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紙の船

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1989年を舞台とした小説・紙の船1-14まとめ
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#外国人

紙の舟 ep.13

翌日の夕方、江が出勤するのを待って昨日のことを訊いてみた。 「ごめんなさい。いけなかった…

andy
10か月前
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紙の舟 ep.12

電話を受けている先生は、お母さんの相談を聞き、その気持ちを肯定するようにハイハイと応えな…

andy
10か月前
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紙の舟 ep.11

何の準備も用意もしていない傍若無人な人間を客としてもてなしてくれるのは、主客が転倒した行…

andy
10か月前
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紙の舟 ep.6

だが日付も六月四日に移ってからの事態の急変は、それを伝えるニュースを見ていた僕には驚きだ…

andy
11か月前
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紙の舟 ep.5

単純な対話の連続が僕たちの会話だ。彼女のよく聞き取れないことに関しては紙に書いたが、僕の…

andy
11か月前
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紙の舟 ep.4

江小薇は、まずタバコの球数と、そこに表示されたカタカナをメモし、読み方を周りに教わりなが…

andy
11か月前
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紙の舟 ep.3

次の日、僕は事務所で事務員の甲さんに江小薇の話をした。 「中国の人に勤まるのですかね。中国人でしょうー。」 よりによって、パチンコのカウンターで働くとは、という顔をしている。 僕より八つ年上のこの女性は、在日朝鮮人だ。 常識人の彼女にとって、このパチンコ業界は従業員の無軌道な生き方に日常的に接していることから、非常に批判的である。 皆がそうではないのだが、個々の従業員の生活態度を見て、パチンコ業界に対するある種の偏見が植え付けられているといっても良い。 うちの店を含めて、この

紙の舟 ep.2

僕は名前を書いた紙に連絡先を入れてもらい、明日連絡する約束をした。 採用の可否は僕たちで…

andy
11か月前
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紙の舟 ep.1

一九八九年五月。 簡単な休憩を終えて、僕は三階から階段を駆け降り、パチンコ店の二階の事務…

andy
11か月前
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