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部活動の不公平性 – 東大阪市

公立学校では部活動を通じて差別的な教育が行われています。
理念上は、全ての生徒に対して公平でなければなりません。
しかし、実態は、運動部の生徒を差別的に優遇しています。


1.部活動補助金

(1)制度概要

東大阪市には「クラブ活動運営費補助金」制度があります。
市が、部活動に要する経費として、市立の中学校と高等学校に補助金を交付しています。
令和4年(2022年)度の当初予算額は27,560千円で、決算額は27,790千円でした。

東大阪市クラブ活動運営費補助金交付要綱


(2)支出の特徴

文化部にも支出していますが、大多数は運動部への支出です。
文化部では吹奏楽すいそうがく部が突出して支出が多いです。
全ての学校で上限額一杯まで使い切っています。
一部の学校のデータは次のとおりです。

令和4年度 石切中学校
令和4年度 高井田中学校
令和4年度 日新高校

全ての学校のデータは次のファイルのとおりです。


2.全国大会出場補助金

(1)制度概要

東大阪市には「全国大会等出場補助金」制度があります。
令和4年(2022年)度の当初予算額は4,480千円で決算額は1,756,900円でした。

東大阪市立学校全国大会及び近畿大会出場補助金交付要綱


(2)支出の特徴

令和4年度の交付件数は28件でした。このうち4件は英田あかだ中学校でした。
「第28回ジュニアフットボール大会」(東京都江戸川区)への出場が4校で、補助した合計金額は150千円でした。
交付を受けていない学校の数は多いです。 

第28回ジュニアフットボール大会

ポスターを見ると、この大会が素晴らしいように見えますが、ラグビー愛好者だけのための大会です。

全てのデータは次のファイルのとおりです。


3.考察

部活動のあり方は、公共機関で実施すること、学校教育であること、教育活動であることを考える必要があります。

上記の補助金制度には帰宅部と称される生徒へのメリットが何もありません
運動部や吹奏楽部にかたよっています。

部活動補助金の原資が税金であるにも関わらず、補助の上限額を使い切っているのですから、節約するという意識はありません。

補助金を受けた当事者は「やりたいから、やっているのだ」「既得権だから当たり前」という主張をするのだろうと思います。
合理的な意義はありません。

 世の中に100%の公平はあり得ませんが、ここまで不公平性が高くなると、
・そもそも部活動は何のためにあるのか、
・何を学習しようとしているのか、
・何故一部の生徒を優遇するのか、
という疑問がわいてきます。


吹奏楽部への補助額が大きすぎます。
ここまで本格的にカネをかけて実施する必要はありません。
多額の経費をかけるということは、イベントで吹奏楽部を使役するという大人の目論見もくろみがあると思います。

スポーツ業界からすれば、スポーツ競技の駒として活躍することを期待しているのではないかと思います。


からだはぐくむとか協調性の向上を目標にすべきであって、「ラグビー」自体の学習を目標にすべきではありません。

吹奏楽とかラグビーとかは手段です。この手段へのこだわりが強すぎて、学習目標が何であるのか見えてきません。

現状では、学習目標の達成ではなく、部活動をすること自体が目標になっていると感じます。
このため、高額な物品の購入をしてしまっているのです。

「他者との連携を学ぶ」などの学習目標を達成できれば良いと思うのですが、この学習目標を達成するためであるとしても、役所から補助金を受け取るほどの高額な学習手段(部活動)を用いることは不適切です。


これまでの部活動のあり方にこだわらず、一旦破壊した上で、そもそも学習目標が何であるのかを見極めながら適切な学習手段を制度設計すれば良いと思います。多くの生徒が関りを持てるように、部活動のあり方を根本的に設計し直すべきです。

選ばれし生徒だけを優遇するという学習手法(部活動)は不当です。
不公平な学校教育自体が教育的ではないのです。
上記の補助金制度は廃止すべきです。


4.(参考)他の地域

運動部の生徒への差別的な優遇は全国的に見受けられます。

以上

#学校教育 #部活動 #東大阪市 #吹奏楽部

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