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「883日」の経験

タイでの最終勤務を終え
無事、日本に帰ってきました。

ただいまー!日本。

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大好きなムーガタで、スタッフの子たちとの最後晩餐。


やっと想いを言葉にすることができ

気持ち的にも、少し落ち着いたので

忘れないうちに、振り返っていきたいと思います。

※長くなりますが、お付き合い下さい。


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初めてタイという地に、足を踏み入れて
あっという間の2年半でした。

初めて空港に降り立った時のげんなりするほどの湿度の高さ。


傘なんかさしたところで全く意味のないスコール。


道を歩くにも息を止めたくなるような
下水や生ゴミ、排気ガスの匂い。


ヒールなんて履いて歩けないほど
ボッコボコでガッタガタの歩道。


寛大なのか適当なのか分からないタイ人。


、、、言えばキリがないくらい
文句?がつらつらと出てきます。


そんなタイでの生活で、何を学べたのか。

そんなタイ生活で、何を得ることができたのか。

ここ数週間は、そればかり考えていました。

仕事のことは、もちろん。

私自身は、どうなんだろう?

少しでも成長することができたのかな。

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2018年5月25日

初めてのタイ王国。

これから始まる未知の世界に
ワクワクを抑えきれませんでした。

初めてスタッフの子たちと会って
「あ、タイ語の挨拶覚えて来くれば良かった」と反省。


いざ、仕事はスタートしたものの


「何をしたらいいんだろう?」

「とりあえず、LINEの登録をしよう!」

「POPは?広告は?フリーペーパーは?」


こんなレベルからのスタート。


リニューアルオープンのタイミングで
雇われ院長として、タイに来たのはいいけど、、、

想像していた状況とは少し違い、集客はほぼゼロから。

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「集客ってどうやってしたらいいの?」

「どんなキャンペーン内容?ターゲットは?」

「タイでの広告規制は?」

日本にいた頃は、考えたこともなく
本当に分からないことだらけでした。


予約数がゼロなんて日もありました。


もちろん、そんな状態で良いわけもなく

社長から求められることは、日に日に増します。



「何で集客できないんだと思う?」

「どんな問診であればリピートしてもらえる?」

「自分に足りなものは?それを補うためには?」



自分で考えて行動することの難しさ。

言われたことすら出来ない自分への不甲斐なさ。

なかなか、変わらない私に

「今変わらへんかったら、この先も変われへんで?」

と社長から愛のある言葉をいただいたこともありました。



自分には、何が足りないのか。

それを補うために何をしたらいいのか。

どんなプランで、どんな目標で、
いつまでに、どんな行動をしていくのか。

自分の不甲斐なさに悩み、落ち込む日々でした。


そして、そんな時、急遽決まった社長の帰国

「1人でどうしたらいいの?」

「困ったときは?誰に相談するの?」

漠然とした不安に襲われました。


ただ、この「社長の帰国」がきっかけで
やっと火がつきました。

「これ以上、心配や迷惑はかけるわけにはいけない」

「何としてでも目標を達成しないと!」


もう、本当に必死でした。


その結果、社長が帰国した月に

まさかの、、、目標達成を果たします。

本当に、本当に、嬉しくて
今でも、あの達成感を鮮明に覚えています。


ここで少し感覚が掴めたような気がします。


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そして、スタッフとの壁。

言葉はもちろんですが、、、
価値観、仕事への意欲や取り組み方


何かを頼めば「お給料くれますか?」と一言。

いや、いや、いや。
今日ずっと携帯つついてばっかりで
なんっにも仕事してないじゃん!!!?

それなのに、ちょっと仕事頼んだくらいで
給料の話?!どんな思考回路だよ!

と最初の頃は腹が立っていました。


あ、タイ人って、こんな感じなんだ。
もういいや。自分でしよ。タイ語も分からんし。

と向き合うこともせずに、早々に見てみないふり。

ただ、そんな状況で上手くいくはずもなく
スタッフとの関係性や育成にも悩む日々。

「日本だったら、普通だったら、、、」

が、どんどん蓄積されていきました。


でも、そもそも普通って何?誰の普通?

私の中で勝手に普通だと思っているだけで
スタッフの子たちにとっては、普通じゃない。

何も伝えられていないのに、察して!
なんて思う私のほうが、おかしかったんだ!


「私から距離を詰めてみよう!」

「とりあえず、私が動いてみよう!」

「どう動いて欲しいのか、示してみよう!」


こう思えるようになったくらいかな?



挨拶をしてくれるようになったり

私のつたないタイ語を理解しようとしたり

指示してないことも手伝ってくれたり。

そして、質問をしてくれるようになりました。
(これは、私の中でとても大きな進歩でした)



とにかく、怒らない!頼る!伝える!

私はスタッフの子たちと仕事をしていく上で
この3つを意識していたように思います。


少しずつ心を開いてくれている感覚。

仕方なく?雑務をしてくれる姿。

患者さんとスタッフの子の笑い声。

患者さんへの積極的な説明や対応。

(もうね、思い出しただけでうるっときます)

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チップ貯金で開催していた、食事会

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そして、私の中での仕事に対する
責任感、価値観、やり甲斐の変化が生まれました。


「このクリニックを良くしたい!」
「もっと色んな方に来て欲しい!」

という気持ちが芽生えましたが
「日本人は指導というポジション」

あくまで、施術者ではなく指導者。

どうしたら安心して施術を受けていただけるのか。

「タイ人スタッフは嫌!」という声が
出てきてしまったこともありました。


身体に直接、触れられるので
「安心感」「技術力」「コミニュケーション力」

色んなことを求められますよね。


ただ、やっぱりかわいいかわいい
私の大好きなスタッフたちなので
そんな言葉は聞きたくありません。

タイ人スタッフとの情報のシェア。

タイ人スタッフが対応した方への
最終チェックや声掛け。

タイ語や英語が話せない方向けに
翻訳指さしカードを作たことも。


少しでも「不安」を取り除けるよう
より良いものを作ろうと試行錯誤の日々でした。


そんな中でもスタッフの子たちの
日本語の上達するスピード。

これには、頭が上がりませんでした。


私の患者さんへの声掛けの仕方。

私が患者さんに説明していること。

これをしっかり聞いていてくれたんです。

その結果、、、

「ここのスタッフさん安心感あるよね」

「ここの子たち、みんないい子だよね」


そんな言葉をかけてもらえるようになりました。

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私の大好きなスタッフの子たち♡


もう、ほんっとうに嬉しかったです。

100%の意思疎通が出来なくても
伝わるものがあるんだな~と思うことができました。


「ここに来てよかった」と思って頂けるような
クリニックに一歩近付けたかなぁ~と。

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そして「満足度」について。

前職の頃から、口うるさく言われ
「分単価」という言葉が大っ嫌いでした。


なんで30分以上待ってもらって
施術時間が15分、20分なんだろう?

患者さんは満足しているのかな?


ただ「時間=満足度」じゃないんですね。


どれだけ「改善」することが出来るか

どれだけ「向き合う」ことが出来るか

どれだけ「信頼」してもらうことが出来るか


売上が悪いとスタッフのお給料も払えない。

売上が悪いと治療機だって買えない。

そもそも、売上が悪いと院の存続も出来ない。


こうなると、患者さんの「満足度」
上げることすら出来ない状況になってしまう

ということを、やっと理解することが出来ました。

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そして、日本ではなくタイという地で
コロナの時期を経験できたこと。

タイでは、2020年2月末から状況が変わり
有無を言わさずロックダウンしてしまいました。

このスピード感には、圧倒されました。


飲食店やタイマッサージ、デパート等が閉鎖。

いつもとは全く違うバンコクの雰囲気。

そして、ちゃんとルールを守るタイ人。


タイから見た、日本の対応力やスピード感。
(色々なしがらみがあるんでしょうが、、、)

日本を客観視できた事により
色々なことに気づけたのも事実です。

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2年半という時間をタイで過ごし

色んな経験をさせてもらえたことにより
私の中で「なりたい自分像の変化」がありました。

それが良いのか悪いのかは、まだ分かりません。


ただ、私が胸を張って言えることは
「タイという選択」を選んで本当に良かった。

もし、また同じ選択を与えられれば
きっと私は、迷わずタイ行きを選択すると思います。



色んな経験をさせてもらえたこと。

色んな考え方、価値観に触れられたこと。

日本では出会えなかった人たちと出会えたこと。

自分の未熟さを思い知ったこと。

そして、新たな夢が出来たこと。

全てが「学びの日々」でした。


ただ、私がタイでの2年半を
充実したものにすることが出来たのも

周りにいてくれた方々のおかげだと
心の底から感謝しかありません。


オーナーや社長をはじめ、スタッフの子たち。

日本にいる友人やタイでできた友人。

そして、直接会ったこともない私に
SNSを通じてたくさんの気付きをくださる先生方。

優しく暖かく見守ってくれている両親。

本当に、ありがとうございました。

私の経験したこと、感じたことが
誰かの「キッカケ」になればと思っています。

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またタイに行きタイなぁ〜、、、

またみんなに会いタイなぁ〜、、、


胸を張ってタイに行けるように
これからもチャレンジしていこう。

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