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二度の震災経験から実践している [ひとり暮らし最小限の災害の備え]

最近、南海トラフに絡む大きな地震や都市部での地震、台風にゲリラ豪雨、猛暑と「災害級」なニュースが多発しておりますが、ちょうどこの記事を書いているところでしたので遅ればせながら?という感じですがアップしました。

庵主は関西で阪神淡路大震災、北海道で胆振東部地震に遭いました。
幸い、私自身は命に関わることはありませんでしたが、阪神では家族が1人亡くなり、家は全壊、約2年間ほど実家は再建できずに避難先の体育館暮らし。
北海道では数日間、停電下で暮らすという状態でした。

その経験から、日本全国どこに居ても、「一応」という心づもりで震災や天災のための備えは必要だろうなと考えています。
そんな私がやっている、ガッツリちゃんとでなくても、最低限これくらいなら…という、ひとり暮らしサイズの備えについてです。

だいたい、都市部での暮らしで長くても1週間~10日程度で電気などの復旧があり、支援物資なども届くという想定です。

実際に先述の2つの震災は都市部で遭遇しましたが、いずれも電気はとても復旧が早かったです。
阪神では自宅は全壊だったものの、避難した大きな避難所には非常用電源設備も整っており、当日から使用可能でしたし、胆振の地震ではブラックアウト状態になりましたが、私の住む地域は3日ほどで復旧しました。水は電動ポンプ式ではなかったためか非常電源があったのか、当日から問題なく使える新築マンションでした。

では、気合いを入れない、ひとり暮らしサイズの「一応」程度の備えの話、書いてみます。

最低限の日常的災害の備え

1、不動産選び

・立地(非浸水エリア、地盤)
まず、災害と言って実際、地震ばかりではないと思いますが、地震は避けられない国かなとも感じるので、自宅で被害に遭った場合、自宅避難の最低限は考えます。
ですが、それ以前に住む場所を探す際も「一応」その土地のハザードマップを参考にして、水害の無さそうな場所、そして地盤の強そうなエリアを選んで住むようにしています。(移住の際もそうしました)

多少、川の近くなどで堤防が溢れた際に浸水するエリアに近かったとしても、1~2階を避け、少しだけ高い階数の部屋を選んだりもします(家賃が高さに応じて上がったりもするので、懐との相談の範囲で)。
あまり高層階過ぎると揺さぶられてお部屋の中も大変なことになるでしょうし、エレベーターが数日使えない…という際に、階段での登り降りが大変になることが考えられるため、景色など良いに越したことはないですが、それより何より、「何かあった際に、自分で登り降りするのに億劫にならない程度の階数」と思っています。(私個人的には5〜7階程度ですかね。体力に自信のある方はそれ以上でもお好みで!)

ちなみに、不動産の耐震補強基準が設けられてからも長いですが、「一応」比較的築年数浅めの物件を選んでいます。
最近別の視点から、新築は避けるようになりました。
築剤の乾きが甘いのか何かわかりませんが、北向きの部屋でもないのに陽の当たりがイマイチな部屋の床がびちゃびちゃになるほど結露したり、クローゼットで物凄いカビが発生したことがあったため、築数年の落ち着いた?物件を選ぶようにしています。(そしてクローゼットはほぼ換気で開けっぱなし)

・設備
比較的高層のマンションであれば、屋上への避難が可能かどうかの確認。
水害などで取り残された際、屋上からの助けを得られるかという観点からです。水辺に近いエリアでなければそこまで気にしなくてもいいと思いますが、火災での避難ということもあり得なくはないので「一応」ですね。

建て付けの家具が多いところ、特にクローゼットなどの収納があるところが理想的だと思っています。
後から購入した家具の転倒防止の手間を思うと、建て付けが便利で安心です。

設備面でも比較的新しい物件では、ビルトインのガスコンロや給湯器など、地震感知機能が付いていたりして、自動停止してくれるというのも安心ポイントです。

2、日用品・消耗品のストック

タイミングにもよりますが、買い溜めというより、普段から気持ち多めに、とか、あるといいなとストックしておくことを心がけているものがあります。

・トイレットペーパー ・ティッシュペーパー
残り1ロールで…とか、1箱で買いに行く。というのではなく、12ロールなら半分くらい使えば次のストックは「一応」買い置きしておく。など、その程度です。
1人ですから、そこまで沢山使うわけではないと思いますし、もしも避難所などへ行かなくてはならない。となっても、ストックのロールを自分で持って行ける。そして、渦中になって買いに行っても買い占めで売り切れている!ということに遭遇しなくて済みそう。というところから、「気持ち多めに」という感じです。
支援が来るまでに12ロール使い切ることはないけれど、0になって買えなかった時が大変!のために。という感じですね。ボックスティッシュなども同じく。
多め、長めに持つ商品ほど、無くなった時に買えない状況になると辛いです。
そんなわけで、結構道端で配っているポケットティッシュもありがたくいただいて、ストックしておくタイプです。

・おてふきシート
何かと便利なので普段から「一応」1パックくらい予備になる程度持っておきます。
もしもお風呂に入れない!となっても、ボディシート代わりに使えますし、“水がなくても洗えるシャンプー”などを備えていなくても、髪を掻き分けてこれで地肌を拭いたりもできるので便利。

・置き型のライト
おしゃれキャンドル風のライトから懐中電灯まで、なんだっていいと思いますが、「一応」のライト。
スマホのライトだと消耗が激しいかなぁというのも気になりますし、片手で持って何かをするのが面倒な場面もあると思いますので、100均で買える程度のちょっとしたライトがあれば、ひとりには充分です。
ブラックアウトの時、私自信はノートPCの薄明かり(光度下げ)でもごはん食べられましたし、全体が暗いのでカーテンを開けているとなんとなく外の方が明るい感じでした。(月明かり?以外にほのかに明かるかった印象)いつもより寝る時間は早くなりましたので(ネット繋いでると電気勿体無いしやることなく)明かりがないのはさほど気になりませんでした。
暗いのが苦手な方は準備しておかれた方がいいですよね。

・電源、バッテリー
これも情報を得るのに電波が通じるならスマホを使うと思うので必須ですよね。
普段、ノートPCは常に充電しているのでそこからスマホ充電は数日可能ですが、それとは別に容量の大きい携帯バッテリーも購入しました。3~4回ほど0~100%に充電できるものなので安心です。
ミニパネルのついたソーラー充電器など、ラジオ機能などもついたものが魅力的ではありますが、私はまだ購入できていません。ひとまず、最低限ならノートPCもしくは携帯バッテリーで足りるかと感じています。

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3、食品・食料関係

どんな状況でもお腹はすく。ということで、食料の確保はマストですが、避難所へ行くほどの被害の場合は別として、自宅避難に備えてのイメージです。

・カセットコンロとガスボンベ
これがあればガスが止まっていても自炊ができますね!100均で3本セットのものが売っていますが、残り1本になったら「一応」3本買い足しておく。という感じ。
日頃使う場面がない場合は滅多に買い足さないと思いますが、3食使うことになるかも知れませんのであると安心です。インフラの復旧でガスは差が出るところかも知れません。(プロパンか都市ガスか、設備の確認はすぐ可能かどうか…。札幌は都市部でもマンションでもプロパン多いです。)
ガス漏れの二次災害は怖いですから、最初に火を使う際の場所やタイミングはお気をつけください。

・乾麺、袋麺、パウチのおかゆなど
乾麺関係のどれかが家にある状態に「一応」しておくと、避難渦中ではひと鍋で一食作れるので便利だと思っています。ご飯炊いて、おかず作って…となると、1コンロでは大変ですし消費が激しい!鍋で15分もガス使うのは勿体無い!ので、避難時はお米より麺ですね。1から鍋で茹でるのではなく、ビニールなどで浸水させて柔らかくなったものを最終の仕上げにちょっとだけ茹でて火を通す。このやり方ならガスボンベを長持ちさせられます。

おかゆに関してはなぜ具体的な指定かというと、災害の避難食としてだけでなく、万が一体調を崩した際に、買い物に出られない、食事を作る体力も気力もない、という時のひとり暮らしに備えておくと便利なもの!という側面もあるためです。
これはコロナ禍に体験したおかげで意識するようになったものですが、お湯を注ぐだけ、温めるだけで食べられる柔らかくて飲み込める食事のストックがあることは大事だなと身をもって学びました。半年も日持ちすればいいと思っていますので、チョイチョイ食べながら更新しておかれるのが良いのではないでしょうか。
今は味のバリエーションも多かったり、雑炊系も豊富なので普段消費するのにも美味しくいただけます😊
おかずもね!という方は、レトルト缶詰もぜひ!

・水分、飲料、生活用水(大きなビニール袋)
利用できる人におすすめなのは、ウォーターサーバー。ストックを1つでも置いてあればひとりには充分かなと感じます。
日頃からケース単位で飲料を買い置いている方は問題ないかなと思いますが、そうでない人は冷蔵庫にいくらかの飲み物があれば。
たとえば私の場合、だいたい3リットル分のボトルが冷蔵庫に入っています。(+牛乳)ただ、飲みながらなので常時でいうと2リットル程度。お茶とコーヒーとか、季節により中身は変わりますけれど、だいたい各1.5リットルづつ。
それとは別に、災害直後のまだ水が多少出るうちに水道水を!という場合に備えて、「一応」空のペットボトルを数本ストックしてあります。炭酸水のペットボトルが頑丈でお勧めです。

さらに生活用水も!という場合には、お風呂場にすぐ水を溜め始めるか、水道水が出ない!という場合なら、エコバッグやリュックにゴミ袋サイズのものを2重にして入れ、給水所でもらってくる。
大きなタンクを置いておいても、実際、それを持って非常階段を登ることを思うと重たくて運べないと思いますので、持てる範囲のものを何度かに分けて運ぶのが現実的だと思います。(道のりはキャリーなどでコロコロ運べても、エレベーターが動かないうちは重たいものは苦労します)

4、家具・インテリア関係

不動産を選ぶ際にも関わってきますが、私は現在、家具はほとんど持っていません。
移住してくる最初の時に、どれだけミニマムで暮らせるか?ということで、ほぼ何も持たずに引越して、そこから必要最低限と思いながら物を増やさずにどこまでいけるか?ということをやっていたのもありますが、おかげで危険なものが極少ない居住空間になっていると思います。

・冷蔵庫
扉側の足に厚紙や床マットなどを挟んでおいて、気持ち手前側を高くしておく。ネジ式の足が付いているものなら前方を高くするのでOK。
前向きに転倒して冷蔵庫の中身が飛び出さないようにということでやっています。多少の揺れならこれで充分かと感じます。
もしも停電になったら扉を開ける頻度は下げる!閉めっぱなしの方が冷気が保たれ、中の食品も痛みにくいです。が、アイスクリームは凍っているうちに食べてしまうのが無難です。勿体無いですし、溶けたものを再度凍らせたものは衛生的に良くないともいいますからね😋
胆振の地震の際は、最初にアイスクリームのストックを消費しました。

・寝室
深夜や早朝の地震だと、建物が壊れなくても頭上にものが落ちてくるとか、足元に家具が倒れてくるという危険は避けなくてはなりません。
寝ている周りに置いてあるものは背の高い家具は固定しておくか、倒れてきても自分のベッドにかからない配置にしておくことをお勧めします。棚に置いてあるものも飛んできますので、向きには注意をなさってください。
阪神の地震の際、家屋ごと倒壊しましたが、祖父母はタンスと梁の下敷きになっており、昔の大きなタンスの重みは凶器でしかありませんでした。(タンスと抜け落ちた床の隙間にいて布団にくるまれていた祖母は助かり、タンスと梁に挟まれた祖父は亡くなりました。)

生死を分ける可能性があります!これだけはしっかり!
私は建て付けのクローゼット利用、寝室にひとつだけ背の低い組み立てチェストはありますが、引き出しがないので服が落ちるくらいです。引き出しは重みの勢いで飛んできますからね!向きにくれぐれもご注意を!
見せない収納にしたいという方もいらっしゃると思うので、引き出しのないものとばかりいかないかも知れませんが、天井突っ張りタイプが良いように思います。

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・家具の固定
上記、天井突っ張りタイプの家具。それが手間が省けて良いという気もしますが、そうでない見た目のものを置きたい気持ちもあると思いますので、やはり転倒防止対策ですよね。
裏側の見えないところでしっかりと固定する。もしくは、先に記載した冷蔵庫のように、周囲を壁に覆われていたり全面に倒れるしかなさそうなものの場合は前方を気持ち高くなるようにしておくなど、ほんの少しの心がけでいいと思います。
ものは壊れてもが助かれば。というのが最低限の備えだと思いますので、頑張りすぎない範囲日頃の見直しのタイミングで取り組んでおくのがいいですよね。

・トイレ問題
ちなみに、「排泄は止められないけど、トイレの備えはしなくていいの?」と思われましたか?
防災意識の高い方かも知れませんね!
ひとり暮らしのお住まいがマンションタイプであれば、下水が逆流してきていない限り、実はタンクにお水を入れて普通に流すことが可能だったりします。(もちろん、物件にも寄ると思うので入居時に確認を!)
生活用水が確保できていればタンクにお水を入れて、いつもの通りレバーを引いて流す。(量を節約したい場合はタンクの水の量を減らし、常に「小」で流す!など)
北海道での地震の際は、私の物件は停電のみでしたので、水道もガスも問題なく使用でき、トイレもそのまま使用できました。(ガスはプロパンでマンション備え付けのため影響なく済みました)
もしも逆流などしてきて、便器から溢れることなく収まったなら、念のため、下水設備の確認が取れるまでという感じで便座にゴミ袋をかけ、袋の中に新聞紙などを入れて用を足し、袋の口を閉めて匂いの篭らない場所へ出しておくと良いと思います。(ダンボール箱に袋を入れてベランダへ出して置いておくなど)
環境復旧後のゴミ回収時、地域のお知らせに従って適切に処理をして廃棄する。
溢れてしまった場合は管理会社さんなどに連絡をして対処方法を仰ぎましょう。(きっと他のお部屋も同じなので、建物全体での対応が必要になると思われます。が、早い段階で連絡がつき、対応を迅速にしていただけるといいのですが、お時間がかかる可能性もあるかも知れません…。管理会社さんも被災しているでしょうし、お時間にもよりますよね)

*ちなみに余談ですが、当時住んでいた北海道のマンションの管理会社は、入居者の安否確認のほか、設備などの状況確認も何もないまま、お知らせのひとつも入らないような感じのところでした。建物や設備は、よかったので助かりましたけれどね。笑

ひとり暮らしで数日を耐え凌ぐための備え

都市部に暮らしているほど、多種多様な人がいて助けあえるし、インフラの整備(人を派遣する)拠点のアクセス確保がしやすそうという観点があり(代替ルートがある)、比較的「数日待てばどうにかなる」と思えるところもありますが、年始の能登のように、救援の届きにくい地域であったり都市部との交通が途絶えやすいような立地など、そんなに楽観的にしていられない地域があるとも思いますので、ご自身の暮らしの範囲で備えも変わってくるとは思いますが、最初から万全に!と思ってもなかなか進まなかったり、そのうち…と思っている間に時間が経っていくこともあると思いますので、こんなちょっとしたことからでも自分の助けになりますよという参考になればと思います。

「神戸では震災は起きない」という、謎の暗黙の安心感で「備え」の意識が日常になかったころ、被災当時は祖父母の家の外に置いてあった七輪に全壊した自分の家の廃材をくべて火を起こし、瓦礫の中から拾い上げた鍋で自分の家の畑から採ってきた野菜を茹でて食べたりしていました。
冷蔵庫の中身もお皿も全部飛び出して床に落ち、屋根の下敷きになって食べられるものは見つかりませんでしたから、畑があって助かったなと思いました。

避難先には震災翌日の夜から支援のおにぎりなどが届けられたものの、みんなトイレに行くのが嫌で飲み物や食べ物を控えたりもしていました。
その先、何日続くかもわからなくて我慢していたものの、長期化が見えそれどころではなくなりました。
当時は近くからの支援に本当に支えられましたが、近隣県も被災しているような東日本の規模で災害が起こるとそうもいきません。

読んでみれば「敢えて書くほどのもの?」と思う、当たり前のようなことでも、いざ!という時に「切らしてた!」「ない!」ということもありますので、日頃からの小さな意識を持ち続けることが大事な気もします。

ガッツリした対策はあらゆる防災のホームページなどに記載がありますので、ご自身にあったものでぜひ、今後に備えていただいて、お互いに無事に乗り越えましょう!という気持ちです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

企画・編集ディレクター、PRプランナー、商品企画・開発、広報支援、EC運営にカフェ経営、イベント企画進行などなど。あらゆることをやってきて身につけたアレコレ。投げ銭✨徳積み大歓迎です🌟いつもありがとうございます!