的個別最適:不良品を自動的に差し戻す仕組みを作る

  • 短期的全体最適:前工程の作業を手伝う

  • 長期的全体最適:前工程の品質改善に協力する

「不良品が発生する構造」が改善される見込みがあるのは、長期的全体最適だけです。短期的個別最適はそもそも対策と言えないし、長期的個別最適では自工程の工数は減らせますが、不良品の発生率自体は変わりません。

短期的全体最適は、前工程の負荷を自工程に移しただけで、問題が起きている構造は改善されていません。一見すると改善されたように見えますが、全体の負荷はほとんど減らない可能性が高いです。そのくせに「改善された感」があって、成果としてアピールしやすいことも厄介です。私の職場では、そうやって手伝いをした結果、自工程で対応することにすり替わったと思われる業務も散見されるんですよね。

問題が起きている構造に着目して、そこを改善することで長期的全体最適になるよう心がけたい、と改めて感じました。前工程の作業を手伝うにしても、自工程がチェックしているポイントを前工程に共有したり、Excelの依頼ファイルのフォーマットを改善するなどして、自工程の手伝いが必要ない状態に持っていくことが理想です。

ただし、長期的全体最適は、他の改善案よりも人的・時間的リソースが要求されます。限られたリソースをどの問題解決に使うかは、リーダークラスの腕の見せ所です。プライオリティの低い問題に対しては、一時しのぎの策で間に合わせる判断も必要でしょう。


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