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2022年、ギリシャ旅〜テッサロニキ


6月になると、ブルガリアは梅雨も明け、季節は完全に夏と言っていいほどの暑い日が続いていた。

そんな、「あと2週間ほどでブルガリア留学が終わる」という2022年6月半ば、ブルガリアの友人と共に、3日間に渡るギリシャ旅へと出た。

少し時間が経ったものの、まだ私の胸を焦がし続けている思い出に、もう一度浸るつもりでギリシャ旅を綴っていきたい。

車での国境越え

今回の旅で長時間運転してくれたのはブルガリア人の友人「コタ」(Kota)

喋りが上手で友達想いの熱い男であるコタは、朝からサンドウィッチを作ってきてくれた。

朝早くの待ち合わせ時間。
寝ぼけた体と脳をコタのサンドイッチが起こしてくれる。

途中、コタと同じ大学で学ぶブルガリア人、「マリア」とも合流し、いざギリシャへ!

と言いながらも、車の中で睡魔に負け寝てしまい、気がつくとブルガリアとギリシャの国境に着いていた。

ブルガリアの首都であるソフィアからギリシャの国境まで車でおよそ2時間

ブルガリアの南に隣接するギリシャ。

距離も近いギリシャへは、夏になると多くのブルガリア人がバカンスへ行くらしい。

日本という島国で育った私にとって、車で国境を越えるなんて初めてだ。

多くの車が並ぶ税関で、ウクライナ避難民専用のレーンを見て、陸続きであることを改めて実感する。

日本人が、陸での税関に来るなんて相当珍しいんだろう。

税関員たちの不思議そうな表情と、初めての陸での国境越えにドキドキする私をよそに、
美しい税関員を見て「She’s gorgeous!」と呑気なコタ

シェンゲン協定非加盟国ブルガリア

ブルガリアもギリシャもEU国内なのだが、ブルガリアは「シェンゲン協定」に加盟していない。(2022年12月現在)

そのため、ブルガリアのビザを持っていても他のヨーロッパ諸国に行くには入国手続きが必要だ。

日本のパスポートは、ほとんどの国にビザなしで入国が出来る“最強”であることはよく知られた話だが、空港などの税関で「ビザがないじゃないか!」とちょっと怪しまれてしまうことは珍しくない。

今回もやはり、「ビザがない」と不審な様子の税関員!

「ビザが不要だから怪しいと思うなら調べてくれ」と主張しなんとか無事に入国できた。

いくらブルガリアから近いと言えど、やっぱり国境を越えると標識の文字がキリル文字からギリシャ文字になっていることにテンションが上がる。

「窓を開けてみて!」というコタのいうように、オリーブの木に囲まれた広い道路を走る車の窓を開けると本当にオリーブの匂いがする。

テッサロニキへ

国境を越えてからおよそ2時間のドライブでギリシャの港町「テッサロニキ」に到着した。

人通りの多い街の奥にかすかに海岸線が見え、テンションの上がった我々一向は車の中で大盛り上がり。

テッサロニキ観光

路上に停まる車のプレートには、ブルガリアから来ている車であることを示す『BG』の文字が並んでいる。

車を停め、外国に行くと必ず買う現地語で書かれた「星の王子さま」を探しつつ海沿いを散歩する。

美しい海に、美しいマリア。

にしても暑い‼︎ ギリシャの強い日差しが肌にギラギラと当たる。

熱中症気味のマリアに、濡れたタオルを首に巻いておくように渡すと、「日本人賢い」と言われたけど、これやるの日本だけなのかな?

こちらは、「ホワイトタワー」(Λευκός Πύργος)という塔のような砦のような建物。

どうやら、塔としてローマ時代に建設されたのち、オスマン帝国時代に砦として改築されたらしい。

過去には、刑務所としても使われていたことも。

シンプルだが同時に少し武骨な雰囲気が、海沿いの平和な公園の雰囲気と妙にマッチしていた。

6月のテッサロニキ、暑すぎる・・・!

水(冷房)を求めて入ったスーパーでギリシャヨーグルトを探してみる。

「あれれ、なんだか思ってたよりもヨーグルトが少ないぞ」

と思ったが、よく考えてみたらヨーグルト大国であるブルガリアに10ヶ月も滞在して感覚が麻痺していたのかも知れない。

こちらは街中に立っていた、像なのだが調べても誰のなんの像なのか分からず・・・(有識者の方いたら教えてください)

(*2022年12月14日更新)
友人が教えてくれました。

この像は、第二次世界大戦中にイタリアが侵攻してきた際、後方で支援していた女性を讃えているものだそう。

英語での説明がされているフェイスブックのページはこちらです。

無事に星の王子さまも入手したところで、レストランへ向かう。

ギリシャのレストランはデザートが出る?

無限におかわりが出来るレモンとテラスから漂う潮の香りが、オリーブ風味のシンプルなフライを更においしくさせる。

食後に店員さんが、アイスをテーブルに持ってきてくれた。

ここでハプニングが起こる。

お会計を済ませたあとで、コタが一言
「お金がない!」


どうやら、どこかで現金およそ400ユーロ(6万円)を落としたようだ。

今まで来た道を再度見てみるも、現金は見当たらない。

コタは明るく振る舞おうとするのだが、どう考えてもショックだろう。

財布を2回落とし、1回スリにあった経験のある私には、コタの気持ちが痛いほどわかる。

電話で事情を聞いたコタのお父さんは、
「お金のことは気にするな。旅を楽しみなさい」と言っていた。

空気を悪くしないように振る舞うコタに、息子の友達との旅を楽しむことを一番に考えているお父さん。

「コタの食事代くらいは私が全部出そう」なんて考えながら車に戻る。

シートベルトを締めていると、コタがニヤッとし後部座席を振り返ってきた。

その手には、しっかりと大量の現金が!!!!

結局、車にずっと置きっぱなしにしていたのだ。

メテオラへ

そんなハプニングもありつつ、世界遺産「メテオラ修道院」のある街、カランバカへ。

メテオラとはギリシャの人気観光地の一つで、立ち並ぶ岩山の上に、14世紀頃に建設された修道院が存在しているのが特徴的な世界遺産の一つである。

ギリシャ一日目の夕方〜二日目は、このメテオラを存分に堪能することとなる。

さて、サクサクと書いていくつもりが色んなことを思い出してつい長々と書いてしまった。

テッサロニキを出てから、カランバカに着いてからのさらに充実した時間については、また次の記事にまとめたいと思う。

今回はこの辺で。
読んでいただきありがとうございました。

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