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レース編み

レース編み(2006年)

レース編みを編んでみたいと思ったのは、雑誌で見たフェリシモさんのキットがとてもかわいかったからというのが理由でした。

キットを購入したのは確か、第一子(息子)ができる少し前でした。

息子ができて妊娠初期の頃、じっとしていると湧き上がってくる「塩味の揚げ物が食べたい。」という欲求と毎日付き合っていた私は、家からほど近いモスバーガーに立ち寄ってまずフライドポテトを買い、その足で、この辺りの街並みが見渡せる高台の神社に上がり、境内のベンチに座って景色を眺めながら(ポテトを食べながら)レース編みをする、ということが、いつのまにか日課になっていました。

そよそよと吹き抜ける風にあたりながら、緑に囲まれて編み物をする。これはきっと、とても胎教にいいはずだ(ポテトは食べてるけど)、となるべくのんびりと、日々、神社でレースを編んでいました。

しかしやってみると、外の自然光の中で編み物をするというのは、じわじわと目に負担があったということと、

明るい時間とはいえ、人影のない神社を背にずっと座っているというのは、「考えないぞ。考えないぞ。」と思えば思うほど、怪談的想像が勝手に膨らんでしまい、背中の辺りが寒くなることがしばしばだったということが、今では、レース編みを見ると頭に浮かぶ、懐かしい思い出になっています。

レース編みは、全部で4セット編みました。

編み上がったレースは、かごにかけて目隠しにしてみたり、置物の下にひいてみたり、箱にかけてほこりよけにしてみたり。インテリアに清楚なかわいらしさが加わって、とてもいい雰囲気で気に入っています。

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