苦しんでくれますか？

拝啓 元カレの皆さん

楽しかったあのころはいつしかもう思い出せないほど月日が経ってしまいましたね。
私を楽しませ苦しめ傷つけた日々は私を大きく成長させてくれました。
皆さんには感謝しています。

まずはAくん
あなたと出会ったのは中学生の頃でした。
恋愛の「れ」の字も知らない私に人と付き合うということを教えてくれましたね。
放課後自転車を押しながらお互いに好きな音楽を聴きあい感想を言い合いながら家まで帰る。そんなことが楽しかった。
私に人を好きになることを教えてくれてありがとう。最期の言葉「女は好きじゃない」未だに衝撃的で、セクシャルマイノリティについて初めて触れたいい機会でした。ありがとう。

次にBくん
3年間楽しくそして大人になることを教えてくれた人でした。長く付き合うということを初めて経験させてくれましたね。喧嘩を沢山しても仲直りできるということを学びました。大切にしてくれてありがとう。あなたが大学生になり、大学生と高校生という心の距離と物理的距離。すれ違いが多くなりましたね。大学生というものは楽しかったですか？あの頃高校生の私には分からなかった楽しみがあったようですね。サークルの女の子とお泊まりをして何も無いと信じていた私が馬鹿でした。浮気というものを初めて経験させてくれてありがとう。人を疑うということを学びました。

最後にCくん
あなたとは1番長く一緒にいましたね。
あなたとの4年半はとても楽しいだけではなくて、恋愛はたくさん傷つくことを学びました。
元カノが大好きで、いつもどこか寂しそうなあなたとの4年半は私の心をえぐり続けました。
それでもあなたの言う「いつか結婚しよう」は私の心を蝕み依存させていきました。
大好きでした。愛していました。
最後の言葉は「お前との未来が見えない」でしたね。あんなに結婚しようと言ってくれていたのに。あなたとなら結婚できると思っていたのに。
失ったあとは心に穴が空いたようでした。
後に知りましたが、私と別れたあと、元カノさんとよりを戻したようですね。
元カノさんとお幸せに。今度は大切にしてあげてください。

なぜ今頃になってこんな手紙を書いているかと言うと、私は去年結婚したからです。
子供にも恵まれ、今や一児の母としても頑張っています。
私を1番に愛し、大切にしてくれる旦那さんの笑顔と抱っこが大好きで、日々大きく成長する息子の笑顔を見るために日々奮闘しています。

あの時私を傷つけ、独りにした人達。
私は今幸せです。
私の幸せな姿を見て少しでも苦しんでくれますように。小さな呪いをかけましょう。
あなた方がいつまでも健やかに過ごし、たまに思い出した時に心が少しズキっとする呪いを。

敬具