弱音を吐いてみたかった

私は弱音を吐いたことがない。
一度も、それこそ生まれてこの方誰にも言ったことがない。

正直本当に限界な時は「助けて」って言おうかとも思った。でも出来なかった。

いざ相談しようとすると、怖くて、拒否されて、もしかしたら友達をやめられてしまうんじゃないか、って、そう思ったら喉から声が出なくなるみたいになった。

自分でも不思議だった。こんな簡単な事すら私は出来ないんだと思った。

それからはもう、相談する事をバタリとやめた。
やめざるを得なかった。このまま何も言わずに私が我慢すれば全て丸く収まると必死に自分を封じ込めた。

とりあえずへらへら笑って、相槌を打っておけば大抵の友人は離れずに幾らかは居てくれるものだと脳が認識してしまった。

でも時々、本当に苦しくて辛くて死にたいと思った時、周りにいる友人かもわからない誰かに言われた。

「大丈夫?辛かったらなんでも言ってね」

私はそれを聞いた時、腹が立った訳ではなかった。かといってドラマのような嬉しくて泣いてしまう、ということも無かった。

ただ、無感情のまま。

「はは、ありがと」

そう言うしかなかった。
どうして今更になって私が信用も出来ない貴方にこの苦しみを言わなければならないんだと、小さく思った。別にその人が悪いわけじゃない。これは私が弱いだけだ。

それは今だってそうだ。
人に悩みを言えるほど強くないし、本音を言ってしまうと私自身が壊れそうで怖いんだ。
心の底から信用できる友達なんていないに等しいし、言ったところで困らせてしまうだけ、と暗い未来しか思い浮かばない。

でも、一度でいいから、誰かに言ってみたかったな。「助けて、辛いよ」って。

周りの人はどうなんだろう。簡単に言えてしまうのだろうか。だとしたら少しばかり羨ましいな。
そんなに頼れる友達と心の強い持ち主で。
弱っちい私とは全然違うや。

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