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上海のファッション。窓と鏡。

数日前、あるアパレル関係者と上海のファッションビジネスの話になった。

SHOWROOM SHANGHAI、Ontimeshowなどの情報を見ていると、単なる感覚の問題なんだけど、かなりフェーズが変わってきていることに気づく。数年前までは、中国人アパレル業者が日本のセレクトショップや百貨店で洋服の写真を片っ端から撮っていた。帰ってレプリカを作るためだ。

ヨーロッパのコレクションなどでは撮影を禁止したり、ショー後のデリバリーを早めたりして、中国で迅速にニセモノが作られることへの対策に苦心してきた。だって本家ヨーロッパのデリバリーより早く、商品が中国の店頭に並んでしまうんだから。

その頃とは状況が大きく変わりましたよ、というのが今回のテーマで、中国人の若手ファッションデザイナーは優秀な人がどんどん出てきている、という話。

中国の人とそういう話をしているうちに、ある新進気鋭の若手女性デザイナーに会ってみませんかと言われた。公的にネットを遮断している中国から入ってくる情報はあまりにも少なく、あったとしても日本やヨーロッパ経済スタンスで書かれているから、そこから判断できることにはバイアスがかかっていて、鵜呑みにできないと言ってもいい。

つまり、何がどうなっているのかは実際に行ってみないとどうしようもないってことだ。俺が最後に上海に行ったのは去年の11月。変化の早い国で、「去年の11月に行った時はこうでした」なんていう古い情報が売り物になるほど、クライアントからお金をもらう仕事は甘くない。

デザイナーはかなり忙しい人のようだったので、すぐに来月のアポを取ってもらって、上海の彼女のアトリエに行ってみることにした。その日の夜に上海行きの航空券とホテルを取り、一安心。クリエイターが集まる複合施設にアトリエとショップがあるようなので、うまくいけば効率よく多くのモノが見られそうだ。

今日も、「日本はあまりにも変化の大きいアジアから後れを取っているよね」と香港から帰ってきたばかりの堀潤さんと話した。それは鏡も窓も見ないからだろう。自分の姿も、外の景色も見ないで、スマホの画面で自分のことなんかわかるはずがない。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。