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名盤紹介:スピッツ『ハチミツ』

 2021年3月25日にメジャーデビュー30周年を迎えたスピッツ。
 数々の大ヒット曲・名アルバムをリリースし、その存在は多くのアーティストに影響を与えた。近年では2017年にシングルコレクションをリリース、2019年には朝ドラ主題歌を手掛け、さらに若年層のリスナーにまで楽曲が浸透するなど、勢いはまったく衰えないどころかさらに増しているようにも感じる。
 そんなスピッツのオリジナルアルバムの中で最も売り上げが大きいのが1995年9月にリリースされた6th Album『ハチミツ』である。
 大ヒットシングル「ロビンソン」も収録されている作品で、累計約170万枚の売り上げを記録している。
 
 このアルバムが後世に与えた影響は凄まじく、2015年にはなんとこのアルバムの全収録曲(+「ロビンソン」のカップリングである「俺のすべて」も収録)をカバーしたトリビュートアルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』がリリースされ、ASIAN KUNG-FU GENERATION、クリープハイプ、10-FEET、赤い公園、9mm Parabellum Bulletなど錚々たる顔ぶれが参加した。
 影響を与えたのは音楽だけでなく、羽海野チカによる名作漫画「ハチミツとクローバー」のタイトルは、先生本人がCDショップでこの『ハチミツ』とスガシカオの1st Album『Clover』が並んでいるのを見たことに起因している。

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 ©羽海野チカ

 その縁あってか、2005年、06年に放送されたTVアニメ「ハチミツとクローバー」「ハチミツとクローバーⅡ」では両アーティストの楽曲が随所で使用されており、スピッツは2006年公開の実写映画「ハチミツとクローバー」に主題歌として「魔法のコトバ」を書き下ろしている。(スガシカオも同映画に嵐が歌う「アオゾラペダル」をエンディングテーマとして提供している。)

 タイトルだけかもしれないが、アルバム『ハチミツ』が持つエヴァ―グリーンな雰囲気は、漫画「ハチミツとクローバー」にも大いに通ずるものがあるように思う。

全体概要

 2015年のトリビュートアルバムリリースの際に公式に出されたライナーノーツにて、バンドのディレクターである竹内修氏は『ハチミツ』がレコーディングされた1995年のスピッツの状況をこう記している。

・バンドが技術的にも精神的にも飛躍的に成長しているタイミング。
・共同プロデューサー笹路正徳との作業も3作目で信頼関係バッチリ。
・前作『空の飛び方』がトップ20に入り、ライヴの動員も順調に増加。

『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』公式サイトより

 この頃のスピッツはいわゆる「ブレイク直前」のバンドという立ち位置だった。
 バンドは前アルバム『空の飛び方』の小ヒットやシングル「ロビンソン」のミリオンヒットなどの追い風も受けており、さらにその時点で求められる音楽性と自分たちが目指す音楽性のズレも最小限の状態であった。まさにアルバム大ヒットのための御膳立てがこれ以上ないくらい整っていたと言える。
 これは近年だとOfficial髭男dism『Traveler』やKing Gnu『CEREMONY』、あいみょん『瞬間的シックスセンス』などが同様のパターンであると考えられる。どのアーティストもそのアルバム発売の約1年前(前アルバム発売時)に注目を集め出し、その後リリースのシングルでヒットを飛ばし(「Pretender」「白日」「マリーゴールド」)、それらの楽曲も収録したうえで間違った方向に冒険をすることもなく、期待以上のホームランアルバムをリリースした。

 だが、これらは作品リリース時のヒットのメカニズムであり、アルバム『ハチミツ』がその後20年以上にわたって、J-POPのスタンダードとして君臨し続けている要因ではない。
 『ハチミツ』がスタンダードとなったのはその奥行きの広さにあると思い、この奥行きこそが『ハチミツ』をそして「スピッツ」というバンドを日本のスタンダードにしたのだと思う。
 スピッツ楽曲のパブリックイメージと言えば「爽やか」で「優しく」、「聴き心地が良い」などが挙げられるだろう。
 実際ジャケットでも、緑の草むらに白い花・赤い服を着た少女と、スピッツの持つ「爽やか」で「優しい」イメージが写真からも伝わってくる。
 このアルバムに入っている楽曲もたしかに表面上「爽やか」で「優しく」、「聴き心地が良い」。いわゆるシングル曲からアルバム曲まで「王道」の楽曲が揃っている。
 だが、聴いていくうちに歌詞への違和感などに気づくことがある。
 爽やかなのはもちろんわかるのだが、「え、それ怖くね?」ともなるし「何の喩えなんだ?」と気になることもある。
 これがどういうことなのか、を楽曲ごとに見ていく。

1.ハチミツ

 甘い!!出てくるワードとかサウンドとかもう全部が甘い!!!アルペジオの雰囲気なども含めてこれぞ「ザ・スピッツ」とも言えるナンバー。イントロのアルペジオもインパクトがあり、アルバムの先頭として長さが3分くらいなのもちょうどいい。
 甘いのだが、この曲の歌詞も不思議なものである。
 冒頭の歌詞こそわかりやすく、独りぼっちだった「主人公」が素敵な恋人である「君」に出会い恋に落ちていく様子がストレートに描かれている。

一人空しくビスケットの しけってる日々を経て
出会った君が初めての 心さらけ出せる

素敵な恋人 ハチミツ溶かしてゆく
こごえる仔犬を 暖めて

「ハチミツ」

 冒頭から1回目のサビ前半までは、現在進行形で恋愛を楽しんでいそうな雰囲気だが、サビの後半になると

懐かしい遊びが甦るのは
灯りの場所まで 綱渡りしたから

「ハチミツ」

 「懐かしい遊びが甦る」?こんなに楽しそうなのに急に「懐かしい」と過去を回想するようなワードが出てくる。
 一つの解釈なのだが、この楽曲に出てくる「主人公」と「君」はもうすでに別離しているのではないだろうか。
 この楽曲では主人公が1人だったところから「君」という素敵でおかしな恋人
(どうでもいいけど「ビスケット」「ハチミツ」というワードが出てくる歌詞で「おかしな恋人」とかけてくるの、何か良い。)
との日々を思い出している歌詞なのだと思った。
 「君」との日々は「灯りの場所まで綱渡りした」ようなスリリングで鮮烈なものだったのではないだろうか。
 でもそんな「君」はもういない。
 そんなストーリーが脳内で想起される。
 「懐かしい遊び」というワードをどう解釈するかによって、歌詞のストーリーが大きく変わっていくところが、「ハチミツ」のというか草野正宗の歌詞の面白さである。
 多分上記の解釈は間違っているのだと思うが、あくまで個人的な解釈として。
 
 余談だが、「ハチミツ」はTVアニメ「ハチミツとクローバー」の第1話で使用された楽曲でもあり、物語の舞台でもある「浜田山美術大学」のキャンパスの風景とビックリするくらいマッチしている。
 羽海野チカ信者である自分にとってこの曲は「ハチミツとクローバー」の世界に瞬時にトリップするための宝石のような楽曲でもある。

2.涙がキラリ☆

 シングルとしてアルバムリリースの約1ヶ月前にリリースされ、約98万枚を売り上げた。
 ライブで草野さんが演奏するイントロの高音ギターが好き。ギュインギュイン鳴っている。もっというとライブではこの部分以外、この楽曲内で草野さんはギターを弾かない。
 「つのだ☆ひろ」のように☆マークを使っており、可愛らしい雰囲気をタイトルが醸し出しているが、歌詞は結構怪しい匂いがプンプンする。
 なんせ隣に一緒にいることを

君の記憶の片隅に 居座ることを 今決めたから

「涙がキラリ☆」

と表現してしまっている。
 「居座る」って。「記憶の片隅に居座る」って普通に口に出したら、サイコなド変態野郎とも捉えられてしまう。
 あと草野さんが一人称でたまに使う「」(「トンガリ'95」「バニーガール」etc.)という言葉が、この曲では主人公の男性の強がっている様子が見え隠れしていて良いなと思った。

 個人的な話だが、初めてスピッツを観たライブの1曲目が「涙がキラリ☆」だった。
 崎山さんのカウントからのイントロの衝撃がいまだに忘れられない。
 大げさでも何でもなく「本物のスピッツ!!」と興奮した。
 「涙がキラリ☆」を聴くたびに今でもそのライブの熱狂を思い出す。

3.歩きだせ、クローバー

 イントロが若干この後にリリースされる「運命の人」(1997年)に似ている。
 「風」「青い」「クローバー」「入道雲」といったワードが使われており、広い草原で青空を眺める様子を思い浮かべることができる。
 しかしだ。しつこいようだが草野さんの比喩表現はやはりすごい。
 何?「戦闘機よりもあからさまな君の声」って。音も綺麗で心地良くなっていたところをいきなり爆撃されてしまったよ。というかそもそも戦闘機の音を聞いたことがない。
 「君の声」、どれくらい印象的なんだろう・・・。

4.ルナルナ

 ホーンセクションも使用されたポップナンバー。
 だが、この楽曲も「瞳のアナーキー」とか「羊の夜をビールで洗う」とか「みだらで甘い悪の歌」とか、おおよそ曲調に合っていない過激な歌詞が並ぶ。
 さらっと聴いていたらとても爽やかな楽曲なのに、でも歌詞に耳を傾けてみたら「ん?」と違和感を感じる。
  関ジャムでは「J-POPの皮を被ったド変態」と呼ばれていたが、ここまでの4曲だと、たしかにそう思わざるを得ない部分もある。
 草野さんの歌詞表現、やっぱりぶっ飛んでいる。  

5.愛のことば

 ちょっとエロスを感じさせる名曲。前曲までの陽な空気感をガラリと変える。
 ギターと一緒に絡むシンセサイザーの音が最高。プロデューサー兼アレンジャーの笹路正徳(「プリンセス・プリンセス」「ユニコーン」などを手掛けた大物プロデューサー。)の手腕が光っている。
 草野さんの歌詞はリスナーの想像力によっていくつもの解釈を可能にする言葉選びが特徴だが、この「愛のことば」にはまさにそれを象徴する一節がある。

昔あった国の映画で
一度観たような道を行く
なまぬるい風に吹かれて

「愛のことば」

 「昔あった国の映画」ということは今はない国ということだろうか?しかも映画ができたのはここ100年くらいの話なので、歴史的には結構最近なくなった国、と捉えることもできるにはできる。
 「昔あった」と「映画」という言葉が組み合わさったことによって途端にどこか非現実的なムードを創り出している。
 さらに「映画で一度観たような道を行く」というのは10人が聴いたら10人とも似ているようでバラバラな風景を思い浮かべるだろうが、現実上の様々な道を想像できる。
 そこは普通の道路かもしれないし、畦道かもしれない。はたまた何もない荒野や砂漠を想像するかもしれない。
 主人公は「愛のことば」を探しながら彷徨っているわけだが、現実なのか非現実なのか区別がつかないような場所を歩いているのだろうか。(ていうことは死・・・?)
 草野さんは歌詞に関する見解をインタビューなどでもほとんど話さないが(2019年10月15日放送のNHK「SONGS」では「歌詞の意味は種明かしをしたら意外とつまらないから言いたくない」と話す場面があった。)、草野さんはどのような思いでこの部分の歌詞を書いたのか、答えを見てみたいと思うときもある。

 (最近「進撃の巨人」の最終回に向けて急ピッチで漫画を読み進めていたのだが、漫画の世界観や状況とこの楽曲の世界観がどうもマッチしてしまう。なんとなくエレンやジークの心境、願いが歌詞とリンクしているような・・・。)

6.トンガリ'95

 このアルバムの中でもロック要素が圧倒的に強い楽曲で、ライブ披露回数も多く、「8823」や「恋する凡人」などと並びライブの盛り上げ曲としてよく披露される。
 イントロのギターからもうひたすらロックしている。ある意味この曲のギターはテツヤさんの「見た目」には一番合っている。
 色彩豊かで美しいのが草野さんの歌詞の特徴だが、この曲の歌詞はひたすら「とがっている」を連呼しているだけだ。あらゆるものをなぎ倒していく勇猛な楽曲。
 やっぱりロックだ。うん、ロックしている。
 

7.あじさい通り

 前曲「トンガリ'95」から空気がガラッと変わる。レコードでいうB面に移ったような感じ。
 イントロのシンセサイザーが怪しげな雰囲気を醸し出す。
 メロディ自体はノスタルジーを感じさせ、日本の梅雨の情景を想起させる。
 アウトロが長めにとってあることによって、次の「ロビンソン」への飢餓感を煽る効果があるようにも感じた。

8.ロビンソン

 名アルバムには名シングル曲ありというのが自分の持論なのだが、「ロビンソン」について異論を唱える人はかなり少数だろう。まさに不朽の名曲。YouTubeのMVの再生回数は90年代リリースにも関わらず1億回を突破している。
 イントロのアルペジオの発明感たるや。スピッツと言えばギターのアルペジオが印象的な楽曲が多いが、そのなかでもこのどこか憂いを帯びたアルペジオは、J-POP界の歴史的遺産と言っても過言ではないだろう。ギターのテツヤさんは、この曲のアルペジオがギタリストとしてのその後の自信につながったという。
 歌詞については2019年10月13日に放送された「関ジャム 完全燃SHOW」のスピッツ特集でも放送時間のかなりの部分を割いて出演者が「ロビンソン」の歌詞について独自の解釈を話していた。
 一般的に「ロビンソン」というと自分は「ロビンソン・クルーソー」を思真っ先に思い浮かべるのだが、この「ロビンソン」というタイトルは草野さんがバンコクへ旅行に行った際に訪れた「ロビンソン百貨店」がタイトルの由来とされている。
 タイトルと曲や歌詞は本来はまったく関係ないのだが、この楽曲のサビは

誰も触われない 二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る

「ロビンソン」

である。
 「誰も触れない二人だけの国」という1つのワードで「ロビンソン・クルーソー」や「無人島」を連想することもできる。

 自分はこの歌詞を見たときに、漫画「ドラえもん」の「ロビンソンクルーソーセット」(単行本第39巻収録)というエピソードを思い出した。
 のび太がしずかちゃんと2人になりたいがためにドラえもんの同名道具を借りてしずかちゃんと無人島へ行く、というストーリーなのだが、無人島でののび太としずかちゃんはまさに「誰も触れない二人だけの国」にいた。

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 旅先で見つけた「ロビンソン」という言葉から、ここまでの名曲を創り出すとは。
 余談だが、小説「ロビンソン・クルーソー」で主人公が助け出す捕虜の名前は「フライデー」だった。そして「トンガリ'95」の歌詞では「フライデー」というワードがどう考えても「金曜日」という解釈はできないような使われ方をしている。
 どういう相関関係があるのだろうか。

9.Y

 このアルバムの中では一番BPMが遅い楽曲である。
 アコースティックギターのバッキングが哀愁を感じさせる。優しいフォークナンバー。
 タイトルの「Y」の意味がどうしてもわからずググってしまった。
 調べていくと「道が分かれていくことを表す記号」「Y字路」など様々な解釈があるらしい。ただ本当のところはわからないらしい。
 間奏で使用されているオーボエとファゴットの旋律がThe BeatlesThe Fool On The Hill」の間奏のソプラノリコーダーを想起させる。

10.グラスホッパー

 サビの草野さんの高音ボーカルが素敵。
 そしてサビの歌詞は「愛のことば」の100倍直接的にエロティックである。
 だが、2番の歌詞は、

冷たくしてごめんね 抱き上げて愛撫する貧乏神照らす
桃の香りがして幸せ過ぎる窓から 投げ捨てたハイヒール
転がる石 蹴とばして 苦笑い
お茶を飲み 悶々となった気持ちは捨てないで

「グラスホッパー」

DVでもしているのか?と疑いたくなってしまう。
 「冷たくしてごめんね 抱き上げて愛撫する貧乏神照らす」の部分は特に(殴った後に優しくする、というのはDVの特徴でもある)。しかもその後ハイヒールを投げ捨ててしまっている。狂気の沙汰だ。
 色々と怖いですね。知らんけど。

11.君と暮らせたら

 ギターのアルペジオやテンポなどはM-1「ハチミツ」にも通ずる「ザ・スピッツ」と言えるポップナンバー。

緑のトンネル抜けて 朝の光に洗われるような
わずかな微笑みさえも 残らずみんな 分けあえるような
可愛い歳月を 君と暮らせたら

「君と暮らせたら」

 冒頭から「緑のトンネル抜けて」と、ここまでの流れを総括するような一節がある。個性あふれるアルバムの楽曲たちが「緑のトンネル」という言葉によって一気に線に繋がった。鮮やかすぎる。

最後に

 今回記事を書くために、歌詞カードを読みながらもう一度アルバムを曲順通り聴いた。そこで「グラスホッパー」の歌詞の異様さや「愛のことば」での解釈の幅広さなど様々なことに気づくことができた。
 歌詞の表面を辿れば、「君と暮らせたら」に出てくる「緑のトンネル」とは新緑の芽吹きなどを感じることのできる爽やかな道かもしれないが、読み込んでいくとその道は暗く青みがかった陰湿な道に思えるときだってあるだろう。

 アルバムジャケットがただの草むらと少女なのではなく、後ろに濁った沼のようなものが写っていることこそが、スピッツ楽曲の歌詞世界が爽やか一辺倒ではなく、もっとドロドロしたものである、ということの暗示なのかもしれない。

 『ハチミツ』はブレイクタイミングで売れまくった作品というだけでなく、リスナーにその後何十年もの間音楽の「深さ」を教えてくれた作品、であるとも言える。
 聴きようによって何通りもの景色が想起され、それは優しく爽やかなものから、グロテスクで歪んだものまで様々である。
 そして歌詞を深く読み込みたいと思わせてくれるのは、シンプルに「演奏が凄いから」である。演奏の凄さはこのアルバム発売から26年が経っても変わらずである。
 歌ではないのに口ずさみたくなるテツヤさんのギター、よく聴くととんでもなくうねったラインを弾いている田村さんのベース(そしてライブでは・・・)、それらの音を根底で支える崎山さんの正確無比なドラム。スピッツが草野さんのソロではなくバンドでないといけない理由は、この唯一無二の演奏によるものである。
 曲と演奏がすごいからリスナーはもっと奥まで潜り込みたくなるし、潜り込んだらまったく違う姿が見えてくる。
 『ハチミツ』はスピッツの音楽の面白さが詰まりに詰まりまくった作品である。

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新曲「紫の夜を越えて」

 メジャーデビュー30周年記念日である2021年3月25日には「NEWS23」のエンディングテーマでもある新曲「紫の夜を越えて」が配信リリースされた。
 もはや安心感すら感じるアルペジオのイントロから始まり、コロナ禍で悩まされる人々をどこか鼓舞してくれているような力強い歌詞が特徴的である。
 これからもスピッツはリスナーを驚かせ続けるのだろう。そう確信してしまうくらいの名曲だった。


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