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愛犬の寿命を伸ばしたい人がすべきこと5選

愛犬や愛猫の寿命を伸ばしたい!少しでも長い時間一緒にいたい
そう願わない飼い主さんはいらっしゃらないでしょう。

愛おしいペットはもはや家族。
とはいえ、私たち人間よりも寿命は短く、15年生きてくれれば御の字というような儚い命です。

願わくば健康なまま、寿命を全うして欲しい、そう願うのは当然でしょう。

この記事では、犬猫の寿命を伸ばすために今からできる対策を6つ、ご紹介したいと思います。

科学的にも証明された、実際に効果があるものばかりです。

歯磨き

歯を大切にすると長生きできます。

犬も猫も、自分では歯磨きができません。
飼い主が磨いてあげないと、どんどん歯垢が付いて、3日で歯石となります。
歯石となってしまったものは、もう簡単には取れません。

実は外から見て見える部分の歯石に関してはそこまで悪さしません。
問題は見えない部分の歯石。
歯肉の縁の少し潜ったところに歯周病の本体が潜んでいます。
悪い細菌がここに溜まったごはんの残りカスを食べて増殖し、歯肉炎を引き起こします。歯肉炎はどんどんと進行し、次第に歯の根っこの部分まで到達。炎症産物が顎の骨を溶かし始めます。

上の顎を溶かせば口腔と鼻腔の間にトンネルができて慢性鼻炎が起きてしまったり、
目の裏に膿が溜まって失明したり、
下の顎の骨が折れて食べられなくなったりします。

ここまでは、悪くなった歯の周辺で起こる被害。
歯周病の怖さはこれだけではありません。

歯周病を起こしている細菌が血液に乗って全身を巡ると、あらゆる臓器に悪影響を及ぼします。

例えば、椎骨という背骨の骨へ感染すると椎間板脊椎炎という病気になり、心臓の弁膜に感染すると感染性心内膜炎という病気を引き起こします。

また、一年に一回超音波歯石除去術を実施した犬は寿命が18%も伸びるという研究結果が出ています。つまり、歯が汚い犬は寿命が縮むということ。

もちろん、先述した椎間板脊椎炎や感染性心内膜炎といった疾患が直接の死因となることも考えられますが、慢性的な口腔内の炎症が老化を早めている可能性もあります。

老化の根本的な原因は炎症ですからね。

猫も然りです。歯がきれいな猫は慢性腎臓病に罹患しにくいというデータがあります。実際に診察していても、歯がきれいで口内炎や歯周病のない猫は、腎臓病に苦しめられることなく長生きしている子が多い印象です。

ということで、皆さん愛犬の歯磨きは毎日必ず行ってくださいね。
そして、少しでも歯石が付いてきた場合は、定期的に麻酔下での超音波歯石除去を行いましょう。


避妊去勢手術

避妊去勢手術をしておけば、防げる病気があります。

まず、女の子に避妊手術をすれば、子宮蓄膿症という怖い病気を防ぐことができます。

子宮蓄膿症と言う病気は陰部から入ってきたバイキンが子宮の中で増殖して膿が貯まり、細菌の出す毒素が全身を巡って強い炎症を引き起こす疾患です。

細菌自体が血流に乗ってしまうと、敗血症という重篤な状態となり、命を落とすことすらあります。

幸いなことに、この病気は避妊手術を行うことによって、ほぼ100%予防することができます。

また、女の子は初めての発情を迎える前に避妊手術を終わらせることにより、乳がんのリスクを大幅に減らすことができます。

特に猫の乳腺腫瘍は8割が悪性といわれています。
子宮蓄膿症も乳がんもどちらも命に関わる重大な病気です。それがほぼ100%の確率で予防できるのですから避妊手術はするに越したことはありません。

男の子も予防できる病気がたくさんあります。

  • 肛門周囲腺腫

  • 会陰ヘルニア

  • 前立腺肥大症

などが代表的です。
いずれも女の子の乳腺がんや子宮蓄膿症ほど、命に関わる疾患ではありませんが、発症した場合は早急な対応が必要なものばかり。

結局、治療には去勢手術が含まれます。
若くて麻酔リスクが低いうちに去勢手術を行うことをオススメします。

毎年の健康診断

何事も早期発見出来れば救命率は上がります。
犬猫の1年は人で換算するところの4、5年に当たります。
若い子でも1年に1回、シニアなら半年に1回の健康診断をオススメします。
血液検査だけでも沢山の情報が得られますからね。

特に慢性腎臓病や心臓病は初期段階から対処できるかどうかが、予後を大きく左右します。

最近では腎臓病の早期マーカーが広く使われるようになりました。
犬:シスタチンC
猫:SDMA
血液検査でこれらのマーカーを調べることにより、腎臓病初期の段階で治療を開始することができます。

心臓病の早期発見はなんと言っても獣医師の聴診が重要な立ち位置をしめます。

特に犬では僧房弁閉鎖不全症という弁膜疾患が最も多発します。
聴診により早期に心雑音を発見することができれば、早く心臓病を発見することができ、適切なタイミングで治療を始められます。

年に1回動物病院に行って、獣医師の診断を受け、ついでに健康診断で血液検査をしてもらいましょう。

どんな内容の健康診断を、どのくらいの頻度で受けるのがよいか、迷われている飼い主さんには、以下の記事を参考にしていただければと思います。


フィラリア予防

フィラリア症という病気を知っていますか。

心臓の肺動脈という場所に寄生する寄生虫疾患です。心臓のポンプ機能を寄生虫が物理的に邪魔するので、血液の流れが悪くなり、お腹や胸に水が溜まります。

最終的には心不全で亡くなる子が多いです。

この病気、一昔前までは犬の死亡原因の1位でした。
今ではほとんど見られなくなった疾患です。

理由は簡単、予防法が見つかったからです。

犬を飼ったことがある人なら分かると思いますが、毎年4月5月の予防シーズンに動物病院に行って血液検査と予防薬の処方をしてもらいますよね。
あれがフィラリア症の予防です。

フィラリア症は蚊によって媒介される疾患なので、蚊が出現する5月から12月までの期間、毎月お薬を飲んでフィラリアを予防します。

フィラリアのお薬は1ヶ月でも飲むのを忘れると、その間にフィラリアにかかってしまうことがあります。

フィラリアにかかった状態で次のシーズンの予防薬を飲むと、ショック状態に陥ることがあるため、毎年予防シーズンの前に、フィラリアの子虫がいないかどうかチェックしてから予防薬を投薬しましょう。

フィラリアは薬で予防できる病気。かかると命を落とすことがあるので、毎年予防しましょう。

しこりの早期発見

現在、犬猫の死因の1位は人と同じで、悪性腫瘍です。
いわゆる癌ですね。
すなわち、あなたのペットが命を落とす可能性が一番高い病気が腫瘍なのです。

腫瘍は最初のうちは小さく身体に何の症状もきたしません。徐々に大きくなって、その存在感を増し、体から栄養を吸い取って、体重が減少します。
種類によってそれに応じた症状が出てきます。

消化管の腫瘍なら下痢嘔吐、脳の腫瘍なら発作や意識障害などの神経症状、骨のがんならびっこ。

そして多くの悪性腫瘍は食欲不振、元気の低下を引き起こします。

たちの悪い悪性腫瘍ですが、動物たちは痛いと声を上げることができないこともあり、早期発見がなかなか難しい病気でもあります。
血液検査で数字に現れてくるのも少し時間が経ってからのことが多いです。

しかし、飼い主さんが見つけることのできる腫瘍があります。
それが皮膚の腫瘍です。

普段マッサージをしたり触れ合う中で、「あれ、なんかこんなところにしこりがある」と気づくことがあるでしょう。

しこりが小さい段階で見つかれば、もし悪い腫瘍だったとしても、外科手術で取り切って事なきを得る可能性があります。

逆に気づくのが遅くなって病院に連れてきた時にはすでに転移を起こしていたなんてことも珍しくありません。

さすがにおなかの中のしこりは、動物病院での診察でしか見つけられませんが、体の外側のしこりはご自宅でも発見することができます。

普段からよく動物を触り、しこりっぽいできものを見つけた際には、動物病院を受診していただければ幸いです。

まとめ:少しでも長く健康でいてくれ。

私の愛犬への願いは唯一つ。

少しでも長く、健康に私のそばにいてほしい。

それだけです。

そのためにできることを具体的に考えると、上記の5つに集約されました。
多くの飼い主様が実施しやすい内容かつ、効果がしっかり現れる内容となっています。

ぜひとも実践していただき、周りの飼い主様のあいだでも話題にあげていただければ、幸いです。


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