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人々のやさしさが溶け込んだ美しいスウェーデンの蒼空を後に・・・

旅行者の長い行列で混み合う
アーランダ空港でチェックイン、

見送ってくれる家族とお茶もできず
スーツケース二つを抱えてヘルシンキへ。


JALに乗り換えるカウンターで
マスク着用のサインを目にして
バックから取り出した白いマスク。

それが帰国の合図かのように・・・

スマホに入れるMysosの手続きに苦労して、
滞空時間の長さに疲れて帰国の途に。

同じ気温なのに日本は暖かい秋、

スウェーデンは、
岩の上に建つ国だからでしょうか。
少し冷えた感じ。


いつものスウェーデンの旅とは違っていたのは、
深い秋のように人々の心の見える旅


空路のこととマスクのことも、
それと私自身が3年ぶり、
コロナ禍で渡欧できなかったという
変化の中だったからでしょうか。


ストックホルムは人口増で、
車も自転車もラッシュの東京並み。

美味しいと評判のレストランは、
何ヶ月も予約も取れず、
1日1千万円の売り上げを出すところもあるとか。



かたや、会社の倒産も多い。

どこの国も目まぐるしく変わる世界情勢に
振り回されています。

紙幣は、
コンビニかスーパーマーケットぐらいでしか使用できず、
それも少しずつ使えなくなる。

日常生活も
スマホやネットに弱い私は、混乱状態。




カード決済のみになったと嘆く、
スウェーデン人のお年寄りもいて。

顔を見合わせながら、見ず知らずのお年寄りと
現金で払わせて頂戴!と苦笑い。

こんな不便があっても、
楽しさと心の豊かさを教えられた日々。

40日間は、あっと言う間に過ぎて行きました。


”アート”の国
それを大切にする国であることを
痛感した旅でもありました。


私の個展は、
スウェーデンの最も豊かで皆の憧れの街
レキサンドという避暑地。



しかし季節はもうすっかり静まり返って、
通りには人影もない夏の終わり。

ここで個展?の疑問が浮かぶ。



飾り付けをしてくれる優秀なアーティストは、

森に枝を探しに、湖に石を探しにと、
展示のために歩き回ってくれました。



湖のほとりで買って来てくれた、
コーヒーとサンドイッチを頬張りながら、

人々の来展を望むというより、
最善を尽くすことへ努力する若者の姿に、
なぜか温かなものがよぎりました。



個展の展示は全て彼に任せて、
考えたこともない展示の仕方に感動し、

お陰でどこから人々が湧いてくるのだろう、
と思えるほどの来展者数でした。



そんな中で
色々なことを再認識することがあったり、
出会いがあったり

2週間はあっと言う間に過ぎて行きました。


ストックホルムに出て、母校の教壇に立っても
人々との出会いと出来事は忘れられないものとなりました。


生き難い世の中にひっそり暮らす若者たち、
学びを続けようとする学生たち、

福祉国家であるが故に孤独な老人たち、
心と体に傷を負っている人たち、
戦場から逃れている人々、

どこにどのように生きていても、
希望を失って欲しくありません。



それを支える一つに
アートがあるのだと再認識し
教えられました。

その人々との物語を、
これから書いてみたいと思っています。


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