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きっぷ

ナターシャさん まさかそんな旅立ちだったとは当時思っておりませんでした あなたから不意に聞いたフランス行きの話はしかし準備万端だったかのような印象 

そっかしばらく手紙出せないわね、とかそんな軽い気持ちでお聞きした気がします 

導かれしは南仏だったのね たどりついたイエール 続編楽しみにしてます


先日、電車の切符を久しぶりに買いました 気晴らしの少し遠出 640円の切符 

あれこんな紙に印字されてそれで使えるんでしたっけ 履歴にもならずぺろっと落としても気づかない もう払い済みなのに

緊張と自由とが同時にやってきて不思議な気持ちになりました いえ すがすがしさ大なり緊張 やや優勢の自由度


つるつると引っ張り出される記憶 切符にまつわるエトセトラ


ご一緒したフランス旅行にて 先に帰る同行者にうっかりわたしと子どもの帰路の航空券を持たせてしまい、猛ダッシュで地下鉄のホームまで追いかけてぎりぎり間に合った興奮 早口のわたし横から小銭をねだる異国の女性さえぎる夫がチケットを取り出し受け取って見送るまでの早回し

地元の路線バスの乗車券 乗るとき引きぬいてうけとるそれはぺらっぺらの紙に判で押したような弱い紫の数字が打たれていて 握りしめながら上の運賃表がかわっていくのを必死に見つめて汗ばんだ手のひらで何度も小銭をかぞえた小学生のころ

家族4人分の当選賞品だったか母の知り合いが期間内に行けそうになくて、と譲ってくれたディズニーランドのチケット 嬉しくて広げて眺めた細長い紙 棚にひかれた薄い花模様の断熱シートの柄と一緒に思い出します 

大事なものをそのあたりに母がよく置いていたので 

なんの花かわからない薄い柄でした いつしかサンタからじゃなくなったクリスマスプレゼントもその柄とむすびついての記憶です いつもその辺りに本番を待つものが置かれている光景 期待とさみしさと楽しみと複雑に混じるほのかな記憶


昔はよかったと唱えるわけでなく便利バンザイなのですがやはり含みのストーリーがうまれるのは自ずと紙の方ですよねに一票

耳をすませばの図書貸し出しカードとかもう極まれり 電子化と個人情報保護の線上ではそもそも出会えないですものね 

若者にスマートな用意周到を凌駕する場面をぜひ なにかと不意打ちあたふたの世界ね 久しぶりに何気なくひらいた本から半券が出てきてよぎる追憶 となりにいる恋人には見せられない感情とかさ 

そういうの ぜひ所望 せつに


リッチリッチミルクのガリガリくんを買ってきたよといったらリッチミルクミルクだと訂正をうけました 知らん カルエ















くすっとふふっとなれるような日記を、西から東、東から西へと毎日(ほぼ)やりとりしています  本日もぜひ少しの時間、のほほんしてってください かるえ&なたーしゃ