穴匙文太

シングル・ライフをめっちゃ楽しんでる、今年還暦を迎える者です。とりあえず、思いつくまま…

穴匙文太

シングル・ライフをめっちゃ楽しんでる、今年還暦を迎える者です。とりあえず、思いつくまま書いてみます。

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マイ・ライフ・クロニクル

田舎者の僕が、こうして東京で生き残ってきたことをこれから振り返ってみます。 高校卒業後、地元で5年間サラリーマンをやっていたが、このまま時間を過ごしていくのは腹立たしく、音楽家になるつもりで23歳で上京。 生活のために様々な仕事を経験し、35歳頃には、音楽をきっぱりヤメ、ようやく社会人としての自覚を持って仕事に向き合えるようにはなったものの、それからもなかなか大変な状況の中、何とか乗り切れちゃって、気がつけば「俺って結構いい感じで幸せなんじゃないか」と思えるようになってき

    • 『ジュディ 虹の彼方に』レネー・セルウィガーの迫真の演技

      ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の両方で主演女優賞というのも全くうなずけるというもの。 ジュディ・ガーランド、その人が実際に出演しているとしか思えないような2時間弱を彼女とともに過ごすことになる。 何せ、レネー自身が歌って踊って演技しているのだけど、そんなことはもう忘れてしまうね。 『オズの魔法使い』は白黒の映像をTV画面で観たような記憶ぐらいしかないのだが、オズの国のパートはカラーだったようだ。 劇中歌「虹の彼方に」は、決して忘れることのない名曲で、その歌い手の

      • 『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』昭和ノスタルジーのように映るのは凱里が醸し出す光景なんだな

        日本では、ほとんど失われていったアート系の映画。 ATGの低予算でありながらアートを志向する作品の数々を、この映画を観ながらあの懐かしい感覚だけが蘇ってきた。 寺山修司の『草迷宮』『田園に死す』。 ATGではないけれど、押井守の大部分の作品、『スカイ・クロラ』『イノセンス』とか『紅い眼鏡』とか。 森田芳光の「ときめきに死す」「それから」等も想起させてくれる。 中国の凱里市という一地方出身のビー・ガン監督の作家色で彩られていく。 コロナウィルスが発生した武漢市のその先

        • 『スキャンダル』社会派アメリカ映画の底力を目の当たりにして圧巻です

          FOXニュースのセクハラ事件を映画化したものだが、このニュースも当時はあきれるやら驚くやらの話だったことを思い出す。 製作陣に『オースティン・パワーズ』のジェイ・ローチ監督、『マネーショート』の脚本家チャールズ・ランドルフ、そして主演メーガン・ケリー役のシャーリーズ・セロンも加わっている。 これくらい力が入りまくっているし、その成果も見事に結実したと言えよう。 アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞、カズ・ヒロの手腕の凄さを篤と味わえる。 メーガン・ケリ

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        • 『ジュディ 虹の彼方に』レネー・セルウィガーの迫真の演技

        • 『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』昭和ノスタルジーのように映るのは凱里が醸し出す光景なんだな

        • 『スキャンダル』社会派アメリカ映画の底力を目の当たりにして圧巻です

          『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』日テレの「ザ・世界仰天ニュース」でやってたアノ話か、と思い出したが、ちょっと奇妙な青春映画って感じで後味さわやか

          作家ローラ・アルバートの創作した、自身を「J・T・リロイ」という少年作家という設定にして出版したら、マドンナやウィノナ・ライダー、トム・ウェイツら有名セレブたちが大絶賛して大売れ。 そこで、実際にJ・T・リロイをメディア登場させる必要が出てきて、その役を自身の義理の妹サヴァンナ・クヌープに担わせて、映画まで製作したって内容を、サヴァンナの原作本を元に映画化したもの。 この時期に公開となったのは、やっぱりアカデミー助演女優賞のローラ・ダーンがローラ・アルバート役を演じているか

          『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』日テレの「ザ・世界仰天ニュース」でやってたアノ話か、と思い出したが、ちょっと奇妙な青春映画って感じで後味さわやか

          『ドミノ 復讐の咆哮』デ・パルマはもう若くないし、お金ないからハリウッドみたいには作れないよ という感じだったが そんなものなんだろうと諦めるか。

          ブライアン・デ・パルマの新作と聞いて、観ないわけにはいかないと思い鑑賞。 もう、何十年ぶりか? 今はシネマート新宿という名前になっているのだが、昔はたしか「新宿文化シネマ」だったはず。 そのなつかしい映画館に赴く。 正直な話、当時は「できることならここでは観たくない」クラスの映画館だったな。 今は、韓国映画や香港映画、その他、結構B級色が濃いめの映画をやっているではないか。 しかも、別の階にはアニメ専門のシアターがあってヲタクな面々が集っているではないか。 ここで、安

          『ドミノ 復讐の咆哮』デ・パルマはもう若くないし、お金ないからハリウッドみたいには作れないよ という感じだったが そんなものなんだろうと諦めるか。

          『1917 命をかけた伝令』圧倒的な臨場感で戦場を体感せよ

          サム・メンデス監督が祖父から聞いていた話が元になっているそうだ。 実際に祖父は、第一次世界大戦時にイギリス軍の西部戦線で伝令を務めていたそうなので、そういう話は、子どもの頃からいろいろと聞いていたのかもしれない。 サッカーのプレミアリーグで、毎年セレモニーが行われているリメンブランス・デーは1918年11月11日に第一次世界大戦終戦を迎えた記念日ということは聞いてはいたが、全く実感が沸かず、赤いポピーの花を身につけることの意味も良く知らなかったが、この映画であらためて戦争

          『1917 命をかけた伝令』圧倒的な臨場感で戦場を体感せよ

          『グッドライアー 偽りのゲーム』名優とはズバリ、グッドライアーである

          ヘレン・ミレンとイアン・マッケランの2人の名優の演技にただ酔いしれる。 そんな映画ですね。 高齢のお二人が丁々発止のアクションもこなしている。 それも、演技力の成せる技なんだろう。 イアン・マッケランは『X-MEN』のマグニートー等で印象深い、あのじめっとした粘着性のあるえげつなさが今回も期待通りに発揮されている。 対する、ヘレン・ミレンのほうは何ともチャーミングで魅力的だ。 原作がニコラス・サールの「老いたる詐欺師」ということで、こちらも読んでみたくなってくるが、映

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          『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』鉄板の謎解きドラマの新機軸やぁ

          アガサ・クリスティでおなじみのストーリーなんだろなと思っていただいて結構。 大人な貴方ならめっちゃ楽しめるが、子どもが観ても大丈夫。 だって、TVドラマのほうがもっとグロいのやってんだから問題ないでしょ。 ダニエル・クレイグの軽妙洒脱な名探偵ぶりが面白い。 ドン・ジョンソンの女にだらしない感じがピッタリはまってて超いい感じ。 マイケル・シャノンのいかにもそれなメイクが笑える。 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも出演の、今注目のアナ・デ・アルマスの特異体質ととも

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          『テリー・ギリアムのドン・キホーテ 』まるで、モンティ・パイソンが蘇って来たかのようだ

          はっきり言おう。 傑作とはこういうものだ。 バカバカしいことを常識の枠を遙かに超えたスケールでやってしまえるのは、さすがというしかない。 常識の枠を遙かに超えすぎて、楽しめないという人もいるだろうが、だとしても、僕にできることと言えば「そう、残念だったね」と心の全くこもってない慰めの言葉をかけることぐらいだろう。 だから、マイケル・ムーアが言うところの「アホでマヌケなアメリカ白人」には理解できなくても仕方無いことなんだろうな。 スター・ウォーズ観る前に観ると最高かも。

          『テリー・ギリアムのドン・キホーテ 』まるで、モンティ・パイソンが蘇って来たかのようだ

          『リチャード・ジュエル』イーストウッド監督の新作は、まだまだイケてる

          1996年7月27日に発生したアトランタ五輪での爆発事件については記憶の端に残っているが、今までこのひどいマスコミの報道被害について取り上げられる頻度はそれほど高くなかっただろう。 真犯人が2003年に逮捕されて終身刑になったとか、FBIからリークされた情報を基にスクープした報道各社を名誉毀損の提訴から和解に至っている事情なども絡んでいるのだろうか。 ここんところのイーストウッド作品は実録物が続いているが、やっと本領発揮といったところか。 キャストもみんな素晴らしい。

          『リチャード・ジュエル』イーストウッド監督の新作は、まだまだイケてる

          『ジョジョ・ラビット』投票権があればアカデミー作品賞に1票入れます

          ナチス・ドイツが終焉を迎えようとしている頃が舞台。 でも、戦時中の不条理さよりも、10歳の少年がそのような情勢の中で成長していく様子を軸に捉えているところが独自性の高さとなっている。 主人公の10歳のジョジョには、心の友、アドルフがいつもいて、いろいろと励まし導いてくれているのだが、実際はなかなか理想的にはいかない。 ヒトラー・ユーゲントでは、最年少者で臆病者のジョジョはからかわれ、いじめられている。 主人公の母がこっそり自宅の屋根裏にかくまっているユダヤ人の19歳の少

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          『マザーレス・ブルックリン』 エドワード・ノートンの積年の想いがこもった珠玉の作品。これを観ないなんてもったいない。

          賞レースにほぼ関係なく、日本国内ではCMなども見られず、上映館も限られているがれっきとしたワーナー・ブラザーズ配給のメジャーな作品。 監督・脚本・製作・主演がエドワード・ノートンという思い入れたっぷりの作品というだけでも興味深いが、キャストにボビー・カナヴェイルとマイケル・ケネス・ウィリアムスという『ボードウォーク・エンパイア』で強烈な印象を残した2人も名を連ねているところなどから、これを見逃すことは出来ないなと判断し鑑賞。 ジョナサン・レサムの小説は、前にどこかの書店で

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          『パラサイト 半地下の家族』傑作だけど好きになれない、忘れられないかもしれない映画...言葉が見つからない

          圧倒的な支持率で高評価を得ている話題作なので、観るべくして観た。 韓国の映画は超久しぶりだ。 正直、率直に感想を述べるには苦しいものがある。 傑作だし、面白いし、スリリングかつミステリアスな要素のあるブラックなコメディだ。 自分自身の原体験にもリンクしてくる部分があって厭な感じも否めない。 決して甘くない、心して、覚悟を決めて観ろ と突きつけられてくる。 自分はどちら側なのかと、自覚を迫られるようでもある。 この半地下の家に暮らす家族は、あきれるほどに考えが甘い。 そ

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          『フォードvsフェラーリ』僕らが本当に観たかったカーレース映画がこれだ

          事実を基にしたフィクションなんだそうだが、リアルにしか感じないくらいに見事な出来。 フォードが何故にフェラーリに挑んだのか、事実についてはウィキペディア等に詳しく載っているので参考にしてほしい。 僕らが子供の頃に観ていて憧れていたカーレースの物語が、まるで走馬灯でも見ているかのように展開されていく。 職人気質のイギリス人レーサー、ケン・マイルズの人間臭さが何とも魅力にあふれている。 『バイス』で18kg増やして、本作でギュッと絞りまくってきたクリスチャン・ベイルもまた、

          『フォードvsフェラーリ』僕らが本当に観たかったカーレース映画がこれだ

          『THE UPSIDE/最強のふたり』ともかく最強にほっこりできます。

          元々は2011年公開の実話を元にしたフランス映画。 そのハリウッド・リメイクなのだが、事はそう単純ではなく、幾多の紆余曲折があって世に出たものらしい。 何せ、当初、映画化権を所有していたのは極悪セクハラ脅迫・スキャンダルで失墜したワインスタイン・カンパニーだったのだからね。 数々の名作を送り出してきた敏腕プロデューサーがこんな奴だったなんて、というショック。 それから、amazon originalとして『THE UPSIDE/人生の動かし方』というタイトルで配信され、

          『THE UPSIDE/最強のふたり』ともかく最強にほっこりできます。