チョロいの、くさび　穏やか？ver.

本文

「ほらぁ、簡単でしょう～？」

深窓の令嬢のような少女が、僕に楔形文字について教えてくれている。
彼女があんな古代文字マニアで、とりわけ楔形文字に目がない子であろうと誰が思っただろうか。
第一印象は本当に僕の好きな清楚系だと思っていたのに。

僕が古代文字に触れる機会なんて世界史の授業のほんの冒頭部分だけ。
彼女はそこから熱心にはまり込んでいったようだ。
恐ろしい。

「大丈夫ですよ～。繰り返せば読めるようになりますから～」

はぁ。疲れるな。
彼女にとってはチョロいのだろうが、僕にはちんぷんかんぷんだよ、楔形文字は。

まあ、これも大事な1歩だ。
彼女と仲良くするには古代文字しかない。

楔形文字がチョロいと思えるくらいにまでなってやろう。

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別ver.

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