人的資本経営時代の採用に必要な「スタイルマッチ」とは?

今回は、2023年から本格化している、企業の人的資本経営とスタイルマッチについて書いてみようと思います。No Companyでも、人的資本経営を起点としたサービスをリリースしており、人的資本経営 × 採用マーケティングの領域で見えてきたこともあるので、お伝え出来る範囲でシェアしていきます。※企業が人的資本経営を促進する背景はこの記事の最下部で補足

人手不足を解決するための「スタイルマッチ」

スタイルマッチとは、価値基準での企業と働く人のマッチングです。ワークスタイルや仕事選びの価値観が多様化し、企業と人とのマッチングが複雑化している現代では、表面的な情報だけでなく、その企業で働く人の想いやストーリー、カルチャーなどの価値観=スタイルを表現できる情報が必要だと考えています。No Companyも「スタイルマッチで組織と人を変えていく」というミッションを掲げ、採用マーケティングの支援を行ってきました。ミッションについての詳細は、こちらのnoteをご覧ください。

人的資本経営で注目されている、企業の人に対する本気度(考え方)は、その企業の価値観を発信することに直結すると考えておりますし、情報を開示し、ストーリーを伝える企業が増えることで、スタイルマッチが更に促進されるとも考えています。

開示するだけでなく、共感される人的資本経営

今年No Companyは、企業の人的資本経営をコミュニケーション起点で支援するサービスをリリースしています。

このような、プレスリリース・ニュース記事を見て、お問合せをいただいた方々と話す中で、新たな人的資本経営のアクションも見えてきました。例えば、「有価証券報告書で情報を開示するが、それが従業員や採用候補者へは伝わらない」、「経営・人事メッセージが共感されるように背景やストーリーを発信したい」、「人的資本経営における人事の役割が分からない」といったお話です。様々なお話を伺う中で、共通しているのは「ストーリーを伝えたい」ということ。このテーマは、これまでにマーケティングやコミュニケーションを起点として、企業の採用を支援してきたNo Companyのアセットを活用し、何かアクションが出来そうな領域だと考えています。

開示・証明するだけではなく、ストーリを発信して共感してもらう

No Companyはスタイルマッチを加速するためにも、人的資本経営の文脈に限らず、経営や人事が強化している施策を、働く人(従業員、採用候補者)に発信し、共感してもらうための支援を促進していきます。開示・証明するだけではなく、ストーリーを発信して共感されるための施策を「人的資本コミュニケーション」と謳っています。具体的には、これまでに採用支援領域で強みとして発揮してきた、SNS・WEBメディアのデータ分析を、人的資本コミュニケーションにも用いることで、その企業で強化するべき施策や、ターゲットに伝わりやすいフォーマットを、並走しながら一緒に考えます。また、育休・産休制度のような個別領域の施策でも、社内浸透や対外的なPRが出来るように、企業の組織開発・採用担当者さんを支援します。

人的資本経営を起点とした、採用ブランディングや社内のインナーコミュニケーションについては、今後も企業の人事・採用担当者の方々と一緒に考えていきたいです。

補足:企業が「人的資本経営」を促進する背景

2022年8月に内閣官房・非財務情報可視化研究会より「人的資本可視化指針」が発表されました。これまで人的資本(人材が持つ技術、知識などの能力)や知識資本などの無形資産への投資は、短期的には企業の利益を下げるものとされてきました。しかし現在では、企業の価値や競争優位性を持続的に向上するために必要不可欠だと認識されるようになり、投資家からも長期的な利益の拡大につながる重要な要素として捉えられています。こうした背景から、金融庁が「人的資本」の開示義務化に関するルールを定め、有価証券報告書を発行する大手企業約4000社を対象に、2023年3月度の有価証券報告書から情報開示を義務付けました。有価証券報告書で開示が求められる情報は、「女性の管理職比率」や「男性育児休業取得率」、「男女間賃金格差」の3項目です。企業はこれらの情報を開示するとともに、自社の課題を洗い出し、社内の環境改善や人材育成に取り組むことが求められます。

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