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納得感のあるチーム会議の進め方とは?

前回の記事はこちら。

便利でとても効率的ではあるけれど、少数派の意見を切り捨てることになる多数決。
星野リゾートでは多数決をする機会がなかったなぁ、と振り返りました。

そこで、今回は多数決以外の意思決定方法を具体的な議論のケースでご紹介。
最後にあんでぃの経験上、議論を交わす上で準備しておきたいことを挙げていきます。

チェックアウトした後、どんなお見送りをされたいか??

突然ですが、質問です。
みなさんは、旅館をチェックアウトした際に、どんなお見送りをされたか、印象に残っていますか?


どうでしょう?
とても印象的なお見送りでない限り、なんとなくしか覚えていないのではないでしょうか。

先日の社内会議のことです。
『チェックアウトのお見送りをどこまでするか?』
というテーマで議論が繰り広げられました。

私達は以下2点で議論しました。

A お車までお荷物をお持ちし、お別れする
B お車までお荷物をお持ちした後、道路まで出て、車が見えなくなるまで手を振ってお見送りする

界 玉造の長年の歴史の中で、当たり前のようにBをしてきました。
雨が降ろうと槍が降ろうと、お車が見えなくなるまで、笑顔で両手で手をふり続ける。
しかしながら、
【Aでも顧客に気持ちを伝えることができるのでは?】
という問題提起でもありました。

チームごとに白熱した議論に…

今回の議論では、チームごとに分かれて議論を酌み交わしました。
チームは性別・年齢・職歴関係なく、ランダムに分けられたチームです。
開始とともに、自然とファシリテーターが決まり、各自の意見を聞いていきます。

(お客様は最後まで手を振って欲しいと思う)
(界の他の施設と合わせるべきでは?)
(車のところでお別れするのは何て言えばいいんだろう…)
(他の旅館では数人体制で手を振っている)

などなど、顧客視点、ブランディング観点、従業員視点、近隣競合など、様々な観点から意見がでてきました。
ある程度時間を取ったあと、各チー厶の代表者がまとめた意見をシェア。
全体のファシリテーターは、各チームの意見をさらにまとめて、次のチームへマイクを渡します。
他のチームも議論が白熱したことが伺えました。

ちなみに、私自身の意見はAです。
お車までお荷物をお運びし、気持ちを込めてこれからの旅程が良くなるようにとお声がけをする。
今まで行ってきたBに対して、満足される方や感動する方も一定数いらっしゃるかもしれません。
しかし、カーナビをゆっくり設定したい方には
(スタッフを待たせてしまって申し訳ない)
という気持ちにさせてしまいます。

今回の議論の時間の中では、あえて結論は出しませんでした。
担当者が意見をまとめて後日決定することに。

そう、ここでももちろん多数決は行われませんでした。
しかし、全メンバーが意思決定に自分の意見を伝えることができた、と納得感のある表情をしていました。

結果がどうなったかは、是非、界 玉造に確認しに来てください(ここで宣伝。笑)


議論をする際に準備しておきたいこと

最後に、以上のように議論を交わす際に、必要なもの・大切なものを列挙しておきます。参考までに。

・全体のファシリテーター
→議論のタイムキープ。各チームが活発に議論できるような投げかけ。

・各チームのファシリテーター
→みんなが公平に意見を出し合えるような働きかけ。

・チームのビジョンとコンセプト
→価値判断基準として必要な要素。チーム全体の目指すべき方向性に共通認識がないと議論がぶれてしまう。チームに浸透しているならばいいが、そうでなければ、毎回確認しておくべきと思う。

・ペルソナ(典型的な顧客像)
→それぞれのお客様でニーズは異なるため、特定の個人としての顧客イメージで議論を進めた方がぶれない。

・正解はやってみないとわからないという理解
→これが絶対の正解だ!というこだわりは対立を生んでしまう。「決まったら、みんなでとりあえずやってみよう」の精神は重要。

・心理的安全性
→いろんな意見があっていいという、多様性に対する理解。これが担保されなければ、声の大きい人の意見だけになってしまう。


以上、本日は多数決以外の意思決定方法と、議論をする際に準備しておきたいことをご紹介しました。
チーム全体でオペレーションを作り上げていきたい。
そんな思いを持つ方の参考になれば幸いです。

おもてなし産業をかっこよく
あんでぃでした。

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