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苦い思い出の振り返り方 ストレスマネジメント講義で思ったこと

わたしは、大学選びに失敗したと思っている。

大学選びに失敗したというか、大学受験に失敗したというか。失敗と思わずに済んだであろう大学には、わたしの学力では入れなかったから、大学受験に失敗したと言えるだろう。まあ、その大学を受けもせず諦めたことが原因なのだけれど。

友達もいたし、なんとか大学4年間も卒業したが、うまく馴染みきれなかったことや将来をうまく描けなかったことから、自分で自分を納得させられず、在学中はひどく苦しかった。
転部やら再受験やらを調べたが、未来が描けなかったわたしはどれも選びきれず、決断力の低さも災いして何も行動に移せなかった。

ただ、高校の時にぼんやりと描いた留学に行きたいという思いに院に入ってから火をつけ、必死で勉強して交換留学生のチケットを手に入れた。

周りは年下の子ばかり、しかも英語力はわたしが底辺。悔しくて惨めな思いだっていっぱいした。

だけど、努力せずには手に入らなかったものが、手に入れられた。わたしは、やりたいと思ったことに挑戦する権利を自分で獲得したんだ。そう思えてやっと、なんだか、わたしは今の大学を選んだ私を認めてあげられた。その達成感や納得感が、わたしの大学生活を意味のあるものだと思わせてくれた。

キャリアプランから考えたら悪い見本だと思う。描けなかった未来を結局描けてないままだから。まあ、案の定その後もこの問題を引きずるのだけど。

それでも、他の誰にもわかってもらえなくても、わたしの中の”私”が納得してくれたことが、わたしにとっては一番大きかった。

何がしたいんだと答えが見つけられず、前に進みたいのに進めない、進む向きもわからない、苦しい大学生活だったけど、いい思い出として記憶できているから。実際にその後反省を活かせたことも多々あるし、今はいい教訓になっている。

それは留学に行けたという成功体験を、大学生活という失敗体験のおかげ、と捉えられたからかもしれない。

先日、ストレスマネジメントの講義を聞く機会があった。失敗体験のおかげで成功体験があると結びつけて記憶しておけると、レジリエンス、折れにくく、立ち直りやすい心を獲得しやすいのだと言っていた。

まさにわたしの中でのレジリエンス成功例だ。

話は変わって、わたしは蝉が病的に苦手だ。

それは幼少期の蝉の記憶がトラウマになっているからなのだが、夏のこの時期は木の側を通ることができないし、無意識に飛び上がって逃げてしまったりなど、生活に相当苦労する。

大学生活の話を成功例として思い出したのと同時に、ああだからか、と妙に納得がいった。蝉の記憶は何の成功体験の糧にもなっていない。ただの恐怖の記憶だから、受け入れる気にも乗り越える気にもならないのだな、と。

蝉が苦手だったからこそ、こんな成功ができたーーそう思えれば蝉嫌いも少しはましになるのかもしれない。克服するには、わたしの中での正解と結び付けてやらねばなるまい。

果たして、そんな日は来るのだろうか。道のりはかなり長そうだ。

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