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梅仕事で夏を始める
初めての梅仕事。
ずっと気になっていた、この季節になると度々目にする青梅。
お酒がちょっと飲めた頃なら梅酒を付けたいところだけど、今は舐めるのも無理なくらいだし、梅干しは失敗談もよく聞くので、未熟ものの私にはまだ早い?
そこで梅シロップ。
氷砂糖じゃなくてきび砂糖で漬けるレシピを見つけて、良さそうだったので早速材料を揃えて、夫と休日に挑戦してみた。
瓶を熱湯消毒して、洗って水気を拭いた梅のへたを、おへそのごまをとるみたいに爪楊枝でプリッととっていく。
やっぱりこういう作業は器用な夫の方が素早いんだよなあ、関心。大雑把な妻と、手先が器用な夫。うまいバランスでできている。
ジップロックに入れて凍らせたら、梅ときび砂糖を交互にいれていき、あとは一日一回ゆするだけ。
この揺する作業を、夫が毎日楽しみにしている姿が愛おしかった。朝顔を監察する子供みたい。私はそんな夫を観察する。平和な世界だ。
「砂糖が溶けてきている」「今日はもっと溶けてる!」
「大分液体になってきた」
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そうして夫と私に見守られて時間が経った青梅ときび砂糖は、二週間後には立派な梅シロップになっていた。赤茶色というか、ブランデーみたいな色をした液体の中に、しわしわになった梅が浮かんでいる。
普段はあまり買わない炭酸水の缶を箱で買っておいたので、できあがった梅シロップと氷をグラスに入れて、その炭酸水を注いでいく。
しゅわーっと爽快な音。
底にたまったシロップと炭酸水を、マドラーでかき混ぜる。黄色とも、黄緑色とも言えない淡くて透明に近い色が爽やかだ。それにストローをさして飲むと、想像していた「こんな味だよね」というのを一気に超える梅の香りとやさしい甘さが、身体中に染み渡る。
買った炭酸の強さも丁度よかったのかもしれない。
とにかく、美味しい!
こんなに美味しいなら、お試しで少なめに作ったけど、通常の量で作れば良かった、と惜しい気持ちになる。
一度作るとはまる人が多いって言うけど、こういうことか。
だって梅の味がしっかりして、香りが芳醇で、
なんていうか「贅沢」な味わい。
梅シロップになる過程を見守っていたから、なおさら美味しく感じるのか?
これのためにステンレスの杓もあわてて買った。今までは必要ないモノだったけど、これからは毎年必要になりそうだから。
絶対、来年も作ろうと夫と約束した。
そのときは忘れた作業工程の写真も撮らないとね。
今年は梅シロップと炭酸で、良い夏になりそう…。
つきえ
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