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Kバレエ「ロミオとジュリエット」

3月17日(木)オーチャードホール

ジュリエット:飯島望未

ロミオ:山本雅也

ネタバレです。

プログラム購入せず(3000円は高いよ)なおかつ近視でよく見えていないので、勘違いもあるかもしれません。



飯島望未を見たくてミーハーです。

よかった。可憐でかわいい。2幕以降はすっと成長していく。運命に翻弄されてかわいそうだなと思った。

私の視力と座席では表情が見えなかったのが残念。

ロミジュリはロミオばかり見せ場がある振付ばかりなのだが、今回は彼女ばかりを見ていた。女性のテクニックを見せつける振付ではないのだが、相当テクニックがないと踊れない振付。クラシック作品を見てみたい。

とはいえロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオの3人組は踊りどおしで見応えあり。よく動く。ロミオもさんざん踊ってまだ踊るのか!というほど踊る。それでいて疲れない(初日だから?)。その他のダンサーもみなよく動くのはさすがKバレエ。

5月に見たドン・キホーテよりもよく見えたのは、いわゆる群舞(ちゃんと並ばないといけないやつね)がなかったからなのか、それとも見慣れたからなのか。

熊川哲也バージョンの特徴でロザラインが活躍するのだけれど、いらないかな。女性ダンサー(この日は日高世菜)の見せ場を増やす以上の意味があるのかどうか。1幕も女の対立(ロザラインvs街の女)みたいに見えて、それは不要だなと思った。ロザラインが舞踏会に登場するのも変だ。マキューシオの死を悲しむのはキャピュレット夫人がいい(筋書きを読めばよくわかるのかもしれない)。

舞踏会は重厚なロイヤルバレエ等に比べると、軽くて若い。ここは重たい衣装を引きずって踊るのが個人的には好み。若いダンサーばかりだと重い踊りは無理かな。

ロレンスの使者がロミオに手紙を届ける前に強盗(かな?)に殺されるシーンと、ロミオが慌ててベローナに戻るシーンが挿入されるのだが、どちらもいらない。少なくとも使者の場面はいらない。説明過剰(というより中途半端)だし、原作にはないし。舞台転換の関係かな。

左右の袖にベローナの建物が描かれるのだが、キャピュレット家の場では変えてほしいし、できないのならせめて引っ込めてほしい。内と外は変えようよ。キャピュレット家が庶民の家から見下ろされているみたい。

セットの階段を街中と家の中とで使い分ければいいのに。最後の場のみ階段が移動した。十字架がベッドの上に重なるのは秀逸。

全体が2幕。1幕はバルコニーのシーンで終わる。だからマキューシオ・ティボルトの死と夜明けの別離のシーンが続いてしまうのだが、そこは間がほしい。3幕仕立てではダメなの?曲と曲の間も全体に巻き気味で拍手ができない。急ぐ理由があるのか?葬式のシーンもなかった。

オーケストラは「ここは外さないでね」と願うところはことごとく外す予想通りの展開。もう少し外さないでほしいなあ。オーケストラが音楽をぶち壊してどうする。


熊川哲也バージョンに限らず、たいていの振付で言えることなのだが、ロミオとの別離のシーンはシュミーズ(ネグリジェなんておしゃれではない)で踊るとしても、そのまま両親に会い、友人に会い、上にショールを羽織るだけでロレンスに会うのはやめてほしい。それははしたない。何かちゃんと着てから両親に会ってほしいのだが、振付者の美的感覚からシュミーズになっちゃうの?

上にも書いたけれど、バレエのロミジュリはロミオの見せ場ばかりでジュリエットは見せ場が少ない。バルコニーのシーンはリフトばかり。それ以外の舞踏会やソロは簡単に見えるけど簡単ではない振付ではあるけれど、もっとテクニックを見せていいのではないかと思う。ロミオが踊りすぎる。いわゆるクラシックは女性ばかりが踊るので(白鳥の湖しかりドン・キホーテしかりジゼルしかり)、男性ばかり踊る作品があってもいいけれど、ロミジュリはロミオが踊りすぎる。ジュリエットはピルエットをまわってはいけないのか?

それからこれは暇なときに調べたいのだが、マキューシオがティボルトに殺され、ティボルトがロミオによって殺されるのだから、「目には目を歯には歯を」となってもいいと思うのだが、そうはならないの?ロミオは殺人とはいえマキューシオの復讐ではないの?

そしてジュリエットは大好きなロミオと極秘で結婚して、その後パリスとの結婚を拒否するのだけれど、それは好きなのはロミオだからパリスと結婚なんかしたくないという理由だけでなく、パリスと結婚すると重婚になるから拒否するのか?と思った。誰か教えて。原作だとジュリエットはロレンスの評判を気にするのだが。

セットのでかい十字架が、縦の下の方にもう一本横棒があったのだが、これでいいの?デザインで済まされる問題ではないと思うのだが。後で調べよう。

初日はカーテンコールに熊川哲也が登場。

ロミジュリは見るといろいろ考える。原作を読みたくなるし、音楽もずっと頭の中で流れる。良い作品だ。

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