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戦国・ザ・リアル

2016年12月17日〜2017年3月12日までどハマりして通った、真田幸村をテーマにしたミュージカルショー。何を隠そう、わたしが突如役者を志すきっかけになったのがこのショーである。
色んな人に何度も何度も説明しているが、とても規格外なものだったと思っている。USJと大阪のコラボで行われた。

まず、大阪城を借景にしてしまうというアイデア。野ざらしの舞台。後ろの客からも見えやすいように八百屋(斜め)に設計されたステージ。真田丸の流行った時だったとはいえ、なぜ真冬に完全な屋外にしてしまったのか。USJからは離れた大阪城で。ふんだんにパイロを使い、映像技術を駆使し、しかし真冬の屋外というのは、観客にも演者にも厳しいものだった。動員数に顕著にあらわれていた。結果は稀に見る赤字であっただろう。それでも言いたい。わたしはこのショーをとても愛していた。あれから5年経って、色んなミュージカルや舞台を観たが、それでも戦国が1番好きと言える。

わたしがショーを好きになったきっかけはそもそも写真が好きだったことに由来する。USJで写真を撮る練習をしていて、ダンスしたりMCしたりするキャストさんたちを主に撮っているうちに、段々ショーが好きになっていった。それから写真を撮るためだけでなく、ショーを観ることも目的にUSJに通うようになったのだ。そしてある時、戦国・ザ・リアルに出会うことになった。

カーテンコール時の写真

大阪城なんてほとんど行ったことがなかったのに、まさかあんなに通うことになるとは。寒空の下で、キャストさんたちが踊ったり、殺陣をしたり、歌ったり。お衣装も素敵で、短いなりにしっかり作り込まれていて、とても良いショーだった。特にわたしをワクワクさせたのが、殺陣のシーン。沢山のキャストが、戦のシーンを創り上げている。多分後にも先にも、あの人数の規模の殺陣シーンを観ることは無いんじゃないか、と今なら思う。迫力もあったし、何よりカッコ良い。そして「アレやってみたい、あっち側からの景色を見てみたい」と軽率に思ったのが、はじまり。殺陣がやってみたい、そんな気持ちから役者への一歩を踏み出したのだ。それまでお芝居には一切興味を持たずに生きてきた。たいていの人たちは、学生時代に演劇部に入ったりして、演劇に触れて生きていることが多い。まさか30代も中盤に差し掛かろうかとしている時に、突然役者をやりたい、と思うことになろうとは。人生本当に何が起こるかわからないのである。

戦国・ザ・リアルはいわば私のバイブル的な作品で、あのショーに出会ったから今の私がある。詳しくはYouTubeにプレスプレビューの時のダイジェストがあるので是非観てほしい。

ファンとしては、円盤化を切実に希望していたのだが、叶わなかった。未だに私は自分の本番前のルーティンの中で、この動画を観て初心を忘れないようにしている。

ちなみにこの作品はトータルで20回ほど観に行ったように記憶している。余りに通いすぎて、現地のチケット売り場のクルーや飲食店舗のクルーに覚えて貰っていたほど。当日券で、座席も指定して観ていた。花道沿いに座ると、キャストがカーテンコールの時にハイタッチしに来てくれるのだ。

このショーで今の推しと巡り合った。ストーリーテラーの琵琶法師役。実は最初の方は全く観ていなかったのだが(失礼)、ふと気がつくと沼落ちしていたのだ。いつ好きになったのか余りハッキリ記憶していない。それでも彼を観るためにチケットを増やしていたことは確かだ。できるだけキャストさんに観に来てることをアピールする為に、ショーを観るときは同じコートで行くようにしていた。ヲタって怖い。

推しの岡崎大樹さん

ありがたいことに、カーテンコール時に撮った写真をTwitterに上げていたら、沢山のキャストさんに観ていただけていたようだ。自分の撮った写真が気に入ってもらえてたらとても嬉しい。演出家の方も見てくださっていたようだ。私にとっては、この戦国・ザ・リアルとの出会いはかけがえのないものだった。推しにも出会えたし、お芝居の楽しさを教えてくれたものだったから。願わくば、いつかフル尺で観たいなと思っている。コンフェティさんにデータが残ってないかな、と思いつつ。舞台はナマモノだから、もう二度と観れないことが悲しい。だけど、私の記憶の中に色濃く残っている。やっぱり私はナマの舞台が好きだ。

Anne

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