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英国ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」

2023年6月29日(木)東京文化会館

ジュリエット:ヤスミン・ナグディ
ロミオ:マシュー・ボール


プログラム(2500円)は購入したけれど、近視でよく見えていないので、勘違いもあるでしょう。

ロミジュリは1年ちょっとぶり。前回はKバレエ。たぶん一番見ている全幕。

1年前のロイヤル・バレエ・ガラでケヴィン・オヘアが「来年はロミジュリ全幕やる」と宣言したのを思い出す。

当時は半信半疑だったなあ。
プリンシパルを大勢連れての来日(18人かな?)。まあロミジュリは「白鳥」や「眠り」よりもコールドが少なくていいし、ソリストも少なめでいけるし、主役も(踊り通しではあるけれど、グラン・パ・ド・ドゥないし)どちらかといえば楽。誰かが体調不良になっても、すぐに配役変更できる。シーズン終わりのツアーにはもってこいの演目なのでは。

この日は10時15分からレッスン見学付き。11時半には会館を追い出されてランチしてまた戻ってくることになるので、なかなか長くてハードな1日。
でも舞台上で本番前のレッスンを見てよかった。今時レッスンなんて動画でさんざん見られるけれど、3階席で真正面と真後ろから見ると、みなさんポジションがきれいなことがよくわかる(当たり前だけど)。これがプロよねえ。バーはあくまで準備運動で、アレグロから気合が入る。女性は適当にポワントを履く。フェッテやアラスゴン・ターンも。今日の主役はいなかったような。教師は世界バレエの日でもおなじみのオルガ先生。シンプルなアンシェヌマンが多かった。

さて「ロミオとジュリエット」。主役に関しては特になし。強烈な個性が良い意味で発揮されていなくて、そして超絶テクニックを見せつけたり反対に失敗したりもなく、ストーリーに集中できた。若者は愚かだよなあ。舞踏会でいちゃつきまくるし、かっとなって刺しちゃうし、結婚することは思い至っても2人で逃亡するとは思い至らないし(2人でヴェローナを逃げればいいのにと毎回思う)。ほんの少しずつタイミングがずれていたら、悲劇にならなかったのだよね。
目が覚めたら地下の墓所にいて死体があったなんて残酷だよなあ。ただ3幕4場で、ロミオがあっという間にパリスを刺してしまうのは変。もう数秒でも間を開けてほしい。
それから剣で人を刺すときに(ティボルト⇒マキューシオ、ロミオ⇒ティボルトも)、ちゃんと刺さっているように見えなかった。実際に刺せないのだから、うまく見せてほしかったなあ。そんなんじゃ人は死なないよーとつっこみたくなった。

バルコニーのシーンでパ・ド・ドゥになってしまうのはバレエならではなのだけれど、本来ならバルコニーにいるジュリエットと、その下にいるロミオは言葉を交わすだけなんだよね。いつかそういう演出でバレエはできないか?ひたすらソロでは飽きる?飽きない振付プリーズ。

前回も書いたけれど、ロミジュリはジュリエットの見せ場が少なすぎる。舞踏会ももっと踊ってほしいし、バルコニーのシーンもぼーっとロミオを見ているばかり。その後はリフトばかり。もっと1人で踊ってほしい。3幕1場のロレンスのところに行く直前、曲が盛り上がってジュリエットの心の動きはその曲調でわかるのだけれど、ベッドに腰掛けているだけ。いやー。顔で演技するなよ。芝居じゃないよ、バレエだよ。客席から見えないよ。なんで踊らないの?

マクミランって女性の振付下手なの?

そして前回も書いたジュリエットのシュミーズ姿。気になる。細かすぎ?でも周囲が重厚な貴族の衣装なのに、ぺらっとした衣装はアンバランス。ベッドから出てきて、そのまま両親や結婚相手に会うのはおかしいだろー。乳母が何か羽織らせればいいのだよ。

ブラボーもOK。時差退場もなし。この日はソワレもあるし、主役2人のみずーっとカーテンコール。ほかの人はさっさと休憩しているのだろうなあ。

今回もまた岩波文庫の『ロミオとジューリエット』をぱらぱら読んだ。シェークスピアは偉大。


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