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愛するか、愛されるか。[前編]

起業家という道を経て、今は作家を夢見て執筆活動に明け暮れる橋本なずなです。

今日は仲の良い男友達・ユウキくんとご飯。
京橋にある私のお気に入りの焼き鳥屋さんを予約した。

「 『  カンパーイ!  』 」

ユウキくんに会うのは1ヵ月ぶりだろうか。
生ビールで喉の渇きを潤せば、近況報告も程々に私は本題を話しはじめる。

「 いやぁ、ちょっとさ…  今 爆モテ期なんすよ(笑) 」

近頃の “掴み” はこれで決まる。そう言うとみんな笑ってくれて、例に漏れずユウキくんも口に運んだ串のねぎまを吹き出しそうになっていた。

只今、私、人生二度目のモテ期でありまして。( 詳しくはこのnoteを読んで欲しい

現状で好きな人が1人、気になる人が2人、言い寄られている人が4人いる。
愛だ恋だと言う前に私は人と関わることが好きだから、パートナーシップに発展しなくても面白い人とは繋がっていたい。
そう思って、まずはどの男性とも食事に出掛けてみている。

「  ちなみに、その好きな人って。多分ユウキくんも知ってる人やで 」
『 えっ、誰? 』

ユウキくんが箸を持つ手を止める。

「 ユウキくんが紹介してくれた京都のお店の○○くん 」

『 えええっ、○○くん?なんで?? 』
『 俺、○○くんとは昔近所に住んでて。こんくらい小っちゃい頃からかな、知ってるで 』

そう言ってユウキくんは宙に小さい○○くんを作り出す。

『 って言っても、それ以降は特に関わりないけどな・・・○○くんの何が良いん? 』

それから私は彼について話しはじめた。
出会いは私の一目惚れであったこと、もう一度会いに行ったら連絡先を交換して食事に行くことになったこと。
彼女が居たこと、終電を逃して翌日まで一緒に居たこと、でも一線は超えていないこと。
それから最近もう一度会っていて、次も会おうと話をしていること。

「 彼が ET-KING が好きって言うからさ、それ以来ずっと「ギフト」聴いてんやからね 」
『  えー、ちゃんと好きやん(笑) 』

ユウキくんが悪戯っぽく笑う。
好きな人の好きな音楽をリピートして聴いてしまう程には、この恋心は半端ではない。

『 んー、でもズルズル行ってまいそうやなぁ… 今のままやと 』

確かにね、と冷めた相槌を打ったのはズルズル行きたくはないものの、急いで答えを出すこともしたくなかったからだ。

彼と夜を越した日、一緒に泣いてくれた何軒目かの居酒屋で『 今、彼女との関係を変えようとは考えていないです 』と言っていた。
その翌日別れる際に、私を一度抱き締めた彼は『 幸せでした 』と言った。

それでいて彼は私の本を読んで、“何もしない日” も過ごしてくれた。

考えれば考えるほど、彼の気持ちは分からない。

『 本気でなずなちゃんとの関係を考えて悩んでるのか、都合良く思われてるのか… 』

ユウキくんの放った言葉に喉がつっかえる。飲もうとしたハイボールが口の中で生ぬるくなっていく。
“都合の良い女” はもう嫌というほど演じてきた。
その舞台から私は降りた。
いくら好きな人が相手でも、今さらそんな女になるつもりはない。

『 ま、どちらにせよ男らしくはないわな、○○くん 』
「 まぁ…  確かに。男らしさとか見てへんかったけど言われてみればそうかもね 」

ユウキくんは “漢” と書くほうが似合うような男性で、同性相手には頼り甲斐があるかどうかを見ていると云う。
私も以前は男性に対して、頼もしさや男気なんて呼ばれるものを求めていた気がする。
それが変化したのは私の心と経済力と、社会的立場が成長したからだろうか。

男らしさ、それを問うならば私は一人の男の子のことが頭をよぎった。

後編に続く

● 併せて読みたい ●
足るを知る彼と、満たされない私 [前編]

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