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美術館ルポ|芳幾・芳年-国芳門下の2大ライバル

三菱一号館美術館,長期休館前の企画展
芳幾・芳年-国芳門下の2大ライバル

歌川国芳の弟子2人に着目した本展。
芳幾と芳年が活躍するのは江戸末期,ときは文明開化,西洋の文化が入ってきて,社会が変容する時代。浮世絵という江戸時代に始まる文化は,どのようにして新しい時代を迎えたのか。

器用だが覇気のない芳幾,
覇気はあるが不器用な芳年,
と師に表現される2人の作品の共演である。


ーーー

芳幾は伝統的,芳年は革新的だという。

芳幾の作品は,わかりやすく「浮世絵」を思い浮かべる。

芳年の作品は,ブロマイドを思い出させる。
無地の背景に,躍動感のある構図で描かれる人。


浮世絵がこんなにも激しく,自由なものだとは!


中には淡色で描かれた作品もあった。
解説には,写真を意識したのではないかとの言葉が。


西洋の文化がどんどん入ってくる時代,今までと同じようにしていては新しいものに淘汰されてしまう時代。

今を残しつつ,新たな道を模索した二人。

こうでなければならないのではなく,
こうであってもいいと,その気概を感じる。



伝統から革新へ,
そして,革新は伝統へ。


私たちは自由だ。



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