進化を恐れるな。但し、条件有り。
21年の歴史を持つ古民家酒場『萌蔵』
オーナーのお母様の時代から受け継がれてきた、この趣ある古民家酒場が新たに生まれ変わります。
老舗として、ずっとこのままのスタイルが良かったと思うお客様もきっと多い事でしょう。でも最近の私はあまりそういう考え方ではありません。
良い物を残しつつ、更に現代(いま)を取り入れたデザインを構築する。それが飲食店やそれ以外の店舗デザインには必要という考えに今は至ります。
だって今を生きる人々に受け入れられなければならないから。
そりゃあそうですよね?
激戦区にある飲食店というものは例えば、老夫婦で趣味のようにやっている喫茶店とは違う。
重要文化財で国がお金を出してくれる施設でもない。
オーナーが店をやりたい!と思って好き勝手作るのだから当然、自分で考えて収益を得てやりたいようにやったらええがな、借金背負ったまま潰れても知らんけどなスタイルである。
だからね、当然お客様にガンガン入って飲み食いしてもらわにゃ困るんですよ。
オーナーとデザイナーのエゴでカッコイイ店を作ったとて「へぇ、素敵なお店だねぇ♪」で通り過ぎてもらっては困るんです。
本当はね?本当はと言うと…息を呑むほど美しい店を日頃から作り続けたい(予算が許すならば。笑)と思っているわけです。
でもやっぱりそれではお客様は入ってくれません。
多くの人にウケるデザインと人口の数パーセントが見て美しいと思うデザインは違うから。
だからきっと大衆にウケるヒットソングを打ち出しまくり、世に知れ渡ってから自分が本当にやりたかった曲を書くのが流れというものなのだと思うようになったんです。
売れっ子になってから「何か今回のアルバムってさ、いつもと違うよね。」「なんか曲調変わったからこのバンド好きじゃなくなったわ。」
とファンは言うだろう。
でもそれこそが、そのバンドの本当にやりたかった事であったり、そのバンドが成長して次のステップに上がったという証なのだろう。
進化すると元々のファンは多少減るが、今度はその曲調を気に入った新しいファンが増える。
だから進化を恐れてはいけない。
変わる事を恐れてはいけないのである。
ただ一つ、自分の深部に変わらないモノを大切に持ち続けるという事が条件。
それがなければ何に対しても上手くはいかないだろう。
私の中の変わらないモノは何だっけ?とたまに立ち止まっては、普段は忙しさという埃にまみれたその大切な変わらないモノを丁寧に磨いてあげる作業が必要なのである。
ちなみにANIMA GARAGEのオーナーである私の中の変わらないモノは『本質の追求』そして『反戦』です。
この二つを今も変わらず、ずっとずっと心の中に抱きしめて生きています。
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