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法律から見る東近江市長の発言。

そもそも「教育機会確保法」を知らないという問題。

東近江市長の会見を聴いて、そもそも「教育機会確保法」が守られてないと思いました。守る以前の問題で、ご存知ないのだなと。

これは、東近江市長だけではありません。全国の学校・自治体がそうです。
私のような不登校の保護者の立場のものが、学校や教育委員会に教育機会確保法とCOCOLOプランをご存知ですか?って聞くとご存知ない方が多すぎる。
均等法と混同されがちだし。
不登校対策を話し合う行政の人たちがこれらを知らないって何なんでしょう?

説明しても、なんだか気持ち悪さが残る。
分かってないなー、分かってるつもりだなこの人・・・みたいな。パフォーマンスっぽい人とか。
こんなの不登校の親が先生に教えることじゃないのに。

心底分かろうとして下さる先生もいらっしゃるけど、少数派です。



教育機会確保法を知った上で話をすべき

先生が多く集まるコミュニティで、今回の東近江市長の発言をテーマに意見交換をしました。
皆さんのお話しを聴いていたら、私、全然言葉が出なくて・・・
市長さんもですが、そもそものベースがあるかないかで対話が成り立たない感じがしたのでした。

一応知ってても、あまりピンときてないということも。
「そうは言ってもそれでいいの?」
「甘やかしてる方がいいんならそれでいいんじゃない?」
と思われてたり・・・

現実は多分そんな次元だろうと思っています。

今回の発言で、この法が守られていない部分を考えてみる

■市長は知っておく必要があったはず

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について(通知)↓

都道府県・指定都市教育委員会教育長におかれては所管の学校,域内の市区町村教育委員会教育長及び市町村長に対して,都道府県知事におかれては所轄の私立学校及び学校法人に対して,国立大学法人学長におかれては設置する附属学校に対して,構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては認可した学校に対して,周知方お願いいたします。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の
機会の確保等に関する法律の公布について(通知)
28文科初第1271号 平成28年12月22日

■保護者を追い詰めることのないよう配慮が必要なはず

「不登校の大半は親の責任」「親しか子どもを学校に行かせられない」
うーん・・・

不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして 捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮し、児童生 徒の最善の利益を最優先に支援を行うことが重要である。 不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童生徒 の状況に応じた必要な支援が行われることが求められるが、支援に際しては、登 校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉 えて、社会的に自立することを目指す必要がある。なお、これらの支援は、不登 校児童生徒の意思を十分に尊重しつつ行うこととし、当該児童生徒や保護者を追 い詰めることのないよう配慮しなければならない。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/__icsFiles/afieldfile/2017/04/17/1384371_1.pdf義務教育の段階における普通教育に 相当する教育の機会の確保等に関する 基本指針
平成29年3月31日 文部科学省


■学校以外の場における学習活動の状況等の継続的な把握が必要なはず

学校以外の場を全否定されているし、フリースクールが市にあるのかもご存知ない状況でしたね。

第十二条
国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う学習活動の状況、不登校児童生徒の心身の状況その他の不登校児童生徒の状況を継続的に把握するために必要な措置を講ずるものとする。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm#:~:text=%E7%AC%AC%E5%8D%81%E4%B8%89%E6%9D%A1%20%E5%9B%BD,%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E8%80%85%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82%EF%BC%89別添3 
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律
(平成28年法律第105号)


■必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずる必要があるはず

何もご存知ないので、必要な情報提供もできない状態・・・
ということになります。

(学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援)
第十三条
国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、当該不登校児童生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、当該不登校児童生徒及びその保護者(学校教育法第十六条に規定する保護者をいう。)に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとする。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm#:~:text=%E7%AC%AC%E5%8D%81%E4%B8%89%E6%9D%A1%20%E5%9B%BD,%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E8%80%85%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82%EF%BC%89別添3 
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律
(平成28年法律第105号)
実態の把握ができていない

■実態の把握が必要なはず

フリースクールがあることもご存知なかったし、「楽したいからフリースクールに流れる」と思っているうちは、実態が何も把握できてないってことですよね。

(調査研究等)
第十六条
国は、義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の実態の把握に努めるとともに、その者の学習活動に対する支援の方法に関する調査研究並びにこれに関する情報の収集、整理、分析及び提供を行うものとする。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm#:~:text=%E7%AC%AC%E5%8D%81%E4%B8%89%E6%9D%A1%20%E5%9B%BD,%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E8%80%85%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82%EF%BC%89別添3 
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律
(平成28年法律第105号)

不登校になったらフリースクール?

今回はフリースクールが取沙汰されていますが、不登校の子の多くは学校にもフリースクールにもいかない子が多いのが現状です。
私も子どもが不登校になった時、学校に行けないのなら代わりになる居場所を・・・と思ったものです。
でも、そういうことじゃなかったと徐々に分かっていく訳で、こうしてここにツラツラとそこんところを書いている訳です。

家で過ごしている子どもは、不登校者数の6割以上?

うちの市の教育会議の議事録をもとに、私が想定する割合について考えてみました。

広島発祥のスペシャルサポートルームを強調される安芸高田市長。
家で過ごす子どもたちについて支援までとはいかなくても、考えてみて欲しいと感じている人は多いと思いました。
居場所作りに一生懸命になるあまり見えていない部分。

教育機会確保法検索したら素敵なサイトを発見

https://nextstage-education.my.canva.site


「生きる!」
がバーンと最初にくるところに、私の中では感動の嵐です。

不登校を考えるって、「とにかく生きる」ということなんですね。
命あってこそなんです。

あと、民間と協力できてる自治体名も載っていていました。

私自身、民間と協力出来てる自治体ってどこがあるんだ?
と調べてましたが、大変な上になかなか無くて・・・
無さすぎるっ・・・

自分の自治体でもなかなか対話が成り立たないのは、そういうことかもしれないと、市長発言&今回参加した意見交換会から気付きがありました。

法律なのに、なんで無視できるのだろうか?
と思ってしまうのです。

新たな視点の入口

自治体が不登校の親の体験から知れることは、ホントはあるはずなのに、隔たりがあることを前から痛感していました。
そして、今回の意見交換会でも似たようなものを感じました。
もちろん、子どもが不登校じゃないとどうしても分からない感覚はあります。
例えば、自転車に乗れる乗れない的な分からなさかもしれない。

つまり、新たな視点を得るエッセンスがあるという意味で、不登校の親が見ている視点を先生方に知っていただきたいなと思ったのでした。
結構面白い視点だと思うから、私は探求しています

教育機会確保法を知って、こういう場で対話をしたら、また全然違うかもしれないです。
私の場合、「子どもが生きるか死ぬか」ってことがあったから見えることができた視点ですから。

でもわざわざそうならなくとも(私は大怪我したけど、みなさんは練習で転ばずに自転車に乗れた的な)、学校や行政の方々がその視点を得られたら、不登校云々関係なしに、それってこれからの学校に必要なエッセンスになるだろうになー、と思ったのでした。

なぜ、教育機会確保法ができたのか・・・
多分これは「生きる」ためのメッセージ。
教育機会と謳っているけど、「生きる」ことが大前提の法律だと思っています。

ちなみに、あの市長さんは教育機会確保法になかなかピンと来ないだろうなーと想像します。

学校・行政の方々も、もし教育機会確保法を読まれて
「ピンと来ないなー」「そうは言うても」「分からなくはないけど」
と思われた方は、新たな視点に気付けてないってことに、まず気付いてみていただければと思います


ありがとうございました。

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