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楽しいから続けられる、楽しいから上達する

はじめまして!
3D背景デザイナーの川田です。 
僕は去年アングーに入社したばかりの駆け出しデザイナーになります。

そんな僕には他のデザイナーとは少し違うところがあるのですが、
それはデザインなど全く未経験の理系学生から1年でデザイナーになった、ことです。

僕は理系学部を専攻していましたが、そこから大学院に進むも1年生の途中で中退、3DCGデザイナー道へ進むことになります。

結論から述べると、デザインなどに全くの未経験から1年でデザイナーになることが出来た一番の要因は、3DCGを作ることが僕にとってとても楽しいものだったから、だと確信しています!

今回はそんな方向転換を行ったゲーム会社の新人デザイナーの話を紹介したいと思います。

中途半端で退屈な学生時代

大学で僕は情報理工学部を専攻しており、基本的にはプログラミングを学習することがメインの学部を専攻していました。
研究室では触覚センサーというものの開発を行っており、プログラミングだけでなく基板をはんだ付けで作成したりなど、デザイナーとは全く関係のない勉強を行っていました。

大学の卒業が近づくとともに、就職活動を行わなければならなかったのですが、当時は特に就職したい会社ややりたいこともなく、とりあえずといった形で大学院への進学を決めました。

しかし、大学院に進学後、自分の行っている研究が自分のやりたいこととは変わってきてしまった部分があったのです。それは、研究のほとんどがセンサーの性能検証を行うことになったことです。これが大学での研究というよりはセンサー開発の仕事をしているような形になってしまっていて、本当につまらなかった...!!

進学時にそのような研究になることはある程度分かっていたのですが、やってみたら何とかなるんじゃないかと思っていました。しかし、想像以上に研究に対してのモチベーションが上がらず、次第に研究室に行く回数も減っていきました。

自分が何を楽しいと思っているのか

僕が興味を持っていたのはセンサーで「何を行うかという目的であって、センサー自体である「何で行うか」という手段にはそれほど興味がなかったことに気づいてしまったのです。
僕が学部生の時に行っていたのは、「触覚センサーを包丁に設置し、使用者の技量を数値化する」、といったものでした。この研究の時には、包丁のどこに着ければ上手く計測が出来るか、上手い人と下手な人ではどんな違いがあるかなど、考えていて面白い部分がたくさんありました。
僕が触覚センサーに持っていた興味は、センサーそのものではなく、それをどう応用できるかの部分だったのです。

研究で使用していたシステムの全体像

そのため、今の研究を行っていっても将来自分のしたいこととは異なるんじゃないかとも思い始めていました。

また、プログラミングについても同じことが言えて、プログラミング自体が好きなのではなく、それで何をするかに興味があったため、「何で行うか」という手段と、「何を行うか」という目的、そのどちらも好きになれるものは何かと考えてみました。

そこで、今までで行って楽しかったことを思い出してみると、学部生時代に講義で行われたグループでのゲーム作成が思い浮かびました。

そこでの自分の役割はゲーム内に登場するキャラクターや小物のモデリングだったのですが、少しづつ形を整えていき自分の求める姿に変えていく作業や、それがゲームで動いている姿を見た時の達成感がとても記憶に残っていました。

その時、「モデリング」という手段と「ゲーム制作」という目的、そのどちらもが楽しめるものだと気づくことが出来たのです。

その時に体験した楽しさをそのまま仕事にできたら最高だろうと考え、元からゲーム好きだったこともあり、ゲーム会社で3Dデザイナーになることを考え始めます。

CGの勉強がしたい!

そこからはどうにかしてCGを勉強させてもらえるところはないかと探してみるのですが、大学院に進学させてもらった手前、学費の高い専門学校に入りなおすなどとは口が裂けても言えません
そこで出会ったのがクリークアンドリバー社のクリエイティブアカデミーでした。このクリエイティブアカデミーの驚くべきところは、フルタイムで講義を受けても無料という点です。
こんなものがあるのか!、とその日に募集ガイダンスへの応募を行いました。

そのガイダンスで、講義を受けるには面接に合格する必要があり、それ用に何か作品を作っておいた方がいいというアドバイスを受け、そこからちゃんとしたCGの勉強を開始しました。

購入した書籍「Maya ベーシックス 3DCG基礎力育成ブック」

講義ではmayaを使用するとのことだったので、mayaの参考書を購入し、一週間ほどで一つの作品を作成し面接に挑もうと考えました。
CGを作り始めてみると...

た、楽しい...!!

今までの研究に対するモチベーションが嘘だったかのようにのめりこむことができました

昔から細かい作業をするのが好きで、小さい頃は意味もなく折り紙の12面体を作り続けたりしていたのですが、僕にとってモデリングはそんな手遊びのような感覚で楽しめるものでした。

僕は基本的に夏休みの宿題も最終日ギリギリまで放置するタイプなのですが、昼夜を問わず自主的に勉強し続けることが出来たのはこの時が初めてでした。
その時に作成したモデルがこちらになります。

初めて作成した廃屋の3Dモデル

今となっては一日で作れてしまいそうな簡単なモデルなのですが、ほとんど何も勉強をしていないところからのスタートだったので、この時はこれで精いっぱいでした。このモデルだけを頼りに面接に臨み、なんとか合格することが出来ました。

ここで、大学院をやめてフルタイムで受講するか、夜間だけ受講して大学院を継続するかの二択に迫られます。
僕は前者の大学院をやめてフルタイムで受講する、を選択しました。
後者ではCGを勉強するのが遊びで終わってしまうのではないかという不安があったからです。(ただ両立する自信がなかっただけでもありますが...)
この時の大学院をやめてCGの勉強を行う決断を認めてくれた両親には大変感
謝しています。

好きなことにのめりこめた期間

そこからはクリエイティブアカデミーで与えられた課題をこなしていく毎日が始まります。10:00から17:00の間でコアタイムが存在しましたが、基本的にはその時間を超えて課題制作を行っていました。
受講はオンラインで行っていたため、基本的には一人で課題をこなしていき、フィードバックを受ける段階で分からないことや、自分では気づけなかった修正点を講師の方に教えていただく形でした。
そのため、一人でいる時間が長く、当時の一年間は家族と講師の方以外では話す人がほとんどいないような状況でした。

そんな中で皆さんが気になることといえば、モチベーションをどうやって維持したのか、ではないかと思います。

理由としてはとてもシンプルで、やはりCG制作がとても楽しかったからだと思います。
楽しいことだからこそ続けられるし、そのために必要な勉強もほとんど苦になりません。
それまでは参考書を読み切るような勉強の仕方は全くしたことがなかったのですが、購入した参考書は最後までは読まなかったものの9割ほどは読んで勉強することが出来ました。

アカデミーで1つ目に作った3D作品

大学や大学院で行っていたプログラミングや研究は、嫌いなものではありませんでしたが、それほど好きなものでもなかったため、モチベーションを維持することが出来ませんでした
しかし、クリエイティブアカデミーでモチベーションが切れたと感じることはほとんどなかったため、楽しいことをすることが自分の成長に最も効果的であると感じています。

課題制作が終わると就活の段階に入ります。
今までの課題で作成した作品を基にポートフォリオを作成し、無事アングー株式会社に就職することができました

Substance PainterやZbrushなどを使用して作成した銃の3Dモデル

実際に働いてみると

就職後も基本的にはCGを作成することがメインとなっているため、楽しく仕事をすることが出来ており、大学院のまま就職していたらこうはなっていなかっただろうと思います。

また、楽しいことを仕事にすることで、その仕事を楽しんでいる人たちと出会えたことも大きいと感じています。
職場の人たちはゲーム会社を自分で選んでいるため、当然ゲーム好きの人が多く初対面の方でもすぐにゲームの話題で盛り上がることが出来ました。
上司の方が真剣にゲームについて話しているのを見るたびに、この会社に来てよかったと思えます。

「楽しい」ことをしよう!

以上から、楽しいことを仕事にすることで、

  • 仕事に対するモチベーションを維持することが出来る

  • 勉強をすることが苦にならない

  • 自分が楽しいと思っていることを共有できる人たちと出会える

などのメリットがあると感じています。

結論として今回お伝えしたかったことは、楽しいと思うことを仕事にするのは素晴らしいということです。
もちろん、面白くない、興味がないと思っていてもやる必要が絶対にある職業もあります。
それを職業とすることも当然素晴らしいことだと思います。
楽しいと思っていたことがそうではなくってしまうこともあるかもしれません。

しかし、楽しいことを仕事にすることで、楽しんで自分を成長させられることもまた事実ではないかと思っています。
楽しかったことがそうではなくなっても、また新しく楽しいことを見つけてそこを目指せばよいのです。

今やっていることが自分のやりたいこととは全く違ったとしても、あきらめず挑戦してみるのも良いのではないでしょうか!


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