SOLO制作日記006:さらけ出す怖さ
こんにちは。ちょっと時間が空いてしまいましたが、久々のSOLO制作日記です!
今はストーリーと遊び部分のブラッシュアップをしてるんですが、ちょっと以前から変わってきたことがありまして、、、最近SOLOの制作においてすごく「怖さ」を感じているんです。なんで怖くなってきたのかなと考えてみて、しっくりくる答えが見つかったんですが、もしかしたら共感してくれる人もいるのではと思い書くことにしました。
代表がずっと言い続けていること
僕がangooに入ったときから変わらず(おそらく僕が入社するずっと前から)うちの代表が話していることがあります。それは「本当に自分の心が動くものを作るべき」ということです。
「世の中の人はこういうものが好きなのでは?」「今こういうものが求められているから」ではなく、「自分自身が心から本当に欲するもの」を作る。そこを突き詰めた結果、人の心に深く刺さるものが生まれるということです。
これを聞いて、「自分がいいと思うかを基準に作っても、結局世の中の人に対して刺さるかどうかはわからないのでは?」という疑問もあると思います。
ですが代表はこう言います。
一人の能力のあるクリエイターが、自分が心から欲するものを本当に突き詰めて形にすることができれば、世界中の多くの人の心を動かすことができる。
また、そうしてできたものが誰の心も動かせないのであれば、そのクリエイターは誰にも理解されない趣向を持つオンリーワンな人間ということになる。それこそナンセンス且つ傲慢だ、と。
「本当に自分の心が動くもの」とはなんなのか
僕にとっては(SOLOにおいては)、過去に抱えた解決されていない葛藤に対しての「答え」が込められている作品です。
ちょっと抽象的なので、SOLOでの例を出します。
SOLOのストーリーは僕自身と父の関係をもとに発案しています。10代〜20代の前半に、父との関係が悪い時期がありました。大喧嘩をしたとか、特別な出来事があったわけではなく、少しずつ気まずくなり、会話が無くなっていき、気づいたら歩み寄り方がわからない、、、。
大人になって思い返しても、なぜそうなったのか、どうしたらよかったのか、答えがわからないモヤモヤとした感情を抱えていました。
このことをベースにしたストーリーを作ろうと思った時、例えば自分が経験した状況・感情をそのまま再現するストーリーを作ったとしても、きっと誰にも刺さらないと思います。なぜならば、僕自身がその時期(関係が悪い時期)が何だったのか答えが出ていないままだから、それではただの記録なんです。
なので制作をするにあたり「あの感情は何だったのか」「なぜイラついていたのか」「本当はどうしてほしかったのか」「本当は自分はどうしたかったのか」など、当時のことを考えます。
ひたすら過去と向き合い、チームのメンバーにヒアリングしてもらい、深掘っていきます。そうすると、当時は理解できていなかった自分の感情についての理解が深まり、当時の自分に聞かせてあげたい「あの時のお前はこう思っていたんだよ」「こういう感情の狭間で揺れていたから辛かったんだよ」というある種の「答え」のようなものを見つけることができます。
その「答え」が含まれた作品は、葛藤を抱えた人に深く刺さると思います。僕はそういった作品をプレイしたいし、それこそが「本当に自分の心が動くもの」だと思います。
怖さが出てきた
さっき述べたような過去を深掘って理解する作業を繰り返し、ある意味身を削り、少しずつ進めてきました。最初はそういった感情をどうやって反映するのかに頭を悩ませ、上手くハマった時は嬉しくなり、ストーリ作りは進行していきます。段々と自分の深くにある感情がストーリーに反映されていき、楽しさと充実感を感じます。
でもあるタイミングから、怖さを感じるようになりました。そして制作が進むにつれ怖さが段々と大きくなってきた。これを世の中に公開することが今はめちゃめちゃ怖いです。
怖さの正体
作り始めにはこんな怖さなかったぞ、と思っていたんですが、最近ようやく原因がわかりまして、、、。
多分ですが、SOLOのストーリーが本当に自分の感情や経験、そして「答え」を投影したものになってきたんだと思います。
これを否定されたら、立ち直れないくらいダメージ受けるな、、、と思うくらい自分を深く出したものにようやくなってきたから怖くなってきた。
そこまで煮詰まっていないと人の心に響かせることはできないと思うし、この怖さがでてきたことこそが、「本当に自分の心が動くもの」に近づいてきた証だと思っています。
この原因に気づいてからは、怖さはポジティブなものだと思えるようになったし、この状態までこれたことはすごく嬉しく思っています。(怖くて吐きそうだけど、それはそれ)
余談
めちゃめちゃ余談ですが、ビジュアルに関しても、自分の好みが結構反映されているらしく、、、。普段一緒に絵を描いている友人たちに制作中のゲーム画面を見せると、「いや、これお前の絵のまんまじゃん。」と言われたりします。笑
ということで、ビジュアル面でも、ストーリー面でも、本当に自分を投影したものになってきました。当たり前ですが、ここまできたのも粘り強く考えをヒアリングしながら制作に向き合ってくれるチームメンバーのおかげですし、すごく感謝です。
あとはこの怖さと戦いつつ、よりよくなるようにこの先の制作を進めて行きます!
ちなみにSOLOは𝕏で制作の様子を発信しています!各月の初めにはカレンダーも公開していたり。ぜひ覗いてみてください!