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今日のプチ解剖:伝導路について誤っているのはどれ?

こんにちは。かずひろ先生です。
今日も解剖学のプチ勉強をしていきましょう。

<鍼灸-1993-31>
問題8-80 誤っている組み合わせはどれか。
 1.錐体路 −− 内包
 2.嗅球 −− 大脳辺縁系
 3.脊髄視床路 −− 後索核
 4.視索 −− 外側膝状体





さて、こちらはどうでしょう。

【答え】

3.脊髄視床路 −− 後索核
  → 後索内側毛帯路
 −− 後索核


後索-内側毛帯路(識別性触圧覚 , 意識にのぼる深部感覚)
末梢→脊髄神経節→脊髄後索→延髄後索核→交叉し反対側の
内側毛帯を上行→視床→内包→頭頂葉 中心後回(体性感覚野)
外側脊髄視床路 (温痛覚)
末梢→脊髄神経節→脊髄後角→交叉し反対側の側索を上行→視床→内包→頭頂葉 中心後回(体性感覚野)

伝導路は苦手意識を持つ方が多いですが、難しく考えずに「電車の乗り継ぎ」と同じであると考えてください。

脊髄視床路と後索内側毛帯路は、始まりと終わりは共通です。
始まり:末梢感覚神経 → 脊髄神経節
終わり:視床 → 内包 → 中心後回

そして共通点のもうひとつは
2次ニューロンが交叉」です

2次ニューロンの起始は
脊髄視床路  :脊髄 後角 → 交叉し反対側の側索
後索内側毛帯路:延髄 後索核 → 毛帯交叉 → 反対側の内側毛帯

2次ニューロンが交叉するのですから、後索内側毛帯路の場合は同じ側の後索を上行します(交叉をまだしていない)

共通ルールを踏まえた上で、脊髄視床路と後索内側毛帯路をみてみると、記憶が容易になると思います。


その他の選択肢について。

1.錐体路 −− 内包

錐体路(随意運動
中心前回 → 内包 → 大脳脚 → 錐体交叉 → 側索 → 前角細胞

※ ゴロ:好いた色
中心全開 → 内股 → 大開脚 → 身体を交叉し → 即サック

2.嗅球 −− 大脳辺縁系 

大脳辺縁系
海馬、歯状回(原皮質)※ 記憶に関与
嗅球、扁桃体(古皮質)※ 生存に関わる本能
(食欲、性欲など)に関与

4.視索 −− 外側膝状体

視覚伝導路
視神経 → 視交叉 → 視索 → 外側膝状体 → 視放線 → 視覚野
※ 視交叉では網膜の鼻側半の線維が交叉(視野では耳側半)

■ まとめ

アナトミーブートキャンプ - 8.神経系©.085

勉強に妥協しない。解剖学を極めたい。
解剖は全ての医学の基礎だから

昔、私があん摩マッサージ指圧師の専門学校に入学したとき。
授業初日の日に、登戸にある鍼灸院に治療の見学に行きました。
当時、私の母が五十肩だったのです。私はオステオパシーのカウンターストレインに興味があり、鍼灸とオステオパシーで治療するその先生のところに母を連れて行き、治療を見学しました。
「あなた、治療がしたかったらまずは解剖学だよ。解剖学無しに治療なんてありえない」

そんなメッセージをいただき、在学中勉強をがんばりました。解剖学は特にがんばりました。

学生の時の自分自身が「あったらいいな」と思う資料。
それを作り続けています。


私の知識やスキルなどが、どこかの誰かのお役に立てることはとても嬉しいことです。ありがとうございます。