【これからきものを着て楽しみたいと思っている人が知っておくべき大事なこと】〜気持ちのあり方編〜
年代を問わず、ふとしたきっかけで『私も着物を着てみよう!』と着物スイッチが入る方は少なくありません。ただ、そこからいろんな壁があり、そのままスイッチをオフにする方が多いと思います。これほどもったいないことはありません。
そこで今回から何話かに分けてその壁を崩せるように私なりの着物を着るまでのステップアップ攻略法をお話ししたいと思います。
これは14年間、着物屋で働いてお客様からの生の声を聞いてきた経験と11年間、メーカーとしてものづくりをしながらお客様と接してきた経験からくるものなのでまず間違いないという自信があります✨是非参考にしてください。
今回はタイトルにもある通り『気持ちのあり方』というか実際に始める前にあれこれ考えて不安になってしまう方にその不安を解消してもらえるようなお話です。
●着物のルールが難しくてわからない
お客様からよく聞くセリフです。着物の種類もわからないしどこに何を着ていけばいいかわからない。
『訪問着ってどこに訪問するとき着るの?』
『付下と小紋ってどうやって見分けるの?』
『紬?一体何が違うの?』
『着物って1年中着れるんじゃないの?』
『え!この着物にこの帯は合わせたらダメなの?』
などなど細かく言えばまだまだあります。正直、こういうルールを全て覚えようと思うと大変です!YouTubeなどで解説動画などもけっこうあるのでそれを見るのもいいですが100%理解するのは難しいでしょう。
そこでさっそく結論ですが、気持ちのあり方としては
結婚式などのフォーマルな場所以外なら何を着たってかまいません!
(注:留袖•喪服•振袖•夏物は別です)
きものを着て楽しみたいっていう人は『趣味』として考える方が多いと思うので普段にカジュアルで着るのであらば何でもOKです!
例えばアンティークの世界では友禅の訪問着(フォーマル)を現代風にコーディネートしてオシャレに普段に着てる人はたくさんいます。今や着物に帽子、ブーツは珍しくありません!本屋に売ってる着物のルールブックでは絶対にアウトなことですがそれが着物業界で日常になりつつあります!
ちなみにこんな感じ
つまり着物のルールブックに書いてあることと現代の着物事情は違うということです!
現代の着物事情はかなりフリーなってきているので普段に着るのであらば細かなことは考えず好きな着物を着ればいいです!
しかし、もしルールブックを多少でも覚える余裕があるなら知っておいた方がいいです。それは一部の着物警察と呼ばれるお節介な人達への対策です。とにかくルールにうるさく注意してくるので何かを言われた時に
『知ってます、あえてやってるんです』と言えるようになっておくと便利ですよ!笑
気持ちのあり方としてはとにかく普段に着るのならルールは気にせず着たいものを着る!でOKです✨
ではフォーマルで着る時とか着物の種類を知りたいとかルールをそれなりに覚えたいという方への今度は実践編ですが一番良いのは着物屋さんに行って聞くのが一番だと思います。
『着物屋さんって入りづらいし少し怖い‥』
『どこの着物屋さんがいいかわからない‥』
『何か売りつけられるんじゃないかな‥』
などと思う方はたくさんいると思います!笑 しかし私は全国の着物屋を回っているので今の着物屋さん事情もよく知ってるんですが、上記のような不安をお客様が持っているといことを着物屋たちも知ってます!だからそんな無理矢理なことをする着物屋さんは今はないですよ!それに危険を感じれば逃げればいいだけです😊
それに『着物のことを知りたいんですが教えてもらえますか?』と聞けば喜んで教えてくれます!これは商売に繋がるかも?という気持ちは少なからずあるとしても、それよりも『知らない人に着物のことを教えるのが好き』なんですよ!僕も着物屋にいたらからわかるんです!普段、『着物いらない』とか『着ることがない』とか言われ続けてるのでなんか嬉しくて気持ちいいんですよねぇ笑 そういう人が多いんです✨おすすめは若い店員さんと展示会じゃない時に行くことです!
もう一つ、着物屋に聞くのが良い理由が
あらゆるタイプの着物がそろっているので【例外】も学べるということです!
どういうことかと言うと、例えばフォーマルの訪問着でも従来の上品な花柄もあれば究極はガイコツの柄のものもあったりするんです!確かに種類で言えば訪問着ですがそれを結婚式に着ていくのはちょっと‥てなりますよね?
例えばこんな感じ
もあれば、こんな感じもある
それに庵聚で作っている右袖にしか柄がない着物もあります。ちなみに付下に分類されますが従来の付下とは全く違う雰囲気になります。
こちら
などなど例外も含めていろんなものを見ながら直接話が聞けるのは着物屋さんです!近くの着物屋さんを何店舗が回ってみて聞きやすいスタッフのいるところに行くのが良いかと思います😊なかなか本やYouTubeだけでは難しいですね。
そしてもう一つの気持ちのあり方です‥
伝統や文化、工芸品といった価値観を捨てること!
私たちメーカーも悪いんですが‥よくこんなフレーズを耳にしませんか?
『着物離れが進んで着物の生産数が落ちて京都の着物職人達が減っています。後継者もいません。このままでは日本の伝統文化である着物がなくなってしまう。どうかこの素晴らしい技術と伝統を守るために皆さまご協力お願いします。』みたいな‥
重すぎる!重すぎ!全然気軽になれない!
着物離れしてる原因はあまりに日常からかけ離れてるから!(着付•お手入れ•価格など)ではどうやって日常にに近づけるかを考えないといけないのに伝統がどうのこうの言われたらちょっと引きますよね?
着物はファッションでしかない!
『創る側』も『売る側』も『買う側』もこれが共通認識であることが正常だと思います!京都の観光地で着物をレンタルしてる若い子達が『伝統』を意識して楽しんでいると思えません。
ちょっとした非日常を楽しんでるんだと思います。
先程、日常に近づけることを考えると言いましたが完全に日常になることは絶対にないし、ある意味少し非日常だから楽しいんです!
だから皆さんは伝統とか職人がいなくなるとか心配せずにファッションとして楽しんでください😊そうやって着物に近づいてもらうことが結果、伝統産業を守ることになると思います。
今回、これから着物を着ようと思ってる人が知っておくべきこと 〜気持ちのあり方編〜 でしたが
すごく簡単にまとめると
●ルールを気にせず好きなものを着ればいい
●伝統とかを気にせずファッションとして着ればいい
楽しければそれでいい!
次回は実践編で着物の調達方法やコーディネートや着付などのお話をしようと思ってます!またよろしければ見に来てください✨
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