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東京生活。(6年目)

今日はポルノグラフィティのお陰で筆が乗りますね。

ポルノグラフィティの歌詞をどれだけの人が知っているかは知らないが、
かなり東京の話題が出てくるのだけど今もなのだろうか。

私は今でこそ5年から6年目に差し掛かろうとする東京生活だが、
特に東京がどうとか、情緒的に描いた記憶がない。
そう思うとポルノグラフィティの歌詞が東京の話を描き出し続けるのは、常に新鮮なのか、将又、特に良い単語が思い浮かばないだけなのか。

逆の考えとして、地元の広島の話が情緒的に描き出される時は私にはある。
でも私は10代の時から広島から東京に深夜バスを何度も往復していたから、
新しさはその当時の方が強かった。
事実その当時の文章を私は幾つも残している。
今は私にしか閲覧出来ないが。

その情景はいつまでも忘れることはなく、いつも思い出させる。
真冬の高速バスの冷えた窓。
睡眠時間にカーテンの隙間から覗き見た山々が次々と流れていく様を。
それは時に大阪や愛知や神奈川にバスが中継地を寄っていたり。
運転手が交代する間止まるSAの風景も。
幾度となく見てきた。
その先にある東京という特別な場所へ、
お気に入りの曲を大事そうに抱えて、外を見つめていた。

その後に何があったのかは実はあまり覚えていない。
多分辛かったんじゃないかと、今は思う。
辛い記憶はいつの間にか消えてしまう。
自分の心を護る為に。


それの事もあって、東京は慣れていた。
それなりに知っていた。
大阪もまぁ慣れてはいたが、住むには風土が合わないと昔から思っていた。
だから岡山から離れなくてはいけなくなった時、
最初から東京に行こうと決めた。
どうせ広島にいても気が滅入ってしまうのだから、
同じ心が発散したい!と叫びだす人々の居る場所の方が、ずっと楽しいだろうという事だ。
実際、東京は自分と性質が合っていると思う。
人が多過ぎると思う事はいつもだけども、
自分が6年も同じ場所に留まっている事が出来ているという事は、かなり気に入っている証だと思うし、縁があるのだろう。
何でもあるが、何もないと思う時は大体品々を探す時。
ふとした時、特に理由のない時は、何故かそこにある。
そういう場所らしい。
少なくとも私はそういう縁で東京と強く繋がっている。

広島は気が滅入ると書いたが。
これは、まぁ…広島にいた時の人生が余りにも悲惨過ぎたから、
広島に行くだけでフラッシュバックするのだ。
広島は好きだけども、心のトラウマはそう無くなるものじゃない。
だから元々住んでいた所や思い出が多い場所は気が滅入る。

岡山も良い思い出は全くないし、
それは『絶望』の場所であるけど、
住んでいた期間がそこまで長くないからなのか、
本当にアレな場所でなければ、特に問題はない。

泣きながら田圃の真ん中の道を自転車で走って見えた綺麗過ぎる星空を、
今は池袋のプラネタリウムで、

『別の人にも、こう見えるのか…。』

と感銘を受けて、

池袋のプラネタリウムで岡山を思い出す。

あと、岡山なら桃太郎伝説で有名な吉備津神社は、
それは切に願いを込めた場所だから、
少し心が揺らぐかもしれない。
でも優しい場所だった記憶が強いから、大丈夫かな。

宮島は絶筆に尽くし難いものがある。
物心つく前からずっと行っていたし、
祖父母が熱心な信仰をしていたし。
そして自分自身も一度は宮島で働きたくて、一時期働いていたものだから。
個人的にも何も考えなくても宮島を求めていたし、
もう何もかもが宮島にある。
あそこだけは別の場所だ。
私の全ての方向は宮島が決めたのだろう。
荒波を何度も越えて行けと。
死が眼球に迫るほどの荒波も迎えと。
そうなんじゃないかって思う事は多い。

紙一重というか、己の底力というか、
死ねない思い切りの悪さというか、
全て失っても、這いつくばってでも、
兎に角生き残るという生命の根源的怒りのお陰で、
そんな過去のお陰で、
今、生きている。


だから私は怒りで生き残っているのだ。
沸々と延々と消えない怒りが私に『生』を教えてくれている。

まぁ、怒りが強過ぎて、普段意識していないが。
意識を向けたときに、自分を蝕み痛みを出すほどの強大で無限の怒りが噴出してしまうから。
私は『許さない』と思った事に関して、
本当に『許さない』のだと知った。
許そうとすると、大き過ぎる怒りで身体が痛み出す。
記憶から消滅させる事が先決だろうな。
だから『許さなかった』まま消滅する事を祈るだけだ。

俺はお前を絶対滅したい。という意思に切り替わったら、
己の身体で耐え切れないほどの怒りの感情が出てしまう。
これが何かの物語ならもっと劇的だっただろうに。



場所って大事だよね。
それだけで焼き付いてしまうのだよ。
大切な思い出を作りたい。
幸いな思い出でいて欲しい。




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