価値観ダイバーシティの時代に必要な「スタイルマッチ」
2021年に創業した会社が今年の10月1日で3周年を迎え、4年目に突入します。3年目のシーズンは、これまでと比べて更に多くの人事・採用に関わる皆さんとお仕事をすることが出来ました。いつも一緒に活動して下さる皆さん、ありがとうございます。今回は、そんな日々で気がついたことや考えたこと、No Companyを経営する中で大事にしている価値観などを、何回かに分けて書いていこうと思います。
なぜ今、「スタイルがいきる社会」を目指したいのか
ちょうど1年前から「自分たちの存在意義や提供価値ってなんだろう?」と改めて考えることが多くなりました。創業3年目となった昨年は、会社を立ち上げた頃と比べると関わるステークホルダーの質や量に大きく変化があり、これまでは感覚で乗り切っていたことも、言語化をして再現性のある表現に落とさないと上手くいかなくなることが多くなってきました。
また、自分自身でも「この会社や事業を大きくしたい!」という想いが更に強まり、そこに向かうためにもビジョンである「スタイルがいきる社会へ」について再度突き詰めることが必要だと考えました。
最終的に行き着いたのは、スタイルとは人それぞれが持っている根本の価値観で、それを社会と接着していくことにより人のパワーを最大化したいということでした。
これは、自分のバックボーンであるストリートダンスやHIPHOPカルチャーの影響で「生まれた場所、育ってきた街、関わってきた人、食べてきたもの、着ている服などがみんな違うんだから、人それぞれの表現があって、自分ならではのスタイルが必ずあるはず」という考え方が元からあったのと、現代社会を俯瞰して見たときに、グローバル化、ダイバーシティ、アフターコロナでの変化などによって、様々なものが多様化し、構造的にもそれぞれのスタイルがいきやすい世の中に近づいていると思ったことが背景です。
一方で、言い方を変えると、それぞれに多様で多くの選択肢がある社会では、価値観を言語化して示すコミュニケーションができないことで、すれ違いが起きやすく「価値観の不一致」により生きにくいと感じる人も増えています。
だからこそ、自分が現代を生きるこのタイミングで、この課題解決に取り組みたいなと思いましたし、既に多くの皆さんとお仕事を共にする現在では、スタイルマッチが起きた後の変化や世界線もしっかりイメージが出来ているので、このムーブメントを更に拡大したいという意志が強くなりました。
《東京やパリ五輪でアーバンスポーツが採用され、スポーツの世界でも「スタイル」が多様化してきたと感じました》
スタイルマッチを社会実装するために必要なコト
スタイルがいきる社会を目指す難易度が高い理由の一つに「スタイルマッチの複雑性」があります。「スタイル」そのものは人それぞれであると説明しましたが、「スタイルマッチ」の場合は会社や学校などの社会的な環境に適応しなくてはなりません。
自分がストリートダンスやHIPHOPを通じて経験してきたことも、このバランス感覚が重要でした。自分のスタイルを表現しているだけなのか、それともその表現が社会的に受け入れられて評価されているのか、ここには雲泥の差があります。僕がダンスバトルに挑んでいた頃によく考えていたのは、自分が「かっこいい」と思う動きを取り入れたり、自分の価値観を表現することが軸にはなるが、それがジャッジや観客に伝わらないと意味がないですし、音楽には地域性やトレンドもあるので、いかにそれをキャッチアップし、自分のスタイルで他の人に勝てるムーブをするかということでした。
HIPHOPの歴史も似ていて、1970年代のマイノリティな若者たちの声やギャングの抗争が表現を変えて、現代のライフスタイルともなる文化になっているのは、それが社会的にも受け入れられてきた証明だと考えています。
No Companyでは、スタイルがいきる社会を目指す第一歩として、まずは人生の中で(マインドでもフィジカルでも)多くの割合を占める「はたらく」というシーンで、個々の価値観がいきるための「スタイルマッチ」を増やす活動をしています。
会社で働くという意味では、共通の目標(目的)を達成することを念頭に置いたスタイルマッチが必要です。
それは個人が自分が生きていくためのわがままを主張することや、会社の一方通行な命令では成立しません。企業は法人としての価値観を言語化して伝わるように発信し、個人は自分の価値観とマッチングする環境を選べるようになる必要があります。価値観が多様な、価値観ダイバーシティの時代だからこそ、企業で共通の目的を達成するためには、そこに一定の統一性が必要です。
それを実現するための初手として、No Companyでは多くのステークホルダーを有する大企業の採用・組織開発を中心とした事業展開や、学生団体や学校などとの連携を深めた活動を行なっています。この3年間で培ってきた経験と創り上げてきた基盤を活かしながら、これからもこのテーマに共感する皆さんと一緒に「スタイルがいきる社会」を目指していきたいです。
《中学校や大学での特別講義(授業)に参加したときの様子》
【予告】
次回は、スタイルマッチをどのように事業に落とし込んでいるのか、そこに行き着くまでの背景や経緯などを書いていきたいと考えています。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。