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MUSIC STATION ウルトラSUPER LIVE 2020 簡単な感想

はじめに 

 前回の記事が8000文字とかになってしまったので、今回はもっと短く書けるように。
 2020年12月25日に放送された「MUSIC STATION ウルトラSUPER LIVE 2020」の感想を。
 自分は毎年、特に一人暮らしを始めてからは、この放送を観ながらだらだらと酒を飲む、というのが習慣化している。今年もこの放送中にスパークリングワインのボトル1本が空になった。それくらいMステスーパーライブというのは見ごたえのある番組なのである。
 なんせ紅白に出ないような大物の夢の競演(今年はミスチルも紅白に出るのでそうでもないが、2014年にはB'z、Mr.Children、X JAPAN、L'Arc~en~Ciel、SMAP、嵐の競演みたいなのがあった。)を見ることができたり、今年のヒット曲がある意味紅白よりも総ざらいできる、という超お得な側面もある。(今年の紅白はあとDISH//とKing Gnuは必要だったと思うな・・・)
 まあとりあえず、この番組は自分にとって年末の恒例行事であり、今年も例に漏れずリアタイ視聴である。

 早くも長くなりそうなので、ここからは印象に残ったアーティストと軽い感想を。



 いきものがかり「ブルーバード」

 アニメ「NARUTO -疾風伝-」のオープニングとしても有名で(もう12年前なのか・・・)、今年Spotifyの海外で最も再生された国内アーティストの楽曲で第4位となった曲であることから、海外でもとても認知されている曲であると言える楽曲である。
 個人的に気になったのは、年末の音楽番組でいきものがかりが軒並みこの曲を披露している、ということである。
 いきものがかりといえば、「ありがとう」、「YELL」、「風が吹いている」、「SAKURA」など歩く名曲製造機みたいなグループである。そしてタイアップシングルもとても多い。そのなかで実は意外にも「ブルーバード」以外にもアニメのタイアップを多く行ってきた。(「HANABI」、「流星ミラクル」、「青春ライン」、「ホタルノヒカリ」、「ハルウタ」、「熱情のスペクトラム」など。)「ブルーバード」の突出したイメージが強すぎることと、何曲かがベストアルバムにも収録されていないことからアニソンのイメージはそこまでなかったのかもしれない。
 しかし、年末のこの「ブルーバード」大量披露、国内・海外での共通したアニソンの再生回数の多さ、そして来年2月にリリースされるシングルが「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS」のタイアップであることを考えると、いきものがかりもテレビドラマなどからアニメの方へ軸足を移していくのかもしれない、という考えにいたる。
 再生回数から見るアーティスト戦略の変遷は、見てておもしろい。もちろん今のは妄想でしかないが。





また長くなってしまった。もっと端的に言いたいことだけを書いていく。






 小沢健二「強い気持ち・強い愛」

 小沢健二のパフォーマンス、特にテレビでのパフォーマンスは毎回圧倒される。そして毎回の出演がちゃんと特別なものとして存在している。(要は作品リリースにおけるプロモーションで完結していない点。)
 特に今回のパフォーマンスは何なのだ。歌詞がオリジナルデザインになっていたこともそうだが、偉大なる作曲家・筒美京平、そして盟友・東京スカパラダイスオーケストラのメンバーでもあった故・青木達之へ向けてのパフォーマンスは、1995年への回想だけでなく、しっかりと2021年以降に向けての力強いメッセージが込められていた。
 コーラスの部分のアレンジ、冒頭の「彗星」。どこをどう切り取ってもこの日、無観客の幕張メッセでしかできなかったパフォーマンス。テレビではこういうのを観たいのである。



 Superfly「覚醒」 

 映画「プロメア」の主題歌だが、まだ映画を観れていない。だがこの曲をテレビで聴いて、余計に映画の内容が気になった。早く観ないと。



 King Gnu「三文小説」 

 まだリリース前にどこかの居酒屋で流れているのを聴いたが、そのときは本当に女性が歌っているかと思った。本当に天井を知らないボーカルワークである。次のアルバムにもまた驚かされるのだろう。



 Billie Eilish「bad guy」

 今回最も楽しみにしていたアーティストの一組。何しろ18歳でグラミー賞3冠。プロデューサーやコライトもつけずに完全に兄妹だけで楽曲を制作している、など凄いポイントを挙げたらキリがない。
 タモリさんへの質問に関してはビリー発信なのか、Mステ側が言わせたのかはわからなかったが、少し寒いと思ってしまった。
 しかし肝心のパフォーマンス。兄フィニアスのアコースティックギターのみの伴奏で歌っており、その様子は兄妹でのプライベートな遊びを覗き見しているかのような感覚になった。いや、ラフすぎるのだが本当にすごいことである。遠く離れた日本で放映されていることなど、何にも気にすることなく、「これが日常よ、だから何?」とでも言いたげな凄み。飾らなさの極致。いずれにしても言えることは、海外やべー。(語彙力ゼロになるよ、そりゃ。)



 宮本浩次「First Love」


 この人が歌えば何でも宮本浩次、またはエレファントカシマシになる。それを体現していませんか、このパフォーマンス。
 あの宇多田ヒカルですよ。宇多田ヒカル、という唯一無二のオリジナリティのカバーでもアレンジと歌い方でここまで宮本節を出せてしまう。しかし、原曲にある哀愁は増幅させている。多くのシンガーがこの方の歌唱に畏怖の念を持っていることがとてもよくわかる圧倒的パフォーマンス。



 森七菜「スマイル」

 CMで聴いたときはカバー曲と思っていなかった。でもこの曲で本人はもちろんホフディランの名前まであらためて知れ渡るのだから、カバー曲ってやはり一定の影響力があるんだなあ。
 ホフディラン本人によるリアレンジが良い。そして森七菜の元気いっぱいな感じが見事に曲にマッチしている。この日のパフォーマンスも瑞々しさでいっぱい、という感じだろうか。



 星野源「うちで踊ろう」「化物」「恋」

 ここ2年は「おげんさんといっしょ」、「NHK紅白歌合戦」にしか音楽番組は出ていなかったので、Mステ自体が2018年の年末以来2年ぶり。
 3曲も披露とわかったときはどのような順番でどのようなアレンジでやるのか、といった妄想が広がった。
 そして本番。小沢健二と同じくらい、いやそれ以上かもしれない。この方もテレビでのパフォーマンスをしっかりと一つの芸術として届けていた。
 コロナという事象があったからこそ生まれた今年を象徴する楽曲「うちで踊ろう」、2013年のリリース時は病気などの影響でMステに出れなかった「化物」、自身最大のヒット曲であり、逃げ恥の再放送や新作放送などで再び注目される「恋」。これらを最高のつなぎ方で披露し、凄腕ミュージシャンによる今日だけのアレンジでの演奏(「恋」はストリングスなどがなくすべてその場にいる人の人力で演奏していたのが印象的だった。)を行った。
 しっかりと代名詞である「恋」を出し惜しみせずピークポイントでフル演奏したのもすごい。こういうスペシャルな番組で惜しげもなく過去のヒット曲(といっても4年前だけど。)を演奏してくれるのはとても好感が持てる。
 きっと多くの人がストリーミングの星野源のページに走っただろう。



 LiSA「紅蓮華」「炎」

 2曲を時間を分けてパフォーマンス。2020年といえば「鬼滅の刃」の年と言えるくらいのメガコンテンツの音楽面をほぼほぼ1人で背負う、外から見たらとんでもないプレッシャーにもなりそうなポジションにいるLiSAだが、この日も「鬼滅の刃」から2曲披露。
 「炎」の演出はまさに無観客だからこそできたアイデアとでも言うべきか。その場にいるお客さんではなく、100%お茶の間に全振りした演出。
 来年のビルボード年間ランキングTOP10にも入ることが確定しているような2曲だが、今後もどこまで広がっていくのだろうか。



 MISIA「THE GLORY DAY」

 曲自体は知らなかったが、もうなんか目と耳が幸せ。歌上手すぎ、バックのバンドアレンジえげつなさすぎ。こんなの文句のつけようがない。他に言うこともない。



 Mr.Children「Birthday」「Documentary film」

 この日の本命。5年ぶり出演のモンスターバンド。(しかも前回も12月25日に出演。)
 「映画ドラえもん のび太の新恐竜」の主題歌「Birthday」をついにテレ朝で初披露するなど、自分にとっては話題十分。
 他アーティストと比較するとびっくりするくらい「普通」という言葉が似合った。この日だけの特別な演出や大がかりな演出もなし。ただ純粋に、新アルバムの2曲を届けた。Mr.Childrenはテレビは基本的にプロモーション以外の意味をあまり見出さないアーティストなので、そういう意味では5年経とうがまったくブレていない、と言える。
 だからこそ、もしMr.Childrenがこの日の小沢健二や星野源、または2018年のNHK紅白歌合戦でのサザンオールスターズみたいなパフォーマンス(ユーミンやサブちゃんと絡んだアレ)をするときは来るのか。ないかもしれないが、そんなパフォーマンスも観てみたいものである。


 総じていえばコロナだからこそ全員を幕張に呼べない(星野源、久保田利伸、Mr.Children、嵐など多くのアーティストがテレ朝からの中継。)わけだが、それが功を奏したのか、様々な形態のパフォーマンスを堪能することができて、総じて楽しかった。
 普段のMステはたまにランキングやインタビュー映像ばかりになることもあるが、やはりこの番組の醍醐味はアーティスト本人によるパフォーマンスだよなー、と思った。

[追記]Spotifyでプレイリストを作成しました。


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