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小さな物語。

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現実と想像が交差する、小さな世界を表現しています。
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短編小説は、自分の描く物語を重ねて読むと、ひとつの世界につながっていく。

短編小説は、自分の描く物語を重ねて読むと、ひとつの世界につながっていく。

読書感想文を書くことになった夏。

本は好きでよく読むけれど、小説のように長い話を最後まで読み続けるのが苦痛に感じてしまうこともある。であれば、短編を読めば良いのでは?と考えるのだが、そういうわけでもない。

短編の場合、(自分にとっては)唐突にストーリーが打ち切られ、次の章に移ると別の主人公が登場することに、小さな失望を感じてしまう。「あぁ、これからってところなのに、どうしてここで話が終わるのか

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僕は冷蔵庫を捨てた。その後。

僕は冷蔵庫を捨てた。その後。

GW初日に冷蔵庫をリサイクルに出した。

それから10日ほど経ったので、冷蔵庫のない生活がどういうものかを書いてみたいと思う。

ひと言でいうと、ほぼ何も変わりない。冷蔵庫があってもなくても、ほぼ同じ生活が続けられている。「ほぼ」というのは、若干の出来ないことが増えたという意味だ。

(下の画像は冷蔵庫があったときの様子。)

(次の画像は冷蔵庫が無くなった後の様子。)

例えば冷蔵・冷凍

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「一生もの」を信用しない。

「一生もの」を信用しない。

とても気に入った服だったり、値段の高い服だったり、希少価値の高い服だったりすると、それらを「一生もの」として、ずっと大切にすることが多いでしょうか。ものを使い続けて大切にすることは尊いことだとされますよね。でも、その考え方には、ちと疑問があります。

最近、こんなことを考えています。

手持ちの服を減らしに減らします。例えばシーズンごとに5着までしか持たないようにします。フランス人は10着

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僕は冷蔵庫を捨てた。

僕は冷蔵庫を捨てた。

いや、実際は「これから捨てようとしている。」の段階だが、自分の中ではもう捨ててしまっている。

冷蔵庫のリサイクルを無印良品で申し込んだ。良品週間後のため配送が混んでおり、引き取りは3週間後となったが、じゃあそれまでは冷蔵庫を惜しみなく使い倒してやろうと、オーケーストアに行って買ってきたのは以下の3種類だった。

・炭酸水(ウィルキンソン)
・アイスクリーム数種類(チョコバ

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小さなもの

小さな台所で、小さな珈琲を淹れている。

180cmある身長には不似合いだけど、僕は小さなものが好きだ。

何事も小さい方がいいと、少ない人生経験からでも、そう思う。

大きいって、もうそれだけで罪みたいなものだ。

180cmの僕は、罪に問われ、そして捕まった。

今日も小さな独房で、小さな珈琲を淹れている。

魔法の急須

愛用している急須を磨いていたら、煙がモクモクと出てきて、ひとりの老婆が現れた。

「うけけけ、ワシは西の魔女じゃ。お前に魔法をかけてやるわぁ。」

僕は恐怖のあまり、気を失ってしまった。
目が覚めると、手紙が残されていた。

「今から24時間以内に、10個までの持ち物を選ぶんじゃな。それ以外は全て消えてしまう魔法をかけてやったわぁ。うけけけ。」

ちょうど良い。僕は身軽になりたかったんだ。