アメリカでの英語教育

画像はfugusaka様よりいただきました。

前回、日本とアメリカの教育の違いは、英語、算数、情操教育にあるとお話させていただきました。

英語教育は表現力を身に着けるべき

我が家の子どもたち、日米2か国のカリキュラムを追っています。とはいえ、日本は国算だけですが。
後、生活において家庭内は日本語オンリーの環境となっています。
結果としては、子どもは英語メインとなってしまいました。
兄弟げんかも英語。息子の寝言も英語です。
もちろん社会が英語メインで動いているからというのもありますが、これが日本人学校に通っていたらアメリカで暮らしていても日本語になっているでしょう。
日本語に触れる機会はそんなに少なくないですが、学校の教育はそれほどの影響力があります。

本題ですが、英語教育の日米の違いはこちら。

日本の英語は、知識の習得のみ
アメリカの英語は表現力を重視している

もちろん、アメリカにおいての英語は母国語ですので日本よりも重きを置いて学習するのは当たり前ではあるのですが、
知識の習得をどう活用するかまで踏み込んで学ぶことができるといいですよね。
言い換えると、引き出しはあるのにどのタイミングで何を出さなければいけないかがわからない。
こちらで暮らしているとよくあるのですが、文法的には正しいはずなのに、通じないんですよね。
それは、伝えなければいけないことを適切な言葉、組み合わせで言わないから。
相手がこちらの言っていることを理解しようとするときに、この人は何が言いたいんだろうと考えると思うのですが、英語では言葉から読み解こうとする傾向がより顕著です。
日本語はそのあたり回り道をして説明する癖が強いので、直訳するとで伝わらないことがものすごくよくあります。

読解力をつけるための読書

皆さん、ビジネス書や小説など、ジャンルは問わないのですが日本語の本を読むことはできますか?
嫌いな人とかもいるかとは思いますが、苦行と思えばできないことはないのではないでしょうか。

これは、日本の教育課程で本を読むことを小さいころから行っているから、というのが根底にあります。
アメリカでも同じ、いや、それ以上でReadingの科目では本を読むことが宿題となります。

毎日の宿題
①20分以上、好きな本を読む
➁読んだ本についてまとめる

日本と違うのは、この➁まとめるということですかね。
下記のような内容をまとめさせられます。

  • タイトル、著者

  • 主人公は誰か、どんな場所か、時間は?などの基本情報

  • 読んだ話の要約

  • 読んだ内容で好きなところや面白いと感じたところ

などなど。

もちろんすべてを毎日網羅するわけではなく、最初はタイトル、著者を毎日記録していくことから、学年が上がるにつれて話を要約したり、感想をまとめることが求められます。
こんなことを毎日やっていたら、それは『相手が何が言いたいのか』を言葉からまとめる癖がつくなと実感します。
また、ストーリーの要約は結論を導き出すトレーニングですが、好きなところや面白いと感じたところを書くという設問が多いのはアメリカらしいですよね。
ちなみに一例でしかありませんが、こんなプリントにまとめています。


参照)https://www.pinterest.com/pin/252483122845507893/

こちらでは自分がどう感じたかを表現することを非常に重視します。
ただし、みんなで同じストーリーを読むわけではなく、好きな本、その子の進捗にあった本を読むため、
先生がその内容を添削することはあまりなく、継続して本を読んでまとめるということそのものが力になるという考えがありそうだと感じています。

作文を重視

こちらの英語のもう1つ重要な科目がWritingです。
そう、日本での作文になります。

日本はまだ作文はたくさん書きますか?

アメリカは、ものすごく書きます。
書くために自分のアイデアをまとめないといけないのですが、そのアイデアをブレイクダウンしていく方法を教えて文章を書く訓練をさせます。
Readingがインプットとして、毎日読書をさせるなら、こちらはアウトプットとして、考えをまとめて書かせる訓練をさせているという構造。

参照)https://www.superteacherworksheets.com/graphic-organizers/hamburger-writing_WBRDM.pdf

構造自体はシンプルですが、これを何年も継続して考え続けるのは想像するだけでぞっとしますね。
でも、アイデアを論点がバラバラにならないように文章にして誰かに伝えるという作業は、誰にでもできるわけではなく、このような積み重ねが大切なんだなと改めて実感。
ちなみに、子どもたちが通う日本人学校もこの作文能力を重視する傾向があり、毎週日本語での作文をお手伝いさせていただきました、ハイ。
ただ、このアメリカ式フレームワークを活用して、乗り切っています。

言語は表現できなければ意味がない

なんだか、当たり前のようでわかっていなかったのが、英語だろうが日本語だろうが、言葉は感情や状況を表現するための道具であるということ。
表現するためには、その道具の使い方をしっかりと教えてあげなければいけないことを理解していませんでした。
そう思うと、そもそも小学生は週1回の授業と学習量が少なすぎますが、日本の英語教育は質的にももう少し表現をするための方法を学ばせてあげたいところですね。
タイミングは別に日本語と並行して、1年生ごろからで遅すぎず早すぎずです。
ただし、軸は日本在住の場合は日本語にしてあげないと他の科目が日本語でできなくなってしまうので、気を付けてください。
我が家の娘は、英語のWritingは大好きですが、日本語の作文は本当に苦手です。そして、ほかの科目も英語だと大丈夫だけど、日本語で説明されるとよくわからないということが本当に頻繁に起こります。

日本語中心でほかの科目を学ばせる場合は国語が第一言語としてできなければいけない。
これが意外と見落としがちなので気を付けてくださいね。
英語は第二言語として習得することでも十分間に合います。毎日読書を少しでも継続的に行う訓練を是非してあげてください。

次回は、算数についてご紹介いたします。
なお、アメリカの生活についての日記は下記アメブロにて配信しております。ぜひご訪問ください!

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