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雨が似合うね

雨がじゃかじゃか降ってきて、赤信号も路地の紫陽花も歪んで見えた 

大型ショッピングセンターに駆け込み、ちょうどお昼時だったのでフードコートで軽く食していこうと思った 時間帯とこの天候も相まってか、店内はそこそこの混雑具合 活気に満ちてむんっとした

その中に人目をひく妙齢の男女がいた 2人で向かい合い見つめ合い、1個のサーティーワンのカップアイスをつついていた そこだけ明らかに周囲と異なる時間軸で成立、まったりゆったり そしてうっとり

私の脳裏にまず思い浮かんだ言葉は「鈍感力」だった 平日昼間の混みあったフードコートで愛を語らうのはご自由にいいとして、2人で席を6つも占領するのはどうなんだ

この場合2人が同じ熱量で相手を思っていることが大前提である意味奇跡的ではある どっちかが冷静さを保っていればこの空間は生まれようがないだろう

恐れ多くて「椅子貸して」と誰も声を掛けられないほどに確立された二人だけの世界 君は雨が似合うねと言いながら、曇りガラスに「好き」って書いてよ 

実は羨ましいのか、やっかみなのか私 と今改めて考えてみたけど、いや全然羨ましくないわ 

もやもやとした季節にもやもやとした光景を目にした ナターシャ  

        

くすっとふふっとなれるような日記を、西から東、東から西へと毎日(ほぼ)やりとりしています  本日もぜひ少しの時間、のほほんしてってください かるえ&なたーしゃ