優先席の微世界先生
本文
微世界先生は、一言で言うと不思議ちゃんだ。
彼女はいったい何者だろう。
ある時は鼻歌を歌っている。
ある時はただただ放浪している。
不思議な世界をまとっている。
ミクロの世界を教えてくれるような人。
それが微世界先生だ。
ある日、電車で微世界先生を見かけた。
優先席に座っている。
ああそういえば、前に脚を怪我したんだっけ。
彼女は優先席でもいつも通りだった。
1人、不思議な世界が広がっている。
彼女の話す物語はいつもメルヘンチック。
所々ダークな要素も入ってくる。
気付かないうちに微世界先生は移動してしまっていた。
ドアが閉まる。
降りたんだな。
次の日、朝のニュースで人身事故を知った。
微世界先生はそのまま帰らぬ人となったらしい。
何だったのだろう。
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