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袈裟固めの考察

 今日も今日とて柔術は楽しい。育児は幸せで大変で楽しい。

 今日は袈裟固めの話。


1.袈裟固め=スカーフホールドとは

 相手のファーサイド(遠い側)のマクラを取るのが袈裟固め。柔道出身のがたまに使います。

 まず、基本的に袈裟固めは使わない方がいいです。この形だと相手の上体と(肩と腰)を制することがむずかしいです。バックを取られやすいため脇を差した方がよいです。

 柔道は抑え込み一本がありますし、バックを取られても最悪カメになればいいので柔術やMMAより袈裟固めを使うシーンが増えます。

2.でもメリットもある

 基本的には使わない方がいい袈裟固め。しかし、袈裟固めから足で極めるアメリカーナ(下のリンク先の「あやかロック」)は強力です。その他、袈裟固めは肩固めのエントリーもできますし、パウンドも打てます。一応抑え込みの形ではあるので袈裟固め側が有利ではあります。

 首投げが得意な人がそのまま入れるのが袈裟固めです。

3.ポイント

 首に巻いた手(ヘッドロック)を頑張って絞めている白帯の人をよく見ます。しかし実は大事なのは実は首よりも手。相手の手前の手をしっかり引きましょう。肘が抜けるとバックを取られます。あと重心を前(相手の頭側)よりもなるべく後ろ(相手の腰側)にした方が相手の胸に体重がかかって抑えられます。

4.使い手について

 男子の重量級や女子のMMAで見る機会が多い気がします。重量級はトップ優位なので袈裟固めでもコントロールが強いです。女子のMMAで見るのは、女子MMAで強い人に柔道出身の人が多いからだと推測しています。柔道家は首投げが得意なのでその流れで取ることが多いのと、抑え込みがうまいので袈裟固めでもコントロールできるのでしょう

 中量級以下の男子ではMMAでも柔術でもほとんどみることはないです。

 あと忘れていたのがキッズ。キッズはよく袈裟固めします。

5.有効ではないけど練習は必要

 よくない形ではあるのですが試合の流れで袈裟固めになってしまうこともありますし、相手がやってきたときのエスケープのためにも最低限の練習は必要です。本気の袈裟固め、意外と抜けるの大変です。

6.まとめ 袈裟固めは本能の技、ロマン

 「袈裟固めは、良くない形だけど一応練習した方がいい」というのがまとめです。教科書的には袈裟固めは「正解」ではありません。それはそれとして個人的な感想を。

 キッズの試合や素人の喧嘩や経験の浅い人のスパーを見ると必ずやるのが「ヘッドロック、首投げ、袈裟固め」です。格闘技を教えてもらっていない人間が必ずやります。個人的に本能の技と呼んでます。人は相手をやっつけようとしたらヘッドロックして首投げして袈裟固めするようにDNAに刻み込まれているのでしょう。

本能の立ち技=ヘッドロック
本能の投げ=首投げ
本能の抑え込み=袈裟固め

 自分は使わないし、他人にも推奨しません。しかし個人的にヘッドロック、首投げ、袈裟固めで勝つのはカッコイイと思ってます。なんか好きです。「現代では不利とされている時代遅れな戦法で勝つ」みたいなところにロマンを感じます。

 とはいえ格闘”技”なので、本能のままに戦うより、合理的に効率的に相手を制する技術が「正解」です。トップレベルでは「正解」の積み重ねが大事だと思います。でも必ずしも正解を選んだから勝つとは限らないのが面白いところ。

 そんな感じで、ちょっと今日の練習では袈裟固め試してみませんか?

2024/4/24 アンディ

追伸。書き散らし

 素人の喧嘩は首投げになると書いたのですが、アメリカの喧嘩動画だとダブルレッグのタックルかましたりしてるんですよね。レスリング文化と柔道文化の違いなのか?アメリカ人のDNAにはタックルが刻み込まれているのか?アメリカの本能の投げはタックルなのか?

 そしたらモンゴルだったら素人の喧嘩でモンゴル相撲のやぐら投げ(タタフ)が出るのか?ロシアならロシアンタイからのザンギエフロール(リバースキムラからの変形横捨て身投げ的な技)を出すのか?各国の国民のDNAに刻み込まれた本能の投げがあるのか?  

・・・さすがにないか。アメリカの喧嘩動画のタックルも多分普通のレスリング経験者ですよね。いや、、、でも、、、もしかしたら、、、


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