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140字小説「天使との約束」

時計塔の鐘が鳴る。
後ろ髪をひかれながら、今日も僕は本を閉じる。

ここは天空の図書館。
神の叡智に触れる場所。

「世界のすべてを知りたい」という僕の祈りは
天使によって叶えられた。

唯一の約束は
「鐘が鳴り終わるまでに本を閉じること」。

破ったら、二度と地上に帰れない。
二度とここにも来られない。

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