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読書記録:世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

著者・カルロ・ロヴェッリ
訳者・冨永星
ISBN978-4-14-081881-7

数式が(ほとんど)出てこない,量子論。
イタリアの理論物理学者である著者カルロ・ロヴェッリ。

以前「世の中ががらりと変わって見える物理の本」を読んで以来,
彼の描く物理の世界に魅了されている。

物理の本でありながら,
ダーウィンが,レーニンが,シェイクスピアが登場する。

社会は効率を求めている。
だからこそ,分業が進み,あらゆるものが専門分化する。

すると,ちょっとだけ目線を上げた世界のことを何も知らない,なんてことになる。しかし,世界は美しい。量子論という最先端の物理学といわんばかりの,専門分化の極みのような分野でさえ,そう遠くないように錯覚する。

世界は関係でできている。
何かと何かの相互作用によって,成り立っている。

ー人間の悩みは,すべて対人関係の悩みである。
というのは,アドラー心理学の概念である。

他にも,人は一人では生きていけない,人という字は支えあって・・・なんて言われるように,私たちは常に何かと関係して生きている。

それが人であれ,物であれ。
自分がどんな人間かは他の誰かと比較して,相対的に感じるものである。
この世界に自分しかいなければ,自分が優しいのか,厳しいのか,賢いのか,ずるいのか,はたまた背が高いのか,低いのか,何もわからない。

そんなことにも思いを馳せながら,量子論に触れてみる。

自分が見ている世界が揺らぐ,いや,見直される。
量子論に触れているはずなのに,なんだか生きることが楽になる。

そんな思いになる本書でした。

ー--
内容についてアウトプットできるようになるためには,もっと成長しないとね。これからも学びたくなる力が本書にはある。


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