見出し画像

【BIM担当者必見!】BIMをより便利に使えるアドオンツールをまとめてみた

はじめまして。ANDPAD ZEROの埜林(のばやし)です。
私は2023年にANDPADにジョインしました。ANDPAD ZERO noteでは初めて執筆となります!
今回のnoteでは、簡単に自己紹介させてもらったのち、建築BIMに用いられる「アドオン」と呼ばれるアプリケーションについてお話したいと思います。
特に、建設会社や設計事務所のBIM担当者の方々に便利なコンテンツを準備しましたので、ぜひ最後までご覧いただきたいです。


自己紹介

まずは自己紹介です。

私は大学で建築を学んだのちに、中堅ゼネコンにて就業していました。

ゼネコンでは、マンションなどの新築工事の施工管理業務に従事した後、現場から本社にうつり、BIM推進やDX推進を担当していました。それまでの現場での経験・知識を活かしながら、BIMを活用した施工検討や現場活用に向けた取り組みを行ってきました。

アンドパッドには、2023年9月にジョインしました。ちょうどその頃、アンドパッドではANDPAD BIM、ANDPAD 3Dスキャンを続けてリリース(β版)しており、良いタイミングで関わることができたなと思います。

ZEROでの私のミッションは、前職でのBIMに関する取り組み・企画の経験を活かし、お客様の「BIMを活用したいけど、メリットや効果を検証しづらい…」、「BIM推進が進み始めたけどリソースが足りていない」といった様々な課題をサポートすることで、顧客をベースにご相談数は昨年後半からどんどん増えています。
もしこの記事を読みながら「うちの会社も同じ悩みを持っている‥」という方がいれば、ぜひANDPAD ZEROまでご連絡ください。

BIMのアドオンについて

自己紹介はこのあたりにして、今回のnoteの本題である「BIMのアドオン」についてお話していきます。これまでのANDPAD ZERO noteでも、BIMに関する記事を多数公開していますので、ぜひ併せてご覧いただければ幸いです!


BIMの普及とアドオン

BIMが少しづつ普及していきている建築業界において、オーサリングツールとしてはRevitやArchiCADが多くのシェアを占めている、ということは多くの方が納得かと思います。他方、いざ実用するとなると、これら単体では使い勝手や活用の幅が限定されており、なかなか使いづらい‥ということも事実です。

例えば、施工BIMとして活用する際に「設計段階のBIMでは詳細度が足りない。施工検討に利用したい」というシーン。ほかにも「建具や住宅設備などについて、より詳細なデータをサクッと追加したい」というシーン。BIMを活用するとこうしたシーンがよくありますよね。そんな時に、活用されるのが、まさに今回紹介する「アドオン」というツールです。

使いたい用途、目的の違い、オーサリングツールとの相性特性などから、様々な「アドオン」が開発され、販売されているものの、昨今その種類は非常に多くなってきており、”乱立”しているといっても過言ではありません。

今回のnoteでは、そんな「アドオン」にフォーカスし、外販されているアドオンの中でもおすすめをピックアップし、その特徴をまとめてご紹介しようと思います。

BooT.one

一つ目にご紹介するのは、「BooT.one」というツールです。

応用技術株式会社 BooT.one

「BooT.one」は、建設コンサルティングや建設向けITソリューションを提供する応用技術株式会社が2019年に提供開始したアドオンです。

BooT.oneは、Revitを簡単に扱うためのアドオンとして、ファミリやテンプレート、ガイドライン、トレーニング&サポート、エクステンションが供えられており、これから始める方に向けたベースがそろっています。

基本的には建物のモデリングをサポートするために作られていたアドオンですが、現在では、仮設足場といったエクステンションも追加され、建物の施工計画の段階などにも利用できるツールになっています。

400種を超えるツール

Revitを使ったことがある方はご存じかもしれませんが、Revitを使いはじめた時に発生する問題として、「ファミリの不足や線種などの基本設定がわかりにくい」ということがあります。
そういったときに、この「BooT.one」ツールには、最低限のテンプレートが整備されているので、初期設定として活用しやすい、という特長があります。また、ファミリについても、ライブラリが豊富で扱いやすいという特長もあります。こうしたセットアップのフォローがあると安心して使い始められると思います。

一方、注意点としては、LOD400以上の施工図レベルの詳細度が求められる時は、ライブラリにあるものでは物足りなくなることもありますが、LODの高いファミリはメーカーの提供であったり、自作する必要があるので、個人的には標準搭載している必要はないかと思っています。
私も、前職から現在も利用しておりますが、リクエスト機能やサポートがあり、機能拡充されている様子を見てきているので、とても頼りにしています。

AReX-Style

「AReX-Style」は、BIMコンサルティングやBIMマネジメント、業務支援を行っている株式会社ビム・アーキテクツが提供する、Revit向けのアドオンです。

株式会社ビム・アーキテクツ AReX-Style

「AReX-Style」と製品名をひとくちに言っても、そのツールの中には、使用者別の複数の機能があり、設計から施工、維持管理といった建設ライフサイクル全体をサポートできるようなアドオンとなっています。利用者ごとに必要なパッケージ化されており、それぞれの分野に合わせた導入が可能となっています。また、併せて分野ごとにテンプレートも用意されているので、Revit導入初期の企業さんでも利用は問題なさそう、と考えています。

「Revit自体、コマンドが多くわかりにくいのに、さらにアドオンを導入するとさらにコマンドが増えてより分かりづらくなってしまう」という声も聞きます。。そういった方々にとっては、このアドオンでは、利用者別に機能がパッケージ化されているので、大量のコマンドが増えることもなく、わずらわしさが軽減されると思います。

Excelと連携が可能となっており、BIMの情報の部分も管理しやすくなっていることも特長です。BIM導入において、情報管理の部分で悩んでいる方も多いので、エクセルで管理できる仕様はありがたいと思います。
基本機能としては、1つ目にご紹介した「BooT.one」と重なる部分があるため、導入企業さんはこの2製品を比較検討し、自社にあったものを選定する必要がありそうです。

Lightning BIM

「Lightning BIM」は、建設DXを推進する株式会社 ARENTが2022年に提供をはじめたアドオンで、自動配筋とファミリ管理の2つのシリーズがあります。

株式会社ARENT Lightning BIM

自動配筋のアドオンは、一貫構造計算ソフトを元データとして、BIM環境でも鉄筋の描画ができるようにすることを目的として提供されているツールです。

Revit単体の鉄筋の機能として、部分毎の活用はできるものの、全体としての納まりが難しい場合や広範囲に鉄筋の描画が必要な場合などは、なかなか活用がしづらい、という側面があります。

このアドオンでは、構造設計段階の情報をもとにBIMデータ上に配筋することができ、「実際にこのままでは鉄筋が納まらない」といった場合において検討が可能になります。現場での複雑な鉄筋のおさまりを考えたり手戻ったりする時間を短縮できるのではないかと思います。

また、2D図面に慣れた現場では3Dデータがうまく活用されないことが多いですが、このアドオンでは、2D納まり図まで作成することができる点は現場活用まで考えられたシステムとなっていると感じます。懸念点としては、構造計算ソフトのデータからの連携のため、設計に変更があった場合に構造計算ソフトの最終のデータの更新が必要になる点は、よく確認が必要かもしれません。

BIMを社内に展開していく過程では、蓄積したファミリを部署を超えて活用していくことが想定されます。その際に、ファミリ管理のアドオンを利用することで、それまでに蓄積したファミリの横断的活用が可能になり、すでに該当のファミリがあるのに作成したり、違うファミリを使用してしまうなど、無駄な工数を削減できると思います。

ファミリをクラウドで一元管理できる、ファミリ管理

smartCON Planner

ここまではRevitのアドオンを紹介してきましたが、こちらからは、ArchiCADのアドオンとなります。「smartCON Planner」は、鹿島建設の子会社で、BIMのモデリングなどを請け負う株式会社グローバル BIMから販売されているアドオンです。

株式会社グローバルBIM smartCON Planner

「smartCON Planner」の立ち位置としては、モデリングのサポートというより、BIMの機能にない施工計画などのサポートのためのアドオンとなっています。クレーンの揚重計画を2D平面と断面でチェックするのには時間がかかる上、詳細な検討が難しい現状であるなか、このツールを導入することで、これらの施工計画の検討をサポートしてくれるため、非常に助かります。

操作性においても、手軽に操作できると評判で、ゼネコン複数社の意見を聞いても、この分野においてはこのアドオンが突出していると感じます。Revitをメインに扱っている企業さんでも施工計画だけはArchiCAD+smartCON Plannerで運用されている場合もあります。さらにsmartCON Planner Rという鉄筋作成のラインナップもあり、鉄筋の納まり検討が可能となり、さらに現場活用に向けたツールといえるでしょう。

施工検討を視覚化する機能群

BI For ArchiCAD

「BI For ArchiCAD」は建設系ソフトの開発や3Dモデルのサポート事業を展開するU’s Factoryが提供するアドオンです。

株式会社U's Factory BI for ArchiCAD

このツールは、従来のBIMモデリング・修正作業の工数を削減し、省人化・効率化のツールとなっています。BIM自体に業務効率化等のメリットはあるものの、BIMモデリングを作成するためには、多くの時間が必要となります。その根本的な課題を解決するために開発されたツールと言えます。

BIMソフトを使いやすく、効率化するだけのツールであれば、他のツールと大きくイメージは変わりませんが、4Dと言われる工程シミュレーションや5Dと言われる見積発注のシステムも組み込まれている点はこのツールならではのメリットといえます。
工程シミュレーションや施工ステップを作成する場合、一般的にはNavisWorksのような別ソフトが必要になりますが、BI for ArchiCADを使うことで、他のソフトとの連携を考えることなく扱えるのはBIMユーザーにとってもありがたいと思います。見積・発注に扱える点については、現場ごとの情報管理などもしっかり検討しながら運用することも重要にはなりますが、そうしたことをクリアしさえすれば初期導入時から現場業務の効率化まで幅広く功を奏すツールと言えるのではないでしょうか。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は、代表的なツールをピックアップしてご紹介しました。

私もゼネコン時代に様々なツールを試した経験がありますが、文字だけでは判断できない部分があります。売りにしている機能でも使いこなせなかったり、トライアルさせていただいて、触ったからこそわかる部分もあると思います。いちBIMユーザーとしての感覚の部分もありますが、各ルーツの比較検討に役立てば嬉しいです。

それでは今回はこの辺で、最後までお読みいただきありがとうございました!


この記事が参加している募集

仕事について話そう

転職体験記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?